【BtoB企業のマーケティング】YouTubeを利用して行うメリットやデメリット

BtoB企業のマーケティングというとかつては見本市や顧客となる団体のイベントへの出展、あるいは訪問してのマーケティングと言ったものが主でした。
しかし現在は、より合理的、効果的なマーケティングとして巨大な動画プラットフォームであるYouTubeを利用したものが注目されています。

今回、このBtoB企業のマーケティングにおいてYouTubeを利用する方法やそのメリットやデメリットについても触れていきながらご紹介します。
BtoB企業のマーケティングとしてYouTubeを検討しているがどんなメリットやデメリットがあるのか、そんな疑問を持っている方にとってヒントになるのがこの記事です。

動画広告統計

実際にサイバーエージェントが行った2018年の調査によると、動画広告市場は引き続き拡大する見通しです。
全体的な市場感としては、2018年の1,843億円から見ると3年後の2021年には3,629億円でおよそ2倍に成長し、動画広告全体の規模は拡大が期待されている分野といえます。
このように可能性のある分野を是非BtoB向けのマーケティングに生かしていきましょう。

BtoB企業のマーケティングをYouTubeで行う方法

YouTubeをマーケティングに用いたいもののどのようにすればいいか分からないというケースも少なくありません。
しかし、実際に着手すると思った以上にスムーズに利用できます。
主な手段は、チャンネルを開設すること、YouTubeに広告を出稿する方法です。
これら二つについて解説していきましょう。

チャンネル開設について

まず、チャンネルを開設することについてです。
基本的な作業としては、Googleのアカウントを取得し、YouTubeでアカウント設定、そして動画を作成し、それをYouTubeでアップロードするというものになります。

スマートフォンで撮影した動画であっても簡単にアップロードできるので、チャンネル開設は思った以上に簡単な作業です。
チャンネルの開設のあと、動画を作成するのですが、基本的に自社のPRに関わる短時間の動画(5分程度)をたくさん作る方法が取られます。
サービス提供事例の紹介動画、自社のイメージ動画、あるいは会社紹介や自社のサービス及び製品の利用方法を分かりやすく紹介する動画です。
これらの動画を複数制作します。

従来の映像によるマーケティングであれば一枚のDVDに渾身の長時間動画を制作し、直接配布するというものでした。
しかし、YouTubeの動画によるマーケティングは短い動画を多数制作するという点で大きく変化しています。

このチャンネル開設による動画のPRの事例として、A社はチャンネルを開設後、頻繁に動画をアップロードして成功を収めています。
例えば、商品・サービス紹介、インタビュー、プレゼンとバラエティー豊かな動画で、いずれも5分以内に視聴が完了するものになっているのが特徴です。

B社の事例は、コンバージョン率を意識したYouTubeチャンネルで成果を上げました。
コンバージョン率とは、視聴者の内どのくらいの割合で、自社の商品の購入やサービスの契約に至ったかという数値です。
例えば、100万人視聴して100人契約するよりも1万人視聴して100人契約するほうがコンバージョン率が高いことを意味しています。
このコンバージョン率を上げる動画はどのようにして作られるのでしょうか。

基本は、顧客となる業界の専門家が納得するようなニッチな内容の動画制作です。
一般的な知識の動画ではなく、専門家も驚くような自社製品やサービスを使った具体的な技術のPRやサービスのPRをします。
このようなニッチな動画は視聴回数こそ稼げませんが、視聴した方の多くが専門家なのでコンバージョンに至りやすいというのが特徴です。

C社もコンバージョン率を意識しつつ、問題解決の事例を紹介し、具体的な成功イメージを動画でPRしています。
視聴した顧客・見込み顧客が「自分たちの抱える問題を○○(動画チャンネルの配信元)なら解決できるのでは」、そう思わせるような動画を制作してコンバージョンに至るケースを増やしている事例です。

これらについて具体的な事例を挙げていきましょう。

コンピューターネットワーク機器メーカーのCiscoは自社製品の動画コンテンツを年間1千本制作しています(https://www.youtube.com/user/Cisco)。
これは自社製品のアピールと言った広報活動の他、商品の紹介や購入した企業向けのテクニカルな話題の動画も自社のチャンネルで公開しているのが特徴です。
自社のチャンネルで広報、営業、そしてフォローアップまで行っているという動画マーケティングの活用事例になります。
大手ということもありますが、視聴回数は非常に多くユーザー獲得などで成功している事例です。

YouTubeに広告を出稿する方法

YouTubeに広告を出稿する方法は、一定の手続きと契約で完了します。
最初にGoogle広告のアカウントを作成することから始めます。
Google広告のページにアクセス、メールアドレスと自社サイトのURLを入力、その後は支払い方法を設定(請求先住所の国やタイムゾーンが日本や東京時間にしておく)し、住所などの設定を行いましょう。

アカウントが作成されたら、YouTubeに広告用動画をアップロードし、新しいキャンペーンを作詞(出稿案件を制作するという意味)、予算などを設定します。
チャンネル開設よりもやや手間取ることもありますが、よりダイレクトに見込み顧客へ動画広告を配信ことが可能です。

1日1日の投資を設定し、上限を超えないようにすることで費用対効果を維持および向上することが大切で、5秒程度でスキップされてもしっかり情報が伝わるような広告が理想といえます。
YouTubeなら1日の広告予算を決められるので、従来の広告よりも安価に広告が出稿できるのも魅力です。

広告動画の出稿で成功した事例も紹介します。

Volvo Trucks(ボルボトラック)はプロのトラックドライバー向け自社の性能について紹介する動画を作成しました。
そして、Youtubeに広告動画として、自社のチャンネルに紹介動画としてアップロードしたのです。
俳優であるジャン=クロード・ヴァン・ダムを起用し、エンタテインメント性に優れた動画を撮影して行った映画のようなプロモーションは運送会社からの受注を獲得し、日本円にして1億2,600万円を達成。

