企業のマーケティング活動において、おもしろい動画コンテンツは視聴者の心をつかむ強力な武器です。
総務省の情報通信白書によると、我が国の2022年のコンテンツ市場規模は12兆4,418億円となり、映像系ソフトが全体の60%近くを占めています。
本記事ではおもしろい動画の特徴から具体的なアイデア発想法、成功事例まで、効果的な動画制作に必要なノウハウを詳しく解説します。
面白い動画とは
おもしろい動画とは、視聴者の感情に訴えかけ、記憶に残るコンテンツを指します。
物語性・話題性・共感性・ユーモアといった要素を組み合わせることで、視聴者の心に響く動画が生まれるのです。
多くの企業がおもしろい動画制作に取り組んでおり、その効果が注目されています。
物語がある動画
物語性のある動画は、視聴者を引き込む効果的な手法の一つです。ストーリー構造を持つ動画は視聴完了率が高く、企業メッセージの伝達効果も優れています。
商品の開発秘話や創業者のエピソード、顧客の成功体験などを物語形式で描くことで、視聴者は感情移入しやすいです。
起承転結の構造を明確にし、主人公の課題解決プロセスを描写することで共感を獲得できます。ただし、ストーリーの中核に商品やサービスの価値を据えることが重要です。
話題性が高い動画
話題性の高い動画は、SNSでの拡散されやすく、多くの視聴者に情報を届けられます。話題性を生む理由は、従来の常識を覆すような予想外の展開や斬新なアイデアです。
例えば、商品の特徴を極端に誇張して表現したり、業界の常識とは正反対のアプローチを取ったりすることで視聴者の驚きと興味を引きつけることができます。
しかし、話題性だけを追求すると企業イメージを損なう可能性があるため、ブランド価値との整合性を慎重に検討することが必要です。
視聴者が共感できる動画
共感性の高い動画は、視聴者との感情的なつながりを生み出し、長期的な関係性構築に効果を発揮します。
視聴者の日常的な悩みや体験を動画に取り入れることが重要です。ターゲット層が抱える課題や願望をリサーチし、それらの要素を動画のシナリオに組み込みます。
例えば、働く母親の時短料理の悩みや在宅勤務での集中力維持など、リアルな生活シーンを描写することで強い共感を得られます。
ただし、共感を狙いすぎて説教臭くなったり、上から目線になったりしないよう配慮が重要です。
笑える動画
ユーモアのある動画は、視聴者の心理的な距離を縮め、企業に対する親しみやすさを醸成する効果があります。
笑いが生まれる理由は日常の些細な出来事を誇張したり、予想外のオチを用意したりすることで視聴者に驚きと安堵感を与えることです。
例えば、商品の使用前後のギャップをコミカルに表現したり、キャラクターのかけ合いで商品の特徴をおもしろおかしく説明したりする手法が効果的です。
ただし、ユーモアは文化や世代によって受け取り方が大きく異なるため、ターゲット層の価値観を十分に理解したうえで制作することが必要です。
面白い動画の成功事例
おもしろい動画の成功事例を分析すると、効果的な動画制作のポイントが見えてきます。
ここでは、四国ネオ遍路・アロンアルフア・会社四季報オンラインという異なるアプローチで成功を収めた3つの事例を詳しく解説します。
四国ネオ遍路
香川県高松空港が制作した四国ネオ遍路は、伝統的な四国八十八箇所巡りを近未来的な視点で再解釈した画期的なPR動画です。
古くから親しまれている文化に現代的なセンスを融合させることで、幅広い世代にアピールしています。
具体的には、スマートフォン視聴を意識した縦型動画の採用・SNS拡散を狙ったハッシュタグの活用・インスタ映えする撮影スポットの選定などが功を奏しました。
また、順打ちと逆打ちの2パターンを制作し、逆再生すると隠しメッセージが現れる仕組みも話題となりました。
衣装は近未来感を表現するナイロン素材と和の着物素材を組み合わせるなど、細部まで工夫が凝らされています。
アロンアルフア
東亞合成のアロンアルフアは、商品の特徴を極端な実証実験で表現する独創的なCMシリーズで注目を集めました。
特に君に、くっつけ!は1,500万回再生を記録し、商品の接着力を恋愛というエモーショナルな文脈に置き換えて表現したことが話題となりました。
アニメーション表現で若年層の心に響くストーリーを構築し、従来のターゲット層とは異なるアプローチを実現しています。
また、5秒で接着するため15秒CM時間が余るという逆転の発想で、余った時間に鼻笛演奏や子猫の映像を挿入して強い印象を残しました。
さらに、こわれものがたりシリーズでは壊れ物をキャラクター化し、お笑い芸人を声優に起用することで親しみやすさを演出しています。
会社四季報オンライン
東洋経済新報社の会社四季報オンラインは、投資情報を親しみやすい動画にすることで成功しました。
従来の投資情報は専門用語が多く、一般の方には理解が困難でしたが、動画によりわかりやすく解説することで新たな顧客層の開拓に成功しました。
成功要因は、複雑な投資情報を視覚的に表現し、専門家がわかりやすく解説する構成にしたことです。また、タイムテーブルを設けることで、視聴者が必要な情報にアクセスしやすくする工夫も効果的でした。
