広告や動画制作を検討するなかで、一度はモーショングラフィックスという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、人に説明できる程詳しくなかったり、実際に制作を検討する段階になって「単語は知っているが詳細まではわからない」と行き詰まってしまったりするかもしれません。
こちらの記事ではモーショングラフィックスの概念から制作の流れやポイント、活用事例までを一気にご紹介いたします。
モーショングラフィックスを使用した動画制作を検討されている企業担当者さまの一助になれば幸いです。
モーショングラフィックスとはどのようなものか
モーショングラフィックスは、モーション(動き)とグラフィックス(視覚表現)の2単語を組み合わせた言葉です。
その名のとおり静止画に対して動きをつけて映像化する表現を指します。
表現技法を指すこともあれば、表現技法を使用した映像そのものを指す場合もあるようです。
テキストやイラスト、図形といったコンテンツに対し動きを加えて制作されることが一般的です。
ストーリー性を重要視する実写やアニメーションとは異なり、視覚的な情報伝達に優れています。
広義でいうと、パラパラ漫画やストップモーションもモーショングラフィックスの一種といえるでしょう。
しかし、この記事では現在一般的とされるデジタルで加工し作成された動画をモーショングラフィックスとして扱います。
意識する機会は少ないかもしれませんが、デジタルコンテンツに触れる機会が多い方であればとても身近な技術です。
モーショングラフィックス制作の流れ
モーショングラフィックスの概要が理解できたところで、次は制作の流れをご紹介いたします。以下の流れで制作されることが一般的です。
- 目標を明確化する
- 構成を作成する
- デザイン・テイストを決定する
- 素材を準備する
- 動画の編集をする
制作方法は制作会社や案件によっても変化しますので、ここで紹介するのはあくまでも一般的な流れだと認識ください。
では、モーショングラフィックス制作の流れを見ていきましょう。
目標を明確化する
まずは、なんのために動画を制作するのか明確にするところから始めます。
目標が固まらないうちに制作を開始すると、動画全体のコンセプトがブレてしまうでしょう。
動画を制作したものの、思ったように効果がでない場合は目標が明確になっていない可能性があります。
目標を設定する際は、どのようなメッセージを伝えたいのか、どのような方に届けたいのかを中心に考えることが大切です。
構成を作成する
次に、動画全体の構成を考えていきます。ついつい細かな演出や技法にばかり目がいってしまいがちですが、この段階では大まかにストーリーを描いていくことが大事です。
情報の取捨選択もこの段階で行いましょう。構成の作成中はあれこれ情報を詰め込みがちですが、情報が多すぎると視聴者は混乱します。
伝えたいメッセージを1つに絞ることで、視聴者が理解しやすい動画になるでしょう。
構成を考える際は、絵コンテやストーリーボードを作成し、構成案を形に残すとよいでしょう。
また、後半作業での修正を少なくするためにも、絵コンテやストーリーボードをもとに関係者各位の合意をとっておく必要があります。
デザイン・テイストを決定する
動画全体の構成が作成できたら、いよいよデザイン・テイストの決定に移ります。
最初に設定した目標に合致するようなトーン&マナーを策定します。ここでデザインの知見が必要となります。社内で調整が難しい場合は、プロに頼むことも検討しましょう。
デザイン決定の段階では、トーン&マナーに沿ってフォントやカラー、スタイルを統一することが重要です。
ここがブレてしまうと、想定どおりにメッセージが伝わらない可能性があります。
また、使用したい素材がある場合は、この段階で仮置きしておくとよいでしょう。そうすることで、用意した素材が浮くことなく統一された印象の動画となります。
デザイン確定までは変更の可能性もあるため、購入や撮影は次のステップで行ってください。
素材を準備する
デザインが確定したら必要な素材やテンプレートの用意をします。
プロの手を借りるのもよいですし、フリーの素材やテンプレートを提供しているwebサイトを活用するのもよいかもしれません。
デザイン作成時に仮置きした素材の購入や撮影は、この段階で行いましょう。また、イラストや写真だけでなく、動画の後ろで流す音源の準備も必要です。