Facebookのフォロワーも1万6,000人から33万人と大幅に増加するという大きな成果を上げました。
こういった大規模なことはできなくとも従来の広告費の予算で、従来以上のクオリティの広告が出稿できるメリットがあります。

BtoB企業のYouTubeマーケティングのメリット

BtoB企業のYouTubeマーケティングのメリットを紹介していきましょう。

そのメリットとは、購買担当者にアプローチしやすい、動画経由で自社サイトにアクセスしてもらえる、そして安価に制作、出稿できると言ったものです。

BtoB企業のYouTubeマーケティングにおけるメインターゲットは顧客企業の購買担当者になります。
彼らはミレニアム世代と言われる20~40代の比較的若年者層であり、YouTubeを抵抗なく利用している世代です。
そんな世代に直接アプローチできるのはマーケティング上大きなメリットといえます。
購買担当者からすれば、こちらのサービスや製品の分かりやすい動画をそのまま使い、上司である決済担当の方にアプローチすることもできるので背後の最終決定権を持つ上司へのマーケティングにもなるのがメリットです。

動画を見てもらうと自社サイトへのアクセスに至るケースもあるので、そこからコンバージョンに至るケースも少なくありません。
これらのアクセスについても、YouTubeアナリティクスという機能が無料で提供されており、これを利用するのも手です。YouTubeアナリティクスはチャンネルや動画のパフォーマンスを記録し、視覚的に詳細なデータを確認できるようにしてくれる便利な機能と言えます。

最後が安価に制作、出稿できることです。
DVDなどの映像媒体を提供すると一気に数万円、数十万円と費用がかかります。
しかし、YouTubeの場合、スマートフォンや自社の既存の設備(ビデオカメラ)などを用意すれば最低限の品質のものが制作できるのです。

また、広告出稿も予算を決めて行えるので、余計な出費をせずに安心して出稿できると言うのもメリットとして挙げられます。

更にメリットを挙げるとすれば、市場感のマッチングした業界で効果を発揮するマーケティングでもあります。
需要が旺盛で供給が間に合っていない分野、または供給そのものが足りない分野です。

例えば前者の場合は、テクノロジー分野で急激に注目されている分野(オンライン会議などの周辺環境に関する分野等)では需要が旺盛であり、大手が積極的にマーケティングを行っているものの、アプローチできる需要はまだ残されています。
後者は、注目されていない未知の分野、実は動画マーケティングが有効だったというような意外な分野です。こういったどこの企業も手を付けていない分野で動画マーケティングを行うというのも有効かもしれません。

BtoB企業のYouTubeマーケティングのデメリット

BtoB企業のYouTubeマーケティングのメリットはフォーカスされがちですが、デメリットも存在します。
それは、人材のリソースが動画に奪われる、アプローチがうまく行かないと関係ない視聴者への無駄な広告になる、定期的な更新が求められるといった点です。

動画制作は社員の出演や撮影、編集にある程度のマンパワーが要求されます。
そのため通常業務を行っているのが精いっぱいという職場の場合、貴重な人材のリソースが動画に奪われ、本業に深刻な影響を与えてしまうことがあるのです。

また、アプローチがうまく行かないと全く無駄なマネージメントになりかねません。
Aという分野の企業にPRしたいのになぜがBという分野の視聴者ばかりが視聴してしまい、全くコンバージョンに至らないこともあるのです。
動画チャンネルならば、そこまでダメージが大きいものではありません。
しかし、出稿している場合は広告費が無駄になります。

動画チャンネルを持つと、顧客の見込み企業がチャンネル登録してくれることも少なくありません。
そんな状況で動画を10本程度アップロードし、そのまま放置してしまうと見込み顧客から良い印象を受けることができないのです。
そのため、定期的な更新が必要であり、コンスタントに動画をアップロードしていくことが大切と言えます。
その労力が人的リソースの消費につながるというデメリットです。

これら以外にもデメリットがあります。
それはメリットでもお話しした市場感にマッチしない業界で、積極的な動画マーケティングを行うことです。
端的に言えば、供給過多になっている業界、あるいは需要が少ない業界を指します。

テクノロジー業界で、大手が80%以上のシェアを持ったような分野で動画マーケティングを行っても契約には繋がりませんし、需要が少ない業界、例えば伝統工芸などのBtoB分野(BtoCは伝統工芸をアピールする意味で重要)は、仕入れ先が固定されており動画マーケティングを行っても需要がそこまでありません。
こういったケースにおいては市場感がマッチしないといえます。

外注という選択肢もある

YouTubeの動画マーケティングは手続きこそ簡単なものの、コンテンツの制作が負担になりかねない手法です。
そんなデメリットを解消するには外注という手段があります。

インフルエンサーと呼ばれる、莫大な視聴者数を持つYouTuberと契約し、動画制作やPRを一任するというものが良く採用される手法です。
また、会社紹介から商品紹介、事例インタビューなどあらゆるシーンに対応できるトータルサポートが可能なマネジメント会社と契約し、一切を外注するという手もあります。

こういった手法をとることで、通常業務を行いながらYouTubeの動画によるマーケティングを可能とすることも難しいことではありません。

まとめ

YouTubeの動画によるマーケティングは、近年注目されているBtoB企業のマーケティングです。

気軽にできるものである反面、人手や手間がかかる面もあるため、人材がギリギリの企業には大きな負担になりかねないデメリットもあります。
そんな時は、インフルエンサーと契約をしたり、マネジメント企業と契約したりと言った外注も有効です。