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1. 動画制作も自動化の時代
動画制作というと専門の企業に依頼して制作をするというイメージがあります。
また、動画制作にかかる時間も長く、企業で動画制作を行う場合は、人的資源を多く取られることも予測されます。
そのため、内製化に二の足を踏んでいる企業や担当者の方も多いはずです。
しかし、ここ数年動画の自動生成が一般的になり、それを利用した動画編集も出てきました。
ここでは、動画制作の自動化の特徴や動画制作を自動化したツールの仕組みについて触れていきます。
1-1.動画制作の自動化の特徴とは
動画制作の自動化の特徴は、動画制作の経験や知識、技術がなくとも撮影した動画から短時間でしかも自動的に編集を行います。
具体的には簡単に、しかも時間を要さずに編集された動画ができるのが特徴です。
簡単な点とし挙げられるのは、素材とテキストを選択し、テンプレートを指定するだけで動画が出来上がる点です。
自動化されていない従来の方法では、素材があってもテキストや構成などを考えて、どのように行うかを考えなければいけません。
加えて、近年はあらかじめ素材が用意されているケースもあり、その素材を使えば素材すら用意しなくとも動画制作の自動化がされます。
動画のテンプレートもオンラインでの追加や、あらかじめ多くのテンプレートが用意され、選ぶだけで本格的な動画が作成できます。
それも動画制作の自動化の簡単な要因と言えるでしょう。
時間も必要としません。
編集の作業自体も自動でツールが行います。
そのため、動画制作に携わる担当者も簡単な操作を行ったあと、自動で動画制作をしている間、本来の業務に携われます。
こういった特徴を持っているのが動画制作の自動化です。
1-2.動画制作を自動化したツールの仕組み
動画制作を自動化したツールの仕組みについても触れていきましょう。
その仕組はわずか3ステップで説明でき、そのステップは素材の用意、テンプレートの指定と動画制作のボタンの押下、出力された動画ファイルの保存です。
素材の用意は、あらかじめ撮影した動画、利用したいフォント、音楽、そして画像を用意します。
これらはあらかじめツールで搭載されているものもあるので、そのまま使っても良いでしょう。
次にテンプレートを選択します。
これは簡単な構成のことを指します。
指定したあとは自動化されたシステムによって動画を判別し、素材とのマッチングによってパターン化された動画が作られる仕組みです。
作られた動画は動画ファイルとして出力されます。
そして、それを保存して完了というのが基本的な動画制作の自動化ツールにおける仕組みです。
2.動画制作自動化のメリットとデメリット
動画制作自動化は、メリットが多くあります。
ここでは、その動画制作自動化におけるメリットを解説していきましょう。
また、注意すべき点もあるため、デメリットという形でも動画制作の自動化について触れていきます。
2-1.動画制作自動化のメリット
動画制作自動化のメリットは先程触れた簡単に動画が作れること、動画制作に時間がかからないことが挙げられます。
また、これらの特徴を生かして最適な動画構成を見つけられるというメリットも挙げられます。
この最適な動画構成を見つけるというメリットは、短時間で簡単に動画編集ができる動画自動制作ツールの特徴によって可能になります。
たくさんの自動で編集された動画を見比べて、最も効果的な、あるいは質が高いと思われる動画を見つけることができます。
こういった見比べは、通常の編集で行うと莫大な時間や手間を要しますが、自動化されたツールを使えば簡単です。
このように気軽で短時間に、しかもたくさんの動画制作ができ、さらに見比べて最適な動画を見つけられるのがメリットと言えるでしょう。
2-2.動画制作自動化のデメリット
動画制作自動化は一見便利なように見えますが、実はデメリットもあります。
端的にいえば、融通がききにくい、ありきたりな動画になるという点です。
基本的にテンプレートによる動画制作になるため、自分がこうしたいというアイデアを付け加えるのが難しいと言えます。
また、AIを利用した動画制作の自動化も行われていますが、まだまだ発展途上で、時々突飛な編集をしてしまうケースも見られます。
テンプレートをベースに自動制作するため、どうしてもありきたりな動画になりやすいのもデメリットです。
自社の動画にクリエイティビティを出したいと思っている方には、あまりおすすめできないケースもあります。
これらのデメリットは、長尺の動画になるほど、より目立ってしまいます。
編集時間を減らしたいと思っている長尺の動画に限ってこういった状態になりやすいという点に注意しましょう。
ただ、かつてはコストなどもデメリットでしたが、安価なものも出てきているので、そういった面でのデメリットは低下してきています。
3.動画制作の自動化ツール6選
具体的に動画制作の自動化ツールにはどのような物があるのか、ここではおすすめしたいツールを6つチョイスし、紹介していきます。