編集作業をスムーズに行うためにも、使用する素材が不足していないか十分に確認する必要があります。
動画の編集をする
最後に、編集ソフトを使って編集作業を行います。これまでの工程で策定した目標やルールに則り、用意した素材に動きをつけていきましょう。
動きをつけるのと同時に音源や効果音も適切に組み合わせていくことで魅力的な動画に仕上がります。
アニメーションが切り替わるタイミングやスピードの違いで印象が大きく変わるため、試行錯誤しながら進行していきましょう。
関係者各位に確認をとって最終調整を行ったら制作完了です。
ご紹介したとおり、モーショングラフィックスの制作は動画編集だけでは完結しません。
特に、見過ごされがちな目標の明確化は高度なリサーチ力が求められます。もちろん、動画制作のクオリティもその後の効果に大きく関わってきます。
Funusualでは、「何をどう伝えればいいかわからない」「動画制作の進め方が不安」といったお悩みにも、丁寧なヒアリングと豊富な経験に基づいたアドバイスでしっかりサポートいたします。
企画から撮影・編集・納品までワンストップで対応できる体制があるからこそ、お客様が安心感を持って任せられる動画制作を実現します。
モーショングラフィックスを用いた動画の制作をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
モーショングラフィックスの活用事例
モーショングラフィックスはどのような場面で使用されているのでしょうか?
実は、意識していないだけで、モーショングラフィックスは日常のさまざまなコンテンツで幅広く活用されています。
具体的にどのような場所で活用されているのか、モーショングラフィックスの活用が適しているとされる3つのコンテンツをご紹介いたします。
インフォグラフィックス
複雑な統計データや調査データをわかりやすく図解したものがインフォグラフィックスです。モーショングラフィックスとは異なり、動きのない画像も含みます。
インフォグラフィックスは、図解によって視覚的に見やすくする技法です。
多くの情報を一目見てわかるよう整理する必要があり、情報伝達力に優れたモーショングラフィックスとも相性がよいとされています。
インフォグラフィックスに動きを加えたものは、インフォグラフィック動画やインフォグラフィックアニメーションとも呼ばれます。
2つの関係を複雑に感じる方もいるかもしれませんが、インフォグラフィックアニメーションは、モーショングラフィックスの一種です。
タイトルアニメーション
モーショングラフィックスは、元々映画やテレビの出現とともに発達した技術です。
現在でも、映画やテレビ番組のオープニングやエンディングで登場するタイトルアニメーションでもモーショングラフィックスが活用されています。
タイトルロゴに動きをつけることで、一気に視聴者の興味を引けるでしょう。
無料の編集ソフトやテンプレートを提供するwebサイトも増え、YouTubeチャンネルのオープニングやエンディングでも使用されています。
SNS広告
通信環境やデバイスの変化によって、SNS広告でもモーショングラフィックスが活用されるようになりました。
SNS広告では、短時間で視聴者に情報を与えつつ、興味を持ってもらう必要があります。
そのため、視覚での情報伝達に優れるモーショングラフィックスはSNSでの短い広告に向いているといえるでしょう。
ほかにも、電車内やタクシーの電子広告、街頭のサイネージなど、短時間でインパクトを残したい場合に使用されることがあります。
今後、モーショングラフィックスの活用がさらに進んでいくかもしれませんね。
モーショングラフィックス制作のポイント
実際にモーショングラフィックスを制作する際に気をつけるべきポイントをご紹介します。特に気をつけたいポイントは以下の3点です。
- 伝えたいメッセージを絞る
- シンプルなデザインを心がける
- 全体の世界観を統一する
逆にいえば、押さえるべきポイントが実践できていないと、視聴者に正しく情報が伝えられない可能性があります。
クリエイターでない方も、制作物のチェックをする際などに注目してみてください。
伝えたいメッセージを絞る
動画制作にあたり、伝えたいメッセージが複数個でてくるかもしれません。しかし、すべてを1つの動画に盛り込むと、大事なメッセージも伝わらなくなってしまいます。
そのため、1つの動画に対し1つのメッセージと決めて制作にとりかかりましょう。
中心となるメッセージ選びに迷ったら、誰に見てもらいたいのかを考え直してみるのも効果的です。
