はじめに
この記事から学べる事
- DSP広告がどのようなものか分かる
- メリットやデメリットなどの両面が知れる
- DSPサイトの紹介によって実際に自社の運用に役立てやすい
みなさんはどのように広告をWeb媒体などに出していますか。広告の効果を最大化し、効率良く広告を出すことが出来る方法として、DSPというものがあります。
DSPとはいったいどのようなものなのでしょうか。分かりやすく解説すると共に、DSPサイトの紹介やメリットとデメリットなどについても見ていきたいと思います。
DSP広告とは
「DSP」はDemand-Side Platformの略称です。主に広告主側が利用するプラットフォームになっています。広告主が広告をWeb上で出すにあたって、出稿の費用対効果を高めることができます。
「DSP」は「SSP」と呼ばれるメディア側のプラットフォームと連携することによって、より効率的に広告が出稿される仕組みになっています。
「SSP」とは、Supply Side Platformの略称です。主に広告枠を保有しているメディアがより高く広告枠を買ってもらいたいためのプラットフォームになっています。
分かりやすく説明するとこのようなイメージになります。
登場する立ち位置は大きく分けて4つ
- ユーザー(サイトを閲覧する人)
- Webサイト(サイト自体/サイトの運営をする人)
- SSP(広告枠を販売している人たちのプラットフォーム)
- DSP(広告をWebサイトに掲載したい人たちのプラットフォーム)
最初にユーザーが、Webサイト(yahooやGoogleなど)にアクセスしたとしましょう。
そのサイトを運営している人がサイト内に広告を掲載したいと思い、「SSP」に広告を掲載したいという旨を伝えます。
そこで、「SSP」は広告主が集まっているプラットフォームの「DSP」に「〇〇のサイトに広告枠があります。掲載する方はいますか?」といった、広告を掲載したい人たちを募ります。
「DSP」に登録している人たちは、その募集に一斉に応募します。そこで集まった応募の中で一番入札料が高かった人の広告を掲載する、といったような流れのイメージです。
BtoB企業に効果的なDSP動画広告とは
Web上に広告を出す際に、企業向けにビジネスを展開しているBtoB(Business to Business)企業と、消費者向けにビジネスを展開しているBtoC(Business to Consumer)企業とで比較したところ、BtoB企業の方が積極的にWeb広告を利用しているということが分かりました。
市場規模はBtoC企業と比べ何倍にもなっており、これからも市場規模は拡大していくことが予想されます。
そこで、「BtoB企業に効果的なDSP動画広告」とは何なのかということについて書いていきたいと思います。
BtoB向けの広告を作る際に皆さん共通の悩みの種があると思います。
それは、顧客が「消費者」ではなく「企業」ということなのでターゲットの幅が狭いということです。さらに、どのような場所に広告を出せばいいのかということです。
その悩みを解消するために以下の具体的な3つのことをはっきりとさせることが重要になってきます。
3つのポイント
- 自社にとっての顧客はどこなのか
- 自社の他社に比べて負けない物は何なのか
- 自社にとってどのような人材が必要なのか
この3つをはっきりとさせることによって、広告を作る方向がある程度見えてきます。
まず、BtoB企業なので専門的な内容の広告を作る必要があるため、顧客はどこなのかをはっきりとさせましょう。
次に自社の強みや差別化がはかれている部分などをはっきりさせることで、長期的かつ継続的な「経営戦略」としての広告を作ることができます。
最後に、長期的な視野で見た時に重要になってくるのが、企業にとっての優秀な人材の獲得です。会社にとって優秀な「人材」、これはBtoB企業に限らずどこの組織でも重要な課題であると思います。
また、これらの条件を明確にしておくことによって、他社との差別化や強みや弱みなどが見えやすくなります。ですので、DSP広告に出した際に、他社との差別化を図ることができます。更に、広告枠に採用されなかったとしても、「他社と比較して自社に足りないものは何なのか」、「今現在の立ち位置」などが分析しやすくなります。
このように、BtoB企業の動画広告を作成するためには以上3つのことを明確にしておく必要があるでしょう。それによって、他社との差別化や長期的にかつ戦略的な広告としての役割を果たすことができるでしょう。
DSP動画広告のメリット&デメリット
では、DSP広告に出すことのメリットやデメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
DSP動画広告のメリット
主にDSP広告のメリットは以下の3つです。
①枠や場所ではなく‘‘ユーザー‘‘にとって最適な広告が配信できる
DSPは特定の広告枠やWebサイトに配信されるものではありません。ユーザーの情報を細かく分析し、どのようなユーザーなのかを一瞬で分析します。
ユーザーを分析する要素として、年齢、性別、地域、検索履歴、行動履歴などといった、より具体的な情報を拾っていきます。そのため、収集されたユーザーデータを元に「どのサイトで何を調べていて」、「どのような情報に興味があるのか」といったように、より具体的な情報に仕上げることが可能となっています。それによって広告枠にとらわれず、ユーザーにとってより最適な広告を配信することができるのです。
②高度な分析システムにより広告効果を一瞬で最適化できる
前述しましたが、DSPの最適化システムによって、ユーザーの大量な情報を分析し、配信します。これは、手動での広告配信では到底出来ません。なぜなら分析の段階で時間がかかってしまうため、広告を配信するまでの手間がかかるからです。
膨大な情報を一瞬で分析できるこの機能は、広告効果の最大化という面では大きなメリットとなっています。
③広告主の希望に合わせて柔軟な設定が可能
広告主にとって広告を出しやすいように、詳細な条件設定ができるDSPも存在します。
例えば、「入札額を一定期間だけ上げる」、「一定の行動をするユーザーにターゲティングを絞る」などといったような具合です。
このように広告主にとって希望通りに、より柔軟に詳細設定ができるDSPも多く存在します。
DSP動画広告のデメリット
DSP広告のメリットをいくつかご紹介しましたが、逆にデメリットはどのようなことがあるのでしょうか?