3-1.VIDEO BRAIN
有料ツール
- ライト:月額5万円(初期費用10万円)
- スタンダード:月額15万円(初期費用20万円)
- エンタープライズ:月額30万円(初期費用30万円)
AIを活用して動画制作の自動化を行っているツールです。
素材を入れるだけでストーリー性を感じさせる動画を編集し、最短で3分後には編集された動画が出来上がります。
さらにテキストも重要な部分だけを抽出する機能があります。
これによって適切な動画素材とマッチングさせるなど、動画素材のみの編集だけでなく、テキストとの組み合わせもできるツールです。
リアルタイムプレビュー機能も搭載されているので、出来上がったものをすぐに確認できるのも魅力と言えるでしょう。
3-2.Premiere Pro
有料ツール
- 月間プラン:3,828円
- 年間プラン:28,776円
Adobeの定番動画制作ツールも自動化されたツールを搭載しています。
Adobe Senseiと呼ばれるAI技術を搭載し、動画を整理して編集し、作成するといった一連の編集作業を行います。
このツールの優れたところは、自動で動画の縦横比を変更し、スムーズな動画に仕上げるオートリフレーム機能です。
左右の構図を使った横素材を縦に切りとるという手間のかかる編集作業も自動化されるという優れた能力を持っています。
そのため、スマートフォンで撮影した動画(ドローンなどの動画も含む)やデジタル一眼で撮影した動画を同じ動画にまとめるのも簡単です。
3-3.AIライブストーリー
無料ツール
- シャープ系のスマートフォンに搭載
シャープ系のスマートフォンに搭載されているAI搭載の動画制作ツールです。
スマートフォンの動画専用、短時間のダイジェストムービー制作という対象を極端に絞ることで、使いやすさを意識しています。
被写体や構図を自動で分析して見どころを判定し、ダイジェストにしてくれるのが特徴です。
こちらの自由度は低いものの、とても簡単に動画制作ができます。
3-4.Story Remix
無料ツール
- Windows10に搭載
Windows10にも実は自動の動画制作ツールが搭載されています。
複数の動画ファイルや画像ファイルを一つに連結させて、スライドショーのような動画を自動で制作するツールです。
テキスト合成やBGMも内蔵音源を使って簡単に指定できる機能もついているのが特徴です。
動画制作の自動化の概念を知るには便利なツールですが、基本的な機能だけなので、本格的な動画制作の自動化は苦手な印象です。
3-5.動画合成エンジンPENCIL
有料ツール
- 年間プラン:60万円
動画素材を組み合わせることで、動画制作を自動化してどんどん新しい動画ファイルを生成するツールです。
サーバー組み込み型という特徴のため、ネット上のアプリで編集するということがありません。
大手企業も採用しているツールです。
3-6.SoVeC Smart Vide
有料ツール
- 月額10万円~
ブラウザ上で本格的な動画編集を行ってしまう自動化ツールです。
アニメーションやエフェクトのクオリティの高さに定評があります。
人の手で編集したような動画が自動で生成できますが、利用料が高額なので専門企業向けかもしれません。
4.動画制作を自動化するのに向いている動画
動画制作の自動化は、向いている動画も多くあります。
最後に自動化に向いている動画のジャンルを紹介していきましょう。
4-1.動画バナー
ウェブサイトの広告で目にするバナー広告。
このバナー広告を制作するのに強みを持っています。
近年のバナー広告は、ユーザーの属性を分析し、その属性に好印象の内容で、同じサービスや商品の動画を様々なパターン用意する必要があります。
例えば、洗剤メーカーの動画バナーであれば男性の属性を持つユーザーが見ている場合、男性が洗濯をしているものにしたり、女性の場合は、女性の好感度が高いタレントを起用した動画を表示したりといった感じです。
こういったパターン別の短い動画を作るのに向いています。
4-2.動画を利用したダイレクトメール
メールもダイレクトメールのような内容を配信することも少なくありません。
そんなときに、訴求力を高めるために動画を利用することもあります。
この動画は短く端的に相手に見てもらうのに適したものではなくてはいけません。
そういった短時間でインパクトのある動画を作るのに適しています。
4-3.SNS向けの広告動画
SNS向けの広告動画は、小さな枠に短時間で商品やサービスの魅力を伝えなければいけません。
さらに属性ごとに動画の内容を変えるというのも効果的です。
そういった動画を作るのにも適していると言えるでしょう。
まとめ
動画制作の自動化は、素材を入れてテンプレートを選択するだけで簡単に動画ができます。
そのため、とても便利なツールと言えますが、長時間の動画や詳細な仕様変更を行うのは、まだまだ発展途上です。
こういった弱点もあるため、短時間の簡単な動画編集以外は、専門の映像制作会社に依頼するというのも有効な手段と言えるでしょう。