また、動画制作中にメッセージを変更することはとても困難なため、関係者各位へ事前に相談しておくようにしましょう。
シンプルなデザインを心がける
モーショングラフィックスは、端的に情報を伝えることを得意としています。そのため、シンプルなデザインで統一するのが好ましいでしょう。
逆に、デザインを盛り込み過ぎると、視聴者の情報理解を妨げる恐れもあります。
使用する色数を絞ったり、テキスト量を減らしたりするとシンプルなデザインにすることができます。
どうしてもごちゃごちゃした印象になってしまうと感じたら、引き算のデザインを意識してみてください。
全体の世界観を統一する
シンプルなデザインに統一するのと同じ理由で、動画全体の世界観を統一することがとても重要です。
世界観の統一というとデザインの統一をイメージされる方もいるかもしれません。もちろん、動画全体でデザインが統一されていることは大事なことです。
モーショングラフィックスにおいては、デザインに加えてテキスト・イラストを表示させる際の動作や速度に一貫性を持たせる必要があります。
そうすることで、視聴者が情報を理解しやすくなるでしょう。
ただし、すべて一定のタイミングで動かすと単調な印象を与えてしまいます。
重要な情報を表示させる前後の動きだけを変えることで緩急がつき、重要な情報にのみインパクトを与えることができるでしょう。
モーショングラフィックスのメリット
モーショングラフィックスを動画制作に用いることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?
企業の動画制作においては、主に以下のような効果が挙げられます。
- インパクトを与えることで印象に残りやすい
- 複雑な情報を簡潔に伝えられる
- ブランディングに役立つ
- 実写・アニメーションより予算を抑えられる
各効果の詳細を見ていきましょう。
インパクトを与えることで印象に残りやすい
モーショングラフィックスは視覚へのアプローチに適した技法です。モーショングラフィックスを使用することで、強調したいメッセージやテキストを印象づけることができます。
人がどのような情報をもとに判断を下しているのかを示したメラビアンの法則においても、情報の受け手は見た目などの非言語情報に55%程頼ることがわかっています。
もちろん、テキストなどの言語情報も大事な要素です。しかし、動画から受けるメッセージや印象を強めるために、モーショングラフィックスは効果的な手段といえるでしょう。
複雑な情報を簡潔に伝えられる
テキストのみで情報を伝える場合、読み手や視聴者に対し複雑で単調な印象を与えてしまう
可能性もあるでしょう。
また、発信者の強調したい箇所がうまく伝わりづらい傾向にあります。
特に、専門用語を使用したり、受け手にとって馴染みの薄い分野に関する説明をしたりする際には注意が必要です。
しかし、モーショングラフィックスを使用すれば、図やイラストで視覚的にアプローチすることができます。
また、伝えたい箇所の強調もしやすいため、結果として複雑な内容を簡潔に伝えられるでしょう。
ブランディングに役立つ
繰り返しにはなりますが、モーショングラフィックスは発信者の伝えたいことを強調するのに適した技術です。そのため、ブランドイメージを強調するためにも使用されます。
モーショングラフィックスのなかに会社ロゴや会社名を組み込むことで、ブランドのイメージが強く印象づけられるでしょう。
その際に注意すべきことは、一貫したデザインとモーションを使用することです。
統一性のないデザインやモーションでは、正しくブランドイメージを伝えることができません。むしろ、曖昧なイメージからブランドに対する信頼感を損なう可能性もあります。
実写・アニメーションより予算を抑えられる
モーショングラフィックスは実写と異なり撮影の必要がありません。過去に作成した動画や画像といった既存の素材を使用することも可能です。
そのため、制作コストを抑えることが可能となっています。
Funusualでは、お客様のブランドイメージや目的に合わせて、訴求力のある高品質な動画を丁寧に制作しています。
ビジュアルの印象がブランド全体に大きな影響を与える今、戦略的な映像コンテンツは欠かせないツールです。
モーショングラフィックスを用いて、企業のブランド価値を高めたいとお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
