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OTT(オーバー・ザ・トップ)とは?現状と将来性、メリットも解説

近年、マーケティング担当者や広報・宣伝部門などでOTTという言葉を耳にする機会が増えています。

しかし、OTTが何かを十分に理解できておらず、広告やプロモーションにどう関係するのかピンと来ていない方もいるかもしれません。

本記事では、OTTに関する基本知識からOTT市場の動向やOTT広告のメリットなどを紹介します。

またOTT動画制作時のポイントも紹介していくので、OTT市場を理解してマーケティング戦略を立てたい方はぜひチェックしてください。

OTTとは

動画配信

OTTという言葉に何となく馴染みがあるものの、厳密な定義や特徴を説明するのは難しい方もいるでしょう。

そこで初めにOTTの定義を明確にし、従来のテレビやラジオなどのメディアとの違いを解説します。

OTTの定義

OTTはOver The Top(オーバー・ザ・トップ)の略称で、インターネット経由で提供される動画や音声コンテンツなどのサービスのことです。

オーバー・ザ・トップという名前は従来のテレビや通信インフラを飛び越えて、インターネット経由で直接ユーザーにコンテンツを提供することを意味しています。

身近なOTTの例として、Netflix・YouTube・Spotifyなどのサービスがあります。

上記のようなサービスは、従来の通信事業者を介さずに専用のアプリやWebサイトを通じて、さまざまなデバイスでコンテンツを配信可能です。

従来メディアとの違い

従来のテレビやラジオなどのメディアはアンテナや専用の電波などが必要でしたが、OTTではインターネットに接続できるデバイスならコンテンツの視聴が可能です。

また放送時間内しか視聴できなかったものが、OTTなら自分の好きな時間に好きなコンテンツを視聴できます。

時間やコンテンツを自分で選べることで自由度が高まることが魅力であり、視聴データをもとにおすすめのコンテンツを紹介してくれる機能を搭載しているものもあります。

さらに、データ分析によってパーソナライズされることで、より効果的にユーザーへ広告を発信することも可能です。

OTT動画の市場

タブレット操作する

OTTに関する知識を踏まえ、マーケティングにおいては市場の把握が重要です。

OTT動画の市場を知ることで、OTTは一過性のブームではなく今後のプロモーション活動に欠かせないプラットフォームになっていくと理解できるでしょう。

ここでは映像系OTTや音声系OTTの市場の解説や、SNSとの連携による市場展開を紹介します。

映像系OTTのサービスと市場規模

映像系OTTの市場は世界中で急速に成長し続けており、さまざまな企業が映像系OTTサービスを提供しています。

2023年の統計ではOTT動画の売上は3,161億ドルに達し、年間成長率は10%を記録しました。

また日本国内では2023年の動画配信の市場規模は5,740億円であり、2028年には7,371億円規模まで拡大すると予測されています。

映像系OTTサービスのなかでもNetflix・U-NEXT・Amazon Prime Videoは市場で高いシェアを持っており、今後も競争は激化すると予想されます。

音声系OTT(ポッドキャストなど)の拡大

ポッドキャスト

近年、音声系OTTの市場も急速に拡大しています。

音声系OTTにはSpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスだけでなく、Apple PodcastsやGoogle Podcastsなどのポッドキャストも含まれます。