この事例は、難解な情報をいかに親しみやすく伝えるかという課題に対する一つの解答を示しており、BtoB企業にとって参考になる事例といえます。
面白い動画のアイデアを出すコツ
効果的なおもしろい動画を制作するためには、体系的なアイデア発想法を身につけることが重要です。優れたアイデアは適切な手法と継続的な取り組みによって創出されます。
ここでは、競合調査から専門家への相談まで、実践的なアイデア創出技法を詳しく解説します。
競合企業や他企業の動画コンテンツを研究する
競合他社の動画分析は、市場トレンドの理解と差別化ポイントを発見するために重要です。成功事例から学ぶことで制作リスクを減らし、質の高いアイデアを生み出せます。
同業他社だけでなく異業種の成功事例も幅広く収集し、表現手法や構成パターンを分析することが有効です。
例えば、食品業界の訴求手法をIT業界に応用するなど、業界間の手法転用で独創的なアイデアが生まれます。ただし、自社の特徴を活かした独自の表現方法を見つけることが重要です。
ブレインストーミングを活用する
ブレインストーミングは、集合知を活用して創造的なアイデアを生み出すための基本的な手法です。多様な視点を持つメンバーが参加することで、一人では思いつかないような発想が生まれます。
実施する際は、批判を控える・量を重視する・奇抜なアイデアを歓迎する・他者のアイデアを発展させるという4つの基本原則を守ることが重要です。
セッション後は、実現可能性と効果の両面からアイデアを評価し、優先順位をつけることが必要になります。
マインドマッピングを行う
マインドマップは、視覚的思考を活用してアイデアを整理・発展させる有効な手法です。
中心となるテーマから放射状に関連する要素を書き出していくことで、思考の幅を広げ、新たな発想を促進できます。
商品やサービスの核となる価値を中心に置くのがポイントです。そこから派生する感情・使用場面・ターゲット層などを次々に書き出していきます。
例えば、安心感から家族・信頼・伝統といった関連語が生まれ、動画コンセプトの創出につながります。
専門家に依頼する
プロの動画制作者やマーケティング専門家に相談することは、高品質なアイデアを得る方法です。相談の際は、企業の課題・目標・予算・スケジュールを明確に伝えることが重要です。
例えば、ターゲット層・予算・制作期間・拡散目標などの具体的な条件を示すことで、実用的な提案を受けることができます。複数の専門家から提案を受けることで、適切な選択が可能になります。
おもしろい動画制作で「社内でアイデアが出ない」「効果的な構成が分からない」とお悩みの際は、Funusualにご相談ください。
これまでにIT・製造業・建設業・工業など幅広い業界で500本以上の動画を手掛けてきた実績をもとに、企画立案から撮影・編集まで一貫してサポートいたします。
面白い動画を制作するためのアイデア出しで気をつけること
創造的なアイデア発想の過程では、制約や先入観によって優れたアイデアを見逃してしまうリスクがあります。
効果的なアイデア創出のためには、オープンマインドを保ちながら、同時に客観的な評価も行うことが必要です。
ここでは、アイデア出しの際に注意すべき3つのポイントを詳しく解説し、よりよいアイデアを生み出すための指針を提供します。
おもしろいと思ったアイデアはまず提案する
アイデア発想の段階では、自己検閲を避けて思いついたアイデアを積極的に提案することが重要です。
優れたアイデアも初めは未完成なことが多く、早い段階で排除すると貴重な可能性を失います。
例えば、商品を宇宙で紹介するという一見非現実的なアイデアも、CGやアニメーションを活用することで実現可能になります。
大切なのは、提案されたアイデアを頭ごなしに否定せず、どうすれば実現できるかという前向きな視点で検討することです。
先入観にとらわれない
業界の慣例や過去の成功体験に縛られることなく、自由な発想でアイデアを考えることが革新的な動画制作には不可欠です。
常識的なアプローチでは競合他社と似たような動画しか生まれず、差別化が困難になります。この業界ではこういう表現が普通といった固定概念を一度脇に置いて考えることが重要です。
例えば、堅いイメージのB2B企業がコメディタッチの動画を制作することで、意外性によって強い印象を与える可能性があります。
ただし、企業のブランドイメージとの整合性は確認することが必要です。
アイデアを実行する前に時間をおき冷静に考える
優れたアイデアが生まれた際の興奮状態では、客観的な判断力が低下します。
時間をおいて冷静に評価することで、アイデア実現の可能性や効果を正確に判断することが可能です。
アイデア創出から1-2日間の間隔をおき、あらためて企画内容を検討することが望まれます。その際に予算・スケジュール・技術的制約・ブランドイメージとの整合性など、多角的な観点からの評価が重要です。
第三者の意見を取り入れると、より客観的な判断が可能になります。
面白い動画の作り方
おもしろいアイデアが固まったら、それを効果的な動画にする段階に移ります。制作プロセスでは、戦略的な設計と創造性のバランスを取りながら、視聴者にしっかりとメッセージを届けることが必要です。
