スマートフォンの普及により、どの年齢層でも動画を見ることが当たり前になっています。その普及率を背景に、インタラクティブ動画が注目されています。
インタラクティブ動画は次世代の動画形式で、視聴者と動画の間で双方向性のやり取りを実現させるツールです。
通常の動画では、再生ボタンを押す・停止ボタンを押すのような動画の始まりと終わりにしか介入できません。
しかし、インタラクティブ動画ではYoutubeのタイムスタンプのように動画上のボタンを押すだけで任意の再生時間に飛ぶことができます。
これはひとつの動画で多くの需要に応えることができることを意味します。例えば会社案内の動画では、各部署を紹介する動画を一本にまとめつつ視聴者の利便性を向上できるでしょう。
本記事ではインタラクティブ動画のメリットや活用事例に加え、仕組みと制作過程を解説します。インタラクティブ動画の特徴を知り、効果的に活用しましょう。
インタラクティブ動画とは?
インタラクティブ動画とは、視聴者と双方向性のやり取りが可能な、近年注目されている動画フォーマットです。
従来の再生ボタンを押すだけの動画とは異なり、画面上に続きを促すボタンや選択式のボタンが表示され動画が自動で停止します。
それらに対するアクションを視聴者が実行しない限り、動画が先に進むことはありません。これにより、視聴者は必要な情報だけを取得できます。
あるいは動画を停止させるのではなく特定の区間でループさせることもできます。商品マニュアルのような理解するまで何度も再生する形式の動画で、視聴者は利便性を感じるでしょう。
ボタンの代わりに名前やメールアドレスを入力するフォームを動画に埋め込むこともできます。個人情報を入力してくれた方にのみ動画の続きを再生するため、新しい形式の資料請求となるでしょう。
このようにインタラクティブ動画は、既存の動画ではうまく落とし込めなかった形式の情報を効率よく視聴者に届けるツールです。
インタラクティブ動画の効果・メリット
高いコストをかけて動画を作っても、従来の動画では視聴者に大切な情報が届いているかどうかがわかりませんでした。
顧客は多種多様なので、すべての視聴者にとって必要な情報だけを含んでいるとは限らないからです。
インタラクティブ動画は、動画を最後まで再生するために視聴者のアクションが必要となります。これにより、以下のメリットが生まれます。
- コンバージョンにつながりやすい
- エンゲージメントの向上につながりやすい
- 最後まで視聴してもらいやすい
- データの分析がしやすい
それぞれのメリットを詳しく解説します。
コンバージョンにつながりやすい
コンバージョンとは、視聴者のアクションであり広告の目的です。具体的には、Webサイトでの購入ボタンのクリックや新規顧客登録などが該当します。
従来の動画では多様な属性を持つ視聴者の需要を取りこぼし、再生はされてもコンバージョンにまでは至りませんでした。
一方、インタラクティブ動画は視聴者のアクションがない限り動画は自動停止し続けます。
つまり興味がない視聴者は自然とふるいにかけられ、関心の高いターゲット層のみを効率よく目的地に誘導できることになります。
エンゲージメントの向上につながりやすい
エンゲージメントとは視聴者と動画との結びつきを示す指標です。動画毎にエンゲージメントとなる数値は異なりますが、愛着や親近感につながる行動が指標となります。
従来の動画では興味が異なる視聴者に同じ動画を再生してもらうため、視聴者によっては不要な情報がありました。
興味を持っても欲しい情報にアクセスするために遠回りをしなくてはならず、それがエンゲージメントの低下につながるのでしょう。
一方、インタラクティブ動画は視聴者の興味と一致したときだけ続きが再生されます。
欲しい情報にアクセスするための手間が省かれることで、ユーザー満足度やブランドへの好感度の向上へとつながります。
最後まで視聴してもらいやすい
インタラクティブ動画の利点は、理解を促進しながら動画が再生されることです。
動画に対して逐一アクションが発生し従来の受動的な視聴者から能動的な視聴者へと変化します。
これにより動画自体が長く複雑であっても、視聴者の選択によって自然な形でコンパクトな長さに調整されるようになります。
視聴者が自身の状況に合わせて再生するため、従来の動画では扱うことが難しかった専門性が高かったり情報量が多かったりする商品に関する動画も最後まで見てくれるでしょう。