ポッドキャストには金融系や英会話など多様なジャンルのコンテンツが配信されているため、自分の興味がある分野の情報を手軽に聴けることが魅力です。

また、音声コンテンツは作業をしながら聴けるため、若年層や効率を重視する層にも支持されています。

さらに現在は数十億ドルの市場規模が、2030年頃には300億ドル越えの年率15%前後にまで成長すると見込まれています。

SNSとの連携によるハイブリッド展開

映像系OTTや音声系OTT以外にも、InstagramやFacebookなどのSNSもOTTサービスの一形態として活用可能です。

今後OTT市場をさらに拡大するためには、映像系OTTや音声系OTTの単体プラットフォームに加え、SNSとの連携によるハイブリッド展開が重要です。

OTTとSNSの連携により、新規ユーザーの獲得だけでなく、複数のプラットフォームを活用したクロスメディア展開も可能になります。

OTTが普及した理由

理由

OTTが世界で急速に普及した背景には、社会の変化と技術の進化という2つの要因があります。

ライフスタイルの変化、ネットワークやデバイスの充実の2つの観点でOTTが普及した理由を解説します。

ライフスタイルの変化

ライフスタイルの変化に大きな影響を与えたのは、新型コロナウイルス感染症の流行がきっかけです。

コロナ禍で在宅時間が大幅に増加したことで家のなかで楽しめるコンテンツが注目されるようになり、OTTサービスが身近なものとなりました。

またフレックスタイム制やテレワークの普及により、決まった時間に視聴するスタイルから、都合に合わせて自由に視聴できるスタイルへと変化したことも要因の一つです。

特に若い世代を中心に、テレビではなくOTTのサービスを利用する方が増加しています。

ネットワークやデバイスの充実

スマホとパソコン

OTTが普及したもう一つの要因は、ネットワークとデバイス環境の整備です。

5Gネットワークの拡大により、スマートフォンでも高品質な動画の視聴が可能になりました。

高速で大容量のデータを快適に利用できることで、OTTサービスを誰もが気軽に楽しめる環境が整ったことも影響しています。

また、スマートデバイスの普及も普及拡大を後押ししています。

スマートフォンやタブレットなどのOTTサービスにアクセスできるデバイスが充実したことで、ユーザーは時間や場所を問わず、自由にコンテンツへアクセスできるようになりました。

さらにインターネットに接続されたテレビも増えており、大画面でのOTTサービスを利用できるようになったこともOTTの普及に影響しています。

OTTの今後

グラフ

OTTが世界的に普及していることを理解しても、将来的に成長が続くのか疑問を感じている方もいるかもしれません。

OTT視聴者数の拡大予測とOTT広告市場における競争化を知ることで、今後のOTT市場の流れを理解することができます。

OTT市場への参入を検討している場合には、押さえておきたい重要なポイントです。

OTT視聴者数の拡大予測

OTT視聴者数は年々増加傾向にあり、2033年までに世界で35億人を超えると予想されています。

特にアジア圏で今後も視聴者数が急速に増加すると見込まれており、中国やインドなどの人口が多い地域の影響が強いです。

またネットワークやデバイスの普及により、これまで視聴が困難だった地域でも利用が可能となり、視聴者数の拡大を後押しすると考えられます。

日本国内でもOTTサービスの多様化によって、今後もサービスの利用者は増加が見込まれています。

OTT広告市場における競争の激化

今後OTT広告市場はさらに競争が激化することが予想されます。

OTT広告の多様化が進むなか、ユーザー獲得の手法に差別化が求められるようになっているためです。

これまでは定額制のOTTサービスが多い傾向にありましたが、広告を視聴すれば無料でコンテンツを視聴できるサービスも増えています。

FAST(Free Ad-supported Streaming TV)はその一例で、広告を見ることで無料でコンテンツを楽しめます。

有料ではなく無料で楽しめることでユーザー数も増えており、OTT市場の競争を一層激化させる要因にもなるでしょう。

OTT広告市場の激化に対応するためには、他社と差別化ができる広告の制作が重要です。

Funusualでは企画段階からしっかりヒアリングを行い、他社と差別化しつつターゲット層にあわせた動画構成を提案します。

配信環境や視聴シーンにあわせた動画フォーマットの調整や、運用面でのアドバイスも可能です。

配信チャネルごとの特性に合った映像づくりが可能なため、まだイメージが明確になっていない場合でも、ぜひ一度Funusualにご相談ください。

OTTメディアの現状

アプリ

OTT市場は今後も成長を続けていくため、市場で戦うためには現状の把握が欠かせません。

世界の市場と日本国内の市場それぞれを理解することで、グローバルとローカルの両面からOTTの市場ポジションを把握できます。

世界の市場現状

世界のOTT市場は急速に拡大しており、市場規模は6,000億ドルに達しています。

さらに地域別では北米がOTT市場で高いシェアを誇っており、NetflixやAmazon Prime Videoなどの主要なプラットフォームの本拠地として成長しています。

