応募の増加や人材の質の向上を目的に「おもしろい採用動画を作りたい……」と考えているマーケティング担当者は少なくありません。
ユーモラスな動画は企業に対する良好なイメージの形成を促進して、入社したいと感じる学生の数を増やす効果が認められます。
採用動画のコンテンツ作りに励む際は、硬くなり過ぎず適度にジョークを含むことを意識するとよいでしょう。
一方でふざけていると思われないような配慮が必要です。
今回はおもしろい採用動画を制作するポイントや成果を出すコツ、視聴者にユーモアを感じさせるポイントを紹介します。
採用活動に注力して質の高い人材を獲得したいと希望するマーケティング担当者のお役に立てれば幸いです。
おもしろい採用動画とは
おもしろい採用動画とは視聴者の興味を惹き付けて、ターゲットの学生や第二新卒からの応募を増やす効果をもったコンテンツです。
企画・構成にこだわり、最初から最後まで見続けたいと感じさせるコンテンツは就活生の目に留まりやすい貴重な存在です。
おもしろい採用動画は以下のカテゴリに分類できます。
- 映画やドラマ、マンガのパロディ型
- 座談会形式のネタ
- 社員の一日やオフィスの様子を映したドキュメンタリー型
- 価値観やビジョンを表すコンセプト型
- アニメーションやイラスト型
- 作り手と視聴者の相互の意思疎通が可能なインタラクティブ型
採用動画は一般的には5〜10分程度の短尺の動画です。豊富な情報量をベースとして短い時間で自社の魅力をふんだんに伝えたり、ミスマッチを防いで採用コストを低下したりする役割を担います。
またおもしろさに振り切ると動画に独自性が生まれ、他社に埋もれなくなる傾向があります。
おもしろい採用動画を制作するポイント
おもしろい採用動画は、決して一朝一夕でできあがる簡単な代物ではありません。
テクニックを取り入れ、明確な意思をもった制作を心がけましょう。
分野に関わらず使えるおもしろい採用動画を制作するポイントは次のとおりです。
アニメーションを取り入れる
アニメーションの活用は、動画制作に慣れていない方も気軽に取り入れられるテクニックです。
全編アニメ形式にするほか、実写動画にピンポイントで派手な装飾を施したりキャラクターを挿入したりする方法があります。
視覚的なかわいらしさや独特の動きで視聴者の興味を惹き付けて、企業の魅力を楽しく伝えられます。
押しつけがましい印象を与えないことも特徴です。
アニメーションは、特に建設や金融といった硬いイメージがある業種の動画にこそ効果を発揮します。
親しみやすさのアピールにつながり、本来であれば応募を躊躇する若年層の行動変容を引き起こす期待がもてるからです。
テロップを効果的に使う
テロップの挿入は簡単に動画をユーモラスにできる有益なテクニックです。
また、視聴者に伝えたいメッセージをわかりやすく明示する効果もあります。
例えば効果音やオチをテロップで表現すると、動画が一気に華やかになるでしょう。
爆発枠(バースト枠)やギザギザ吹き出しのような枠を使用して、フォントや文字サイズを変えると視聴者の目を惹く効果はさらに向上します。
フルテロップ形式にしてナレーションをすべて視覚化する動画も多数あります。
テロップをワンポイントで使う場合は登場の仕方に気を配って、効果音とタイミングを合わせるようにしましょう。
わかりやすくスタイリッシュに表現する
表現のわかりやすさやスタイリッシュさも、おもしろい採用動画が備える重要な要素のひとつです。
単に装飾が派手で音響が壮大なだけでは「うるさい」と感じられ、ポジティブなイメージの形成には向きません。
また企画の趣旨やメッセージが伝わらない、目的が不明の動画にならないよう注意が必要です。
例えばテロップを使う場合は、ペルソナの年代や性別を意識して刺さる語彙を選択する心がけが求められます。
スタイリッシュさは一見おもしろさと相反する概念に感じますが、フォーマルな使用シーンが想定されると考えると重要です。
滅茶苦茶にすればよいと安易に考えずに編集の質の高さには限界までこだわりましょう。
おもしろい採用動画で成果を出すコツ
おもしろい採用動画を上手に運用して、応募の増加やミスマッチの減少といった効果を挙げるためにはコツがあります。
ユニークなコンテンツ作りに携わる方に届けたいポイントは次のとおりです。
現場の様子など就活生の知りたいことを取り入れる
動画には自社が伝えたい内容ではなく、就活生が知りたいことを積極的に取り入れる必要があります。
興味の喚起に成功しても冒頭をチェックして「自分には関係なさそうだ」と判断されれば、離脱を招くためです。
企業理念やビジョン、代表者の想いは就活生が知るべき情報であることは確かです。
しかしコーポレートサイトやパンフレットを読めば把握できるため、採用動画のメインに扱う戦略はおすすめできません。