デメリットは大きく分けると以下の3つになります。
①広告が配信されたサイトが分からないDSPもある
一部のDSPは広告がどこのサイトに開示されたのかが公開されますが、開示されないDSPも中には存在します。
その場合、「どのようなユーザーが広告を見たのか」、「どのようなことへ興味や関心をもっている人が多いのか」などといった情報が一切無い状態ですので、今後の分析なども行ないずらくなってきます。
②初期費用などといった費用がかかる
DSPを利用する際には手数料や初期費用がかかる場合が多いので、各DSPでの情報を詳細に確認しておく必要があります。
使ってみたら意外と費用が高かったということもあるので、注意が必要です。
③DSP会社によってはターゲティングが大きく異なる
それぞれのDSPが持っているシステムや、情報、提携している配信メディアは違うため、ターゲットが大きく異なる場合があります。それぞれのDSPの特徴をしっかりと理解したうえで利用することが重要になってくるでしょう。
DSPサイトの紹介
それでは、BtoB向けのDSPサイトには一体どのような特徴を持ったものが存在するのでしょうか?各DSPサイトとそれぞれの特徴を書いていきたいと思います。
Logicad(ロジカド)
こちらのDSPはソニーが開発したものになります。ソニーと言えばパソコンや電化製品などといった高い技術力を武器に多くの電化製品を世に送り出してきました。
そのため、豊富な機能を取り揃えており、多くの実績を残しています。
Logicadの特徴は大きく分けて以下の4つです。
1.大量のデータを分析して最適なターゲティングが可能
毎月4億人以上ものユーザーのデータを分析し、最適な入札額を決めています。
2.全自動ではなく、人の手を加えることによって細かなチューニングができる
他のDSPとは違い、人が運営することによって細かな微調整が可能になります。それにより手間はかかりますが、柔軟な対応が可能になっているのです。
3.配信内容がすべて開示されている
広告が配信されたサイトはどこなのかをLogicadはすべて開示しています。広告主を傷つけるような内容があった場合はすぐに配信を止めることも可能です。
4.企業データベースと連携している
Logicadは企業データベースであるLBCと連携しています。LBCは企業や法人情報である、資本関係、本社や事業所の関係などといった情報をまとめているものです。
そのため、企業の売上げや属性などといった情報をもとにターゲティングをすることが可能です。
ADMATRIX DSP(アドマトリックスDSP)
こちらは株式会社クラウドが運営しているBtoB向けのDSPになります。特定業種をターゲティングしているのが特徴です。他にも以下4つ特徴があります。
1.国内最大級の在庫
月間2000億インプレッションもの在庫を抱えており、国内最大級となっています。
また、Double Clickなどの大手SSPと連携することによって、幅広いジャンルの配信内容になっています。
2.IPデータが国内最多
国内最多のIPデータを活用して、業種や従業員数、売り上げなどといった幅広い条件の中から合致する最適な広告を選び出します。
3.サイトを閲覧したユーザーに対して追跡し広告を見せることができる
一度サイトに訪れたユーザーに対して、追跡して再度広告を見せることができます。サイトへの訪問回数や滞在時間などから分析してユーザーにアプローチすることが可能です。
4.Webサイトによって広告表示が柔軟に対応できる
動画広告にも対応しており、広告の表示の仕方がWebサイト毎に異なっても柔軟な対応ができます。
ExLead-DSP(エクスリード)
株式会社メイテンスが運営しているBtoB向けのDSPになります。
特徴は大きく分けて以下の2つです。
1.都道府県で絞れる「エリアターゲティング」
47ある都道府県ごとにターゲットを絞れるため自社のエリアと合致する所にターゲットを絞ることができます。
2.業種・職種の細かなターゲティング
飲食、電気、不動産などといった業種の他にも、営業、事務、総務などの職種に応じたターゲティングが可能になっています。職種は更に細かく設定することができ、クリエイター、デザイナーなどといったように細かく分類されています。
まとめ
DSPは広告を効率的にWebサイト上へと出し、より最適なユーザーへと閲覧できるようにできるようにしたものです。
しかし、それぞれのDSPによって提携しているサイトや、持っている技術、システムなどが違うため、ターゲットも大きく変わってきます。
それぞれのDSPの持っている特徴をしっかりと理解したうえで活用することによって、より効率的にターゲットへとアプローチすることができるのです。