データの分析がしやすい
インタラクティブ動画の利点のひとつがデータ計測が自然にできることです。ユーザーのアクションが必要になるので、どう反応したかのデータが手元に残ります。
例えば選択肢の表示時間や選択される割合などが計算できるでしょう。これにより視聴者ごとの細かい離脱率やコンバージョン率の計算もできることになります。
これにより従来のように一度動画を作成して終わりではなく、データ分析を通じて得た改善点を通して動画を作り直すことができます。
データを得てインタラクティブ動画の作り直しをするPDCAを回すことで、効果的なマーケティングを行うことができるでしょう。
インタラクティブ動画の活用事例
インタラクティブ動画は多くの場面で活用できます。なぜなら従来の動画では、多様な属性を持つ視聴者に一本の動画で適切な情報を届けることは難しかったからです。
かといって、複数パターンの視聴者を想定してそれぞれに適した動画の作成はコストや労力の面からも難しいでしょう。
インタラクティブ動画であれば、一本の動画でそれぞれの視聴者に適切な情報を届けることができます。つまり安く効果的に業務活動ができます。
以下はインタラクティブ動画を活用できる4つの具体的な場面です。
- 集客
- 社内研修
- 採用活動
- 営業活動
それぞれの場面で、インタラクティブ動画がどのように使われるか見てみましょう。
集客
従来の集客動画は再生ボタンを押すと商材の紹介が始まり、動画終了までひとつの項目の説明をします。つまり、どのような順番で説明するかは企業側が決めます。
インタラクティブ動画では動画を再生すると具体的な項目がポップアップされ、その動画が一時停止し視聴者に選択を促すでしょう。
これにより流し見しようとしていた受動的な視聴者から具体的なアクションを引き出し、興味を喚起するでしょう。
商品に興味を持たなければ動画が始まらないからです。
ポイントは商材に関係する複数の選択肢です。企業側は最終的にすべての項目を見てほしいのですが、その順番を視聴者に選んでもらうでしょう。
これで従来の動画のように順番に表示するよりも理解を促進した状態でランディングページへ導けます。コンバージョンにつながる確率は上昇するはずです。
社内研修
インタラクティブ動画は視聴者の理解促進だけでなく、理解しているかどうかの確認にも使用できます。
業務の説明は文章もしくは動画が一般的でしょう。その後いくつかの質問を通して、理解しているかの確認が通常の研修の流れだと思います。
インタラクティブ動画はそのようなステップを踏まずとも、説明動画だけで理解の促進と理解力の確認ができるでしょう。
例えば業務の説明をした後に、動画内で選択問題が出題されます。
社員は動画の説明を参考に問題に答えます。間違えた社員は該当箇所をループさせれば、人の手を借りずに自然と覚えるでしょう。
つまり、インタラクティブ動画を使うことで研修コストの削減につながります。
採用活動
採用希望者へ会社を案内した動画を作成するのは基本ですが、大きい会社になればなる程説明する部署は増えます。
しかし、希望者にとってはすべての部署を紹介する動画は冗長でしょう。
インタラクティブ動画を使うと、自然な流れで会社の案内ができます。また案内だけでなく、クイズを表示し理解の確認まで自然と導けます。
営業活動
商品の魅力を伝えるにはアンケート形式がよく使われ、LINEやInstagramでの営業活動は増えています。
アンケートはそれぞれのSNSの機能を使うため、環境によっては使用できないこともあるでしょう。
インタラクティブ動画を使うと動画内にアンケートを内蔵できるため、どのような環境でも機能します。
加えて、SNSやWebサイトごとにアンケートを逐一作り直す手間が省けます。インタラクティブ動画を貼り付けるだけで済むので効率的です。
アンケート終了後にご協力の対価として割引クーポンなどを表示すれば、サービスの申し込みページへの遷移もスムーズでしょう。
Funusualは、企画・撮影・編集・運用までをワンストップで対応する動画制作のプロフェッショナル集団です。
BtoB企業に特化し、IT・製造業・工業・建設業などさまざまな業界で豊富な経験を持っています。