むしろ就活生は社内の雰囲気や先輩や上司の人柄、職員同士の関係など、現場の様子を気にしています。
ターゲットに適さないコンテンツは興味を抱かれない可能性が高いといえます。このため極力避けて、ユーザーのニーズに沿ったストーリーを練りましょう。
ゴールを明確にする
採用動画の提供によって成し遂げたい成果を言語化して、ゴールを明確にする必要があります。
「応募者数を前年度比〇%上げる」「動画の視聴数を10000PVを目指す」と数値目標を掲げるとよいでしょう。
そもそも採用活動は認知の獲得、興味の喚起、理解の促進のフェーズに分かれます。いずれの段階のユーザーをターゲットに設定するか決めた方がよいでしょう。
なぜなら目指すべきおもしろさの方向性が大きく異なるためです。
採用動画の目的の大半は認知者の増加、応募者数の増大、人材の定着のいずれかに該当します。
自社の課題に沿って明確なゴールを設けることで軸のぶれないコンテンツ作りが可能です。
よい面ばかりでなく現実も見せる
ストーリーを組み立てる際は理想像ではなく等身大の姿をみせる意識を大切にしましょう。
会社のリアルな働き方は求職者が知りたいと感じる情報のひとつです。
創業者の失敗エピソードや新入社員の働いて辛かったこと、身の上話などが該当します。
オフィスの雰囲気やある職種の一日の流れを訴求する際も、かっこよい側面だけ見せないようにしましょう。
一見すると泥臭くてださいと思われる日常やエピソードでも、伝え方しだいでは好印象を与えられる可能性があります。
例えば、アニメーションやテロップを駆使して自虐風のユーモラスなコンテンツに仕上げられるとよいでしょう。
社員のインタビューを取り入れて親近感を出す
おもしろい採用動画は親近感を抱かせて、応募や説明会の参加といった行動を喚起する効果があります。
特に有効な方法は社員のインタビューです。
職員の口から直接企業の魅力や働きやすさが語られる姿には信憑性があります。また応募理由や入社のきっかけ、働いて感じたことなど個別のエピソードは視聴者の自分ごと化に効果的です。
新入社員は仕事がうまくできるか、人間関係で躓かないか不安や猜疑心に駆られています。
インタビュー形式のおもしろい採用動画はこうしたネガティブな不安を払拭させ、彼らの具体的なアクションを引き起こします。
採用動画にユーモアを感じさせるコツ
採用動画にユーモアをつけ加える方法がわからずに苦労する方は少なくありません。
テロップや効果音、BGMを足し合わせてもいまいちだと感じることはよくある現象です。
いくら考えても採用動画をおもしろくする方法がわからないと悩む方はぜひ読み進めてください。
SNSで流行しているトレンドを取り入れる
若者の求職者層を意識してSNSで流行りのトレンドを取り入れるとおすすめです。
お年寄りや管理職の40代や50代にも普及しつつあるとはいえ、SNSのボリューム層は10〜20代の若者です。
彼らが日常的に使っているツールを把握して、流行廃りの確認をおすすめします。SNSは種類に応じて利用者層や文化に大きな違いがあることが特徴です。
ハッシュタグの利用度や流行語などを知り、動画のコンテンツに反映させると採用活動の促進に力を発揮します。
視聴者は自分たちに理解がある優れた企業だと認識して、親近感を抱きやすくなるためです。
企業に合う皮肉やギャグをほどよく取り入れる
企業が置かれた状況にマッチする皮肉やギャグを適宜取り入れて、採用動画のユーモアを高めるテクニックです。イメージを壊さずに笑える内容にするためには、自らを貶める手法が効果的です。
認知度の低さを逆手にとり、お堅いイメージを崩す企画・構成の動画はよく見かけます。
単純に笑いに走らずに、事業内容や会社の雰囲気を伝えることも意識したバランスのよいコンテンツです。
ギャグとは、例えば有名な映画やマンガのパロディを表します。
元ネタが著名なほど視聴者の反応はよくなり、関心や驚きといった感情を喚起するでしょう。ただしターゲットにそぐわない古い時代のネタは避けた方が賢明です。
テンポよく内容を伝える
動画作りの際は、テンポ感を重視して最後まで飽きないような仕かけを施します。採用動画の尺の一般的な目安は5〜10分です。
それほど長い時間とはいえないため、カット編集で冗長な箇所や余計な間は積極的に削った方がよいでしょう。
場面に変化がない状態が続くと、単調で退屈すると感じる方が増える傾向があります。
場面切り替えのエフェクトを使うとともにBGMや効果音を積極的に利用して、間延びする時間が一瞬でもないように仕上げます。
おもしろい動画は、単にスタイリッシュでおしゃれな表現を使えばできる代物ではありません。
ユーザーのニーズに寄り添い、視聴者の言葉にできない想いを映像を通して具現化する必要があります。
適切な表現や導線設計がわからないとお悩みの方は、動画制作エージェンシーのFunusualにお気軽にご相談ください。