ここでは、メッセージの明確化から新しいトレンドの取り入れまで、実践的な動画制作手法を解説します。
伝えたいメッセージやテーマを明確にする
動画制作においてとても重要なのは、核となるメッセージを明確に定義することです。
制作過程でブレが生じることを防ぎ、視聴者に一貫したメッセージを伝えるためです。この動画を見た視聴者にどのような行動を取ってほしいのかを具体的に言語化します。
例えば「新商品の認知度を高めたい」ではなく、「20代女性に利便性を理解してもらい、店頭で手に取ってもらう」といった具体的な目標設定が重要です。
この明確なテーマが制作チーム全体の指針となります。
拡散したくなる話題性や魅力を入れる
現代のマーケティング環境では、SNSでの自然な拡散が動画の効果を大きく左右します。視聴者自身が他者にシェアしたくなる要素を含むことが重要です。
これにより、広告費をかけずに多くの人々に動画を届けることができます。効果的な手法として、驚きの要素・感動的なストーリー・視覚的なインパクト・ユーモアなどが挙げられます。
例えば、商品の意外な使い方を紹介したり、有名人とのコラボレーションを実現したりすることで視聴者の誰かに教えたいという心理を刺激できるでしょう。
ただし、話題性だけを追うと本来のメッセージが薄れるため、バランスを保つことが大切です。
トレンドを取り入れる
時代の流れに合わせたトレンド要素を取り入れることで、視聴者の関心を引きやすくなります。現在のトレンドとしては縦型動画・ショート動画・サステナビリティ・AI活用などです。
例えば、TikTokで人気の演出手法を企業動画に応用することで、時代性のある魅力的なコンテンツが制作できます。ただし、トレンドは移り変わりが激しいため、制作スケジュールを考慮して適切なタイミングで取り入れることが重要です。
面白い動画にするためのコツ
動画をよりおもしろくするための演出技術や表現のコツを理解することが重要です。テンポ感の調整から意外性の演出まで、視聴者を引きつける具体的な手法を解説します。
まず、テンポのよい編集を心がけることが大切です。動画のリズム感は視聴者の集中力を維持する重要な要素となります。
シーンの長さを3~5秒程度に調整し、カットを音楽のビートに合わせると心地よいリズムが生まれます。ただし、内容の重要度に応じてメリハリをつけることも大切です。
次に、予想外の展開を盛り込むことで動画の印象を強化できます。視聴者の予想を裏切る展開は、強い印象と記憶への定着効果をもたらします。
動画の冒頭で一般的な展開を予想させ、中盤で意外な方向転換を行う構成が有効です。ただし、企業メッセージとの整合性を損なわないよう注意が必要になります。
また、視覚的なインパクトを活用することも重要なポイントです。強烈な映像表現は、言葉では伝えきれない商品の価値や企業の特徴を効果的に伝えることができます。
色彩のコントラスト・スローモーション・タイムラプス・アニメーションなどの技術で視聴者に強烈な印象を与えることができます。
そして音響効果で臨場感を演出することを忘れてはいけません。適切な音響設計は、視聴体験の質を大幅に向上させる重要な要素です。
BGMの選択・効果音の挿入・ナレーションのトーン調整により、視聴者の感情に訴えかけることができます。
面白い動画を制作するメリット
おもしろい動画の制作には多くのビジネス価値が存在します。ブランド価値の向上から売上増加までの効果は幅広いです。
特に情報過多の現代において、視聴者の限られた注意を獲得し、記憶に残るメッセージを伝えることができる動画コンテンツの価値は計り知れません。
まず、視聴者に強い印象を与えられる点が大きなメリットです。おもしろい動画は視聴者の記憶に残り、長期間ブランドイメージを保つ効果があります。
感情的な体験を伴うコンテンツは記憶に定着しやすく、ユニークなキャラクターやキャッチーなメロディーを使った動画は、視聴から数ヶ月後でも消費者の記憶に残り続けます。
次に、SNSでの拡散効果が期待できることも重要なポイントです。おもしろい動画コンテンツは自然な拡散力を持ち、従来の広告手法では到達困難な潜在顧客層にもリーチできます。
1本の動画が数万回シェアされ、追加の広告費をかけずに数百万人に届いた事例も少なくありません。
そして企業の好感度向上につながることも見逃せません。おもしろい動画を通じて企業の親しみやすさを演出することで、消費者との心理的距離を縮められます。
ユーモアを取り入れた企業動画は視聴者に好印象を与え、顧客ロイヤルティの向上や紹介による新規顧客獲得など、多方面にわたってビジネス効果をもたらします。
これらのメリットをさらに高めるには、戦略的な動画制作が重要です。
Funusualでは企業ごとの課題に合わせた動画戦略を立案し、ブランディング強化から採用プロモーション・営業資料用まで、目的に応じたおもしろい動画制作を行っています。
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