インタラクティブ動画は、ユーザーの行動を促す仕掛けを加えることで、視聴者とのエンゲージメントを高め、コンバージョン率を向上させる強力なツールです。
「集客力のある動画を作りたい」「SNSやWebサイトで営業活動を強化したい」とお考えの方は、ぜひFunusualにご相談ください。
インタラクティブ動画の仕組み
インタラクティブ動画は、ベースとなるmp4の動画素材に双方向可能なクリッカブルプレイヤーを重ねることで作成します。
クリッカブルプレイヤーはHTML5を利用しインタラクティブを可能にしています。HTML5を利用しているため、ブラウザや媒体を問わないところがインタラクティブ動画の強みです。
つまり、通常のWebサイトでできることはインタラクティブ動画でもできます。
リンクボタンをクリックしたりフォームに情報を入力したりなど、Webサイト上で見かけるものはインタラクティブ動画上でも表現できます。
これらをタップしたときに、Webサイトではページ遷移するでしょう。
同じようにインタラクティブ動画では、特定の時間に飛んだり別の動画に移動したりできます。ほかにもモーダルウィンドウや電話発信も可能です。
インタラクティブ動画の作り方
具体的な制作過程を説明します。ノーコードツールで手軽に作成できますが、企画・撮影・編集の品質が成果に直結するため、専門的な制作会社への外注を検討しましょう。
特に集客や営業活動など、きちんとKPIを定めるものはしっかりとした手順を踏んで作らなければなりません。
以下はインタラクティブ動画が完成するまでの制作過程です。
- 目的・ターゲット決定
- シナリオ作成
- 動画撮影
- 編集
- インタラクティブ化
- テスト・公開
- 分析・改善
それぞれの制作過程にはどんな特徴があるのか見てみましょう。
目的・ターゲット決定
インタラクティブ動画の目的とターゲットを明確にし、具体的な数値を設定します。
KPIやコンバージョン率、エンゲージメント率などを既存のWebサイトと連動させると理解しやすいかもしれません。
インタラクティブ動画はシナリオによって複数のターゲットを対象にとれるので、それらも網羅しましょう。
ターゲット選定は後の動画撮影に影響します。インタラクティブ化はプログラミング編集できますが、動画撮影の撮り直しは手間がかかるためしっかりと見定めましょう。
また、この段階でチェックリストを作成し可視化しておくと制作がスムーズに進行します。目的やターゲットだけでなく、出演者や予算などの欄も用意しておきましょう。
シナリオ作成
インタラクティブ動画はシナリオが8割と言われています。ここでは、ポップアップやストーリー分岐などのHTML5が担当するインタラクティブ機能を理解し遷移図を作りましょう。
遷移図とはフローチャートのような図です。図を作ることで動画全体の構造を一目で把握できます。ターゲットの行動を想像しながら適切に配置しましょう。
遷移図が完成すれば次のステップに進めますが、ターゲットの視認性や操作性を意識して絵コンテも作りましょう。
絵コンテを作ることで、動画撮影をスムーズに行えます。
動画撮影
インタラクティブ動画の土台となる動画撮影に進みます。絵コンテに従い動画を撮影しますが、インタラクティブ動画特有の注意点があります。
インタラクティブ動画は通常の動画とは異なり、選択肢を選ぶ時間が必要であるため出演者の動きが落ち着くシーンが必要です。
タップボタンなどを表示する余白も作る必要があるため、撮影に臨む前に最終確認を済ませておきましょう。
編集
動画の撮影を終えると、通常の動画同様に音声や文字を入れた編集作業をします。インタラクティブ動画ではそれらに加え、クリッカブルプレイヤーの素材となるタップボタンなどのデザインもするでしょう。
タップボタンのデザインはインタラクティブ動画の成否を分ける要素ですので、特に慎重に話し合いながら作りましょう。
インタラクティブ化
遷移図で書いた素材をすべてそろえたら、それぞれの動画とクリッカブルプレイヤーをつなげる作業をします。インタラクティブ動画編集ツールであれば、直感的に行えるでしょう。
主に考えるのはクリックボタンの機能とリンクの設定です。特にターゲットが動画に触れることを考慮し、位置とデザインを絞り込みましょう。
ほかには2つの映像をタップで切り替えられるスイッチングや、動画上のアイテムをタップするとクーポンなど多くの機能が使用できます。