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おもしろい採用動画のメリット
実は採用動画の制作においておもしろさは必須の要素とはいえません。人材採用の目的との親和性やメッセージの伝達に高い優先度が置かれるためです。
しかし採用動画のおもしろさは以下に掲げたようにメリットが甚大です。
就活生の目に留まりやすい
おもしろい採用動画は、さまざまな学生の目に触れやすくなる素晴らしい効果が期待できます。
SNSのシェアを誘発するため、企業が想定していないユーザーにコンテンツが届くこともあります。
ユーモラスな動画は視聴者の印象に残りやすく、効果的に求職者の興味や関心を惹くことが可能です。
結果的に応募者数が増加したり、問い合わせの機会が増えたり、採用説明会の参加者が増えたりといった成果を引き起こします。
企業の雰囲気や価値観を伝えやすい
採用動画は取り立てて決まった様式がなく、オリジナリティあふれた独自性の高いものに仕上げることが可能です。
おもしろい採用動画は独特な社風や企業ごとのビジョン、価値観を効果的に伝えるうえで力を発揮します。
テキストや静止画では伝えきれないニュアンスや細かな部分も、しっかりと伝えられる場合があります。リアルさを重視したコンテンツは親しみやすさを抱かせるでしょう。
雰囲気や価値観を応募の前に認知させることは、職員の定着度を上げるために有効です。実態を知らないまま入社すると働き始めてからギャップに悩み、ひどい場合、離職につながります。
就活生との距離が縮まる
おもしろい採用動画は求職者の親近感を醸成して、企業との距離を縮める効果があります。
お互いに隠し事があると、採用後にイメージとのギャップに悩まされるケースが少なくありません。
秘密主義のリスクは、企業視点でも職員目線でも重要です。選考の段階で距離を縮めておくと、求職者は気兼ねなく質問できます。
企業側が出し惜しみせず積極的に自社の情報を発信すれば、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
職員の声や働く姿を映像で届けられる採用動画は、自社の姿をありのまま伝えて、距離感を縮められる有益なコンテンツです。
SNSで拡散されやすい
おもしろい採用動画は人間の共有意欲を刺激して、SNS上で多数の拡散を引き起こします。
シェアされることは質が高い、笑えると感じた評価が高いコンテンツです。
拡散を通じて多くの方の目に留まれば、企業の採用活動に有利に働きます。Web広告の出稿や求人媒体の有料プランの利用などの施策を実行する手間が省けるでしょう。
特に、認知拡大のフェーズに属する新興企業や中小企業において高い効果を発揮します。
SNS上で拡散される採用動画にするためには、質はもとより各プラットフォームの推奨サイズに合わせることも大切です。
おもしろい採用動画を制作する際の注意点
おもしろい採用動画を制作する注意点は、ユーモアだけを前面に出さないことです。また著作権への配慮や質の高さへのこだわりも重要です。
おもしろさに重点を当てたコンテンツを作る際の注意点を解説します。
ユーモアばかりが前面に出ないようにする
とにかくおもしろい動画にしようと、中身のない内容にならないように意識しましょう。
注目を惹くために見栄えがよいキャストを並べて、過度に派手な装飾を散りばめるパターンが悪い例です。
企画のコンセプトやメッセージを無視して無理やり進めても、視聴者の評価は上がりません。
おもしろさは二の次にして、ターゲットのニーズに応えることを優先的に考えましょう。
著作権に気を配る
パロディ型の動画を作る方は、元ネタの著作権侵害に気を付けましょう。
著作権法によると複製する権利は著作権者が有しています。許可を得ていない第三者が勝手にほぼ同じ内容の動画を作る行為は違法だと判断される可能性が高いでしょう。
盗用の意思がなくても、犯罪者だとみなされるリスクがあります。
またパロディ動画は元ネタの映画やドラマを想起する内容の場合、著作権の一部を構成する翻訳権の侵害にあたる可能性があります。
質の高さを意識する
撮影や編集にこだわり、すべての工程において質の高さを維持する意識が重要です。
企画や構成が素晴らしくても、撮影や編集技術の不足を理由に成果物のクオリティが落ちる場合があります。
コンセプトやメッセージが伝わらず、作り手しか満足せずユーザーが置いてけぼりになるケースは珍しくありません。
質の低い編集は企業のイメージダウンを引き起こし、学生に「この企業には入りたくない」と思われるリスクがあります。
動画の編集や撮影に不慣れな自覚がある方は、プロに依頼する方が無難です。
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