モーショングラフィックスのデメリット
ここまで、モーショングラフィックスのメリットを中心にお伝えしてきました。しかし、モーショングラフィックスの使用にもデメリットはあります。
主なデメリットとしては以下の2点が挙げられるでしょう。
- 実写ではないのでストーリー性が弱い
- テレビアニメのような動きは作れない
デメリットを正しく理解しておくことで、「理想と違った動画になってしまった」「思ったような効果がでない」と感じる事態を避けることができます。
では、デメリットの詳細を見ていきましょう。
実写ではないのでストーリー性が弱い
モーショングラフィックスは、視覚情報の伝達力に優れています。その一方で、ストーリー性の強いメッセージを伝えるのには不向きです。
あわせて、強い共感を呼んだり、感動を与えたりするような動画制作にも不向きといえるでしょう。
ストーリー仕立てでメッセージを伝えたい場合は、実写やアニメーションなどの表現技法を検討した方がよいかもしれません。
テレビアニメのような動きは作れない
モーショングラフィックスはイラストに動きをつけられる一方で、アニメーションのような繊細な動きを作成することはできません。
また、アニメーションは声による演技の要素も大きく加わってきます。テレビアニメ調の仕上がりを想像していると、理想形と完成形の間にギャップが生まれてしまうため注意が必要です。
モーショングラフィックスを外注する際の制作会社の選び方
ここまでモーショングラフィックスの制作方法やメリット・デメリットをお伝えしてきましたが、制作のイメージが湧きましたでしょうか?
「自力で制作するのは難しそう」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、モーショングラフィックスを制作する場合は専門の知識が必要となります。そのため、多くの企業は制作会社に外注することになるでしょう。
その際どのような制作会社を選べばよいのか解説していきます。
制作実績の多い会社を選ぶ
まずは、制作実績の多さを指標にするとよいでしょう。
単純な制作数だけでなく、取引企業や業界の幅広さも確認してみてください。動画制作の目標が達成できるか判断する材料になるはずです。
制作会社のホームページを確認し過去のクリエイティブを確認することで、事前に制作イメージがつくかもしれません。
ワンストップで依頼できる会社を選ぶ
実績数だけで判断できない場合は、ワンストップで依頼できる企業かを確認してみましょう。
モーショングラフィックスの制作は、複数の工程に分かれています。
そのため、ターゲットや目標の設定を行うコンサルタントと実際に動画制作を担当するクリエイターの連携がとても大切です。
また、前述のとおりモーショングラフィックス制作ではターゲットの明確化と世界観の統一が重要となってきます。
ワンストップで対応することで、依頼者との齟齬も減り高クオリティなクリエイティブが期待できます。
制作後のマーケティング支援もできる会社を選ぶ
そもそもの目的を達成するために「動画制作が適しているのか?」と疑問に感じている方もいるでしょう。その状態で動画を作っても効果がでないかもしれません。
また、動画を作って作りっぱなしでは、本来の目的を達成したか判断することができません。
継続してマーケティング支援を行っている会社であれば、動画制作前の相談から効果測定、次の施策に活かす方法も相談できるでしょう。
見栄えのするモーショングラフィックスはプロの技術で
この記事では、モーショングラフィックスの概要から制作方法までを紹介してきました。
「自分たちでなんとかできそう」と感じた方も、「自力で制作するのは困難かもしれない」と感じた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、一からモーショングラフィックスの技術を習得し、自社で制作するとなるととてもコストがかかります。
また、動画制作本来の目的を達成するためにはリサーチ力やクリエイティビティの高さも大いに関わってくるでしょう。
Funusualでは、お客様の課題に寄り添い、企業の戦略設計やブランディングの方向性を深く理解したうえで、高品質な動画制作を行っています。
これまでに、数多くのBtoB企業の動画制作を手がけており、複雑なビジネスモデルや業界特有の課題にも対応が可能です。
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