またアジア圏では中国やインドなどが地域特化型のプラットフォームを展開しており、成長を続けている状態です。

さらに各OTTサービスはオリジナルコンテンツの制作にも力を入れています。各社は莫大な予算を投じてコンテンツを制作しており、その動向も注目されています。

OTTサービスを提供する企業同士の競争が激しくなることで、今後もユーザーにとってより魅力的なコンテンツが生まれていくでしょう。

日本の市場現状

日本でもOTT市場は拡大傾向にあり、市場規模は約9800億円にまで成長しています。

日本国内でもNetflixやAmazon Prime Videoはユーザー数が多く、高く支持されているプラットフォームです。

しかし日本国内のサービスであるU-NEXTやABEMAなども人気を集めており、独自のサービスで市場を拡大しています。

またテレビ番組の見逃し配信としてTVerが注目されており、広告を見るだけで無料で視聴できることがユーザーから支持される要因の一つといえるでしょう。

日本のOTT市場でもオリジナルコンテンツの制作に力をいれている企業も多く、クオリティの高さや話題性でユーザーの獲得へとつなげています。

OTT広告のメリット

メリット

OTTが広告メディアとして有効とされる理由について、従来型広告との違いがわかりにくいと感じている方もいるかもしれません。

そこでOTT広告を活用するメリットに関して、以下の4つのポイントから紹介します。

  • テレビ放送の広告よりターゲットを絞れる
  • 複数のメディアで一貫したマーケティングができる
  • 広告費の適性化が可能になる
  • マーケティング分析に活用しやすい

OTT広告を導入しようと考えている方は、ぜひチェックしておきましょう。

テレビ放送の広告よりターゲットを絞れる

OTT広告は、目的のターゲットに効率よく広告を表示できます。

テレビ放送は幅広い層の方が視聴していますが、ターゲットを絞って広告を届けることは難しい傾向があります。

一方、OTT広告では視聴者データを活用しターゲットに適した広告を配信することが可能です。

OTTサービスではユーザーの年齢や性別、視聴履歴などを分析して広告を表示できるので、より具体的で関心度が高いと見込まれるユーザーへ広告を配信できます。

このように、ターゲットを絞った広告配信は広告費の削減にもつながります。

複数のメディアで一貫したマーケティングができる

マーケティング

OTT広告の大きな強みの一つは、複数メディアで一貫したマーケティングが可能な点です。

以前はテレビやSNSなどそれぞれの媒体で広告を出す場合には、バラバラに管理する必要がありました。

しかしOTT広告なら複数メディアを一元管理することで、より効率的に広告を配信可能です。

複数メディアの広告の効果をまとめて測定できるようになったことで、各メディアのリーチ状況を数値で可視化できる点も、OTT広告の大きな強みです。

実際に博報堂DYメディアパートナーズのTele-Digi AaaSでは、TVerやABEMAなどのOTT広告とテレビCMをまとめて管理し、放送局ごとの効果や動画の種類ごとの違いも分析できる仕組みが導入されています。