多機能が理由でいろいろと試したくなると思いますが、ターゲット優先で最初の目的から逸れないようにしましょう。
テスト・公開
インタラクティブ化が終わると動画は完成ですが、公開前にテストが必要です。
ボタンはリンク先に遷移できるかどうか・ポップアップは表示はされるかどうか・情報は正しかどうかなどをすべて確認しましょう。
あらかじめテスト用にチェックリストを作成しておくと、スムーズに作業が進みます。一通りテストを終えたらいよいよ公開です。
従来の動画では、公開とともに納品が完了し動画制作は終了します。しかし、インタラクティブ動画では重要な段階が残されています。
分析・改善
インタラクティブ動画の真価はこのステップにあるかもしれません。
従来の動画は作成したらそれ以上の発展はありませんが、インタラクティブ動画は視聴データをもとに作り直せます。
インタラクティブ化により従来の動画以上の情報が集まるため、そのデータを分析し最初に設定した目的のために動画を改善できるでしょう。
例えば一部の選択肢のクリック率が低い・想定していたシナリオが選ばれないなどが判明すれば、クリッカブルプレイヤーを編集しましょう。
それでも改善されなければベースとなる動画を変える必要が出るかもしれません。
動画をトリガーとした視聴者の行動を把握して、より深くターゲットを理解できるでしょう。
インタラクティブ動画を作る際の注意点
インタラクティブ動画は多機能であるため、ついさまざまな機能を実装したくなります。しかし、基本は従来の動画と同様に考えましょう。
ここでは、インタラクティブ動画で避けた方がよいことを紹介します。
- シナリオを複雑にしすぎない
- 適切な長さにする
注意するべきポイントを、それぞれ詳しく見てみましょう。
シナリオを複雑にしすぎない
インタラクティブなボタンやフォームが多すぎると、視聴者が操作に疲れてかえって離脱につながってしまいます。
あくまで、従来の受動性を能動的に変えるだけで動画であることは忘れないようにしましょう。視聴者も動画を見に来ています。
そのためボタンの視認性を上げたり不要なアクションを廃したりして、視聴者の考えることを減らしてください。
適切な長さにする
インタラクティブ動画は必要な情報を取捨選択できる新しいツールですが、動画であることに変わりはないため従来の動画制作の注意点がそのまま適用されます。
動画制作で注意する点は、メッセージを詰め込みすぎないことです。
一本の動画のなかで伝えられるメッセージは3つが限界とされており、それ以上のメッセージは視聴者の離脱を引き起こすとされています。
インタラクティブ動画でも同様に、視聴者の操作回数を抑えメッセージを絞り込みましょう。
インタラクティブ動画を外注する動画制作会社の選び方
インタラクティブ動画は内製か外注かのどちらでも作成できます。そのため外注を選択する場合、内製では得られない点が外注先を選ぶポイントとなるでしょう。
外注を選択すると、企画・制作・運用の工程を委託できます。インタラクティブ動画では運用の工程が重要となるため、プロに任せると心強いです。
要件定義や効果測定、運用改善案を実際に質問すると委託会社のサービス内容を推測できるでしょう。これらと料金を照らし合わせることで、適切な動画制作会社を選べます。
Funusualは、BtoB企業に特化した動画制作のプロフェッショナル集団として、企画から撮影・編集・修正までをワンストップで対応いたします。
インタラクティブ動画は、ユーザーとの双方向性を活かし、視聴体験をより深く・効果的に設計できるコンテンツです。
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効果的なインタラクティブ動画を制作するなら
本記事ではインタラクティブ動画のメリットや活用事例、仕組み、作り方などを解説しました。
インタラクティブ動画を活用し、視聴者を能動的にさせコンバージョンやエンゲージメントを向上させることができます。
しかし、インタラクティブ動画は企画・制作・運用の工程それぞれに別の技術が求められ内製での作成は難しいかもしれません。
インタラクティブ動画の制作なら、Funusualにお任せください。
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