OTT広告の需要の高まりとともに、今後はOTT広告に対応した分析サービスもさらに増加すると予測されます。

広告費の適性化が可能になる

OTT広告はテレビCMに比べて広告費を抑えやすく、コストパフォーマンスの大幅な向上が期待できます。

テレビ広告ではターゲットを絞りづらいため、幅広い層に届けられるように多数の広告出稿が必要です。

しかしOTT広告ならターゲットを絞りやすいことで、予算内で効率よく広告を出して成果を上げやすくなります。

また、視聴完了率やサイト訪問率などの具体的なデータを収集できるため、広告の効果を分析してより広告の適正化を図ることが可能です。

マーケティング分析に活用しやすい

分析する

OTT広告では多くのデータを収集して、高度なマーケティング分析に活用しやすい点も、大きな魅力です。

テレビ放送などの広告では広告による効果を分析することは困難でしたが、OTT広告なら詳細な効果を測定して把握することが可能です。

例えばOTT広告視聴後のユーザーの行動を追跡して、ブランド認知からWebサイト閲覧までの行動を追跡できます。

さらに性別や年齢などユーザー属性の情報を収集できるため、属性別に広告への関心度や購買意欲を分析できるという利点もあります。

よって、どの広告がユーザーに関心を持ってもらいやすいかを分析でき、継続的なマーケティング効果の向上につながるでしょう。

OTT広告のメリットを活かし、自社の魅力をできる限り伝える動画を制作するには戦略的なアプローチが重要です。

Funusualでは、OTT市場の変化にあわせた動画制作や新たな視聴モデルへの対応も積極的に行っています。

業界ごとのニーズに特化した動画制作のノウハウを持っているため、さまざまな動画構成にも対応できる制作体制を整えています。

実写・アニメーションの両方に対応しており、視聴者の興味を引きやすいキャッチーで印象に残る映像表現が可能です。

OTT広告に関してもっと詳しく聞きたい方は、お気軽にお問い合わせください。

OTT動画を制作するときのポイント

ポイント

OTT動画で効果を得るには、制作段階で押さえておくべきポイントがあります。

ここでは、冒頭構成とメッセージの明確化、視聴者ニーズやトレンドの分析について紹介します。

OTT動画特有のポイントを押さえることで、広告効果を効率的に高めることが可能です。

冒頭の構成とメッセージの明確化

OTT動画では、冒頭の数秒で視聴者に興味を持ってもらうことが重要です。

OTTでは視聴者が自分でコンテンツを選択できるため、興味がないと判断されると広告をスキップされてしまいます。

視聴者が求める情報を冒頭で提示し、補足情報を後半に配置することで、メッセージが明確になります。

プラットフォームに適した尺や画面サイズに調整し、視覚的インパクトのある動画にすることも重要です。

視聴者ニーズとトレンドの分析

データ分析

OTT動画を制作する際には、視聴者のニーズとトレンドを分析しておくことも重要です。

ターゲットの視聴者がいつ・どこで動画を見るのかを理解して、視聴タイミングにあわせた配信や内容設計を行う必要があります。

プラットフォームごとに視聴者層が異なるため、ターゲット層のトレンドを把握する必要があります。

OTTとSNSを組み合わせて展開する場合には、視聴者層にあった動画フォーマットや長さ、テンポの調整が必要です。

さらにOTT動画を作成後も視聴者のニーズとトレンドを分析し、改善していくことも重要です。

制作段階から視聴者の興味を引く構成を設計することが、OTT広告の成果に直結します。

OTT分野で効果的な動画を制作したいなら

ポイントを示す女性

OTT市場の急速な拡大と競争が激化しているなかで、効果的なOTT動画の制作には専門的な知識と豊富な実績が不可欠です。

OTTは従来のテレビ広告とは違い、ターゲット層に効率よくアプローチできる特性を活かし、視聴者データを分析することで適切な広告配信が可能です。

視聴者の行動パターンや各プラットフォームの特性を踏まえて、適切な動画尺やメッセージ構成を設計することで、広告効果を高めることができます。

成長が続くOTT市場では、分野に精通した専門家の知見が求められます。

専門的な知識と実績を持つ動画制作のプロに相談することで、適切なOTT戦略の構築や効果的な動画の制作が可能です。

FunusualではOTT広告を検討している初期段階でのご相談にも、丁寧なヒアリングと絵コンテ案などの提案を行っています。

クライアント様が抱える課題に寄り添い、効果的な戦略に基づく動画を企画から編集までワンストップで提供します。

OTT広告ならではの配信環境や視聴シーンに適した動画構成を実現可能です。

OTT広告で成果を出したいと考えている方は、ぜひ一度Funusualにお問い合わせください。


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