社員が働くありのままの姿を映した密着動画は企業の内情を外部に伝える効果があります。
社員同士の人間関係や社風、オフィスの環境などの就活生が気になる事柄をアピールできる優れたコンテンツです。
新卒・中途ともに採用市場が激化するなか、優秀な人材に自社の魅力を伝え、応募を促すうえで動画の活用は有効です。
今回は社員の1日密着動画の内容やメリット、活用事例、制作の流れや失敗しないポイントを解説します。
最後には内製化と外注の活用のメリットにも触れているため、自社に適した動画の作り方を把握できるでしょう。
社員の1日密着動画とは
1日密着動画は実際にオフィスで働く社員に密着して、業務内容や人間関係、働く姿を撮影したコンテンツです。
ドキュメンタリー形式でリアルな労働環境をアピールできるのは、従来の採用説明会やパンフレットにはない魅力です。
基本的にはある社員に出演を依頼して、出勤〜午前中の業務、昼休憩~午後の業務~帰宅にいたる流れを時系列に沿って撮影します。
また、広報イベントや特別なプロジェクトがある場合は積極的にコンテンツに盛り込みます。
インタビューを織り交ぜて将来のビジョンや入社したきっかけを語ったり、同僚やクライアントからのメッセージを含めたりする場合も少なくありません。
社員の1日密着動画を採用に活用するメリット
社員の1日密着動画のメリットはミスマッチの削減をはじめ、ブランドイメージの向上やリアルな職場の雰囲気の伝達など、多岐にわたります。
就活生はもちろん、一般の消費者や株主のポジティブな感情を想起する効果があります。密着動画を制作する具体的な利点を一つずつ確認しましょう。
企業のリアルな雰囲気を伝えやすい
社内の空気感や社員同士の人間関係のリアルな雰囲気を伝えられるコンテンツです。
求職者は少なからず「この会社の環境は自分に合うだろうか」「上司や先輩に怖い方はいないだろうか」と不安を抱いています。
密着動画には雑談の様子が映し出されるため、社員の人柄や人間関係のよさを把握できます。働いてみたいと思える職場か否か、解像度高くイメージできるコンテンツです。
自分が働くシーンをイメージしてもらいやすい
密着動画を視聴した求職者は、入社後に一社員として働く姿をイメージしやすくなります。対象の社員の1日のスケジュールや業務内容を近い視点で確認できるためです。
採用サイトや求人の仕事内容を確認しただけで応募してきた場合、働き方を正確に把握していない可能性があります。
一方、視覚的かつ直観的に内情を確認できる密着動画を視聴した求職者は、応募先に対する理解を深めているでしょう。
動画に映し出された先輩社員の姿を通して将来的に自身の働く姿をイメージし、本当にしたい仕事か、働きたい職場か正確な判断が可能です。
多くの求職者に視聴してもらいやすい
密着動画はSNS上で拡散されやすく、企業を認知していない層にもアプローチできる可能性があります。
採用説明会に参加していなかったり、採用サイトや求人をチェックしていなかったりする求職者と接点をもてるのはメリットです。
できるだけ幅広く情報を得ようと、SNSで企業の公式アカウントをフォローするユーザーは少なくありません。
多くの求職者に密着動画を閲覧させることで、企業の魅力をいろいろな方に浸透させられます。結果的に応募数の増加や優秀な人材の採用に結びつく効果を期待できます。
共感を得やすい
企業で働くビジネスパーソンの実態を鮮明にとらえた密着動画は、視聴者の自然な共感を育むコンテンツです。
オフィスの様子にとどまらず、社員自身の口から仕事でうまくいかなかったエピソードや乗り越えた方法が語られているためです。
企業で働いた経験がない新卒や転職がはじめての若手は、本当に自分がビジネスシーンで通用するか不安を抱いています。
未経験可やスキルなしでも稼げると謳う求人は少なくありませんが、文章や画像だけでは実態はつかめません。
密着動画は求職者の不安や疑問に寄り添い、企業や社員に対する親近感を育む効果があります。
ミスマッチを防ぎやすい
密着動画には、入社後にギャップを感じて働きにくい職場と気付かされる事態を未然に防ぐ効果があります。
職場の人間関係や業務、1日の流れを正確に描写したリアルなコンテンツだからです。
採用後にミスマッチに気付いた場合、多くの職場で生産性の低下や人間関係の悪化の問題に悩まされます。ひどいときは休職や短期離職を引き起こすケースもあるでしょう。
採用活動に時間を割いてよい人材を呼び寄せたと確信したにも関わらず、とても残念な結果になってしまいます。
ミスマッチを防ぐためには密着動画のなかで実績やうまくいったエピソードの訴求にこだわらず、困難や課題に出くわして悪戦苦闘する姿をありのままに映し出すことです。
過度に憧れを抱く応募者の数を抑えやすく、定着率が高い人材の獲得に結びつきます。
企業のイメージ向上にもつながりやすい
動画が多くの方の目に留まれば、認知度やブランドイメージの向上の効果を期待できます。
社員が一丸になって困難を解決する光景や大きなプロジェクトに真剣に取り組む姿は視聴者の感動を生みます。
SNSでフォローしたアカウントが投稿した動画を見て、扱われる企業の魅力に気付かされるパターンは決して少なくありません。
企業全体のイメージアップは応募者数の増加のほか、知名度の向上、取引先や顧客数の増加などの好循環を生む場合があります。
社員の1日密着動画の事例
社員の1日密着動画の意義を実感して「自社でも作りたい」と興味が湧いてきてきましたか?
制作にとりかかる前に他社の事例を閲覧して、訴求の仕方や動画の構成を見定めると効果的です。
ここからは真似したいと思える密着動画のお手本となる事例を紹介します。
株式会社リコー
デジタル機器の製造メーカーの株式会社リコーは、勤続年数が10年を超える中堅社員の密着動画を世に送り出しました。
業務風景や日常的な言動だけではなく、映像では伝えきれない事柄をナレーションやテロップを用いて丁寧に補足しているのが特徴です。
また本人の視点に限らず、同僚が人となりを語るシーンを盛り込むことで、良好な人間関係の職場だと暗に示しています。
さらにQ&Aコーナーがわかりやすく、視聴者にとって働く姿を鮮明にイメージできる内容です。
株式会社商船三井
株式会社商船三井は鉄鋼や石油、自動車の部品の輸出を手がける国際的にも名高い専門商社です。
密着動画では、オフィスの勤務にとどまらず出社から退勤にいたる様子を丁寧に描写しています。
寮で暮らす様子やデスクの周辺、社員同士の関わりなど求職者が気にしやすい事柄を漏れなく含んだ動画です。
大企業のビジネスパーソンになりたい若年層の女性からの応募の増加を期待できる優れたコンテンツです。
三幸学園
最後にFunusualが制作した三幸学園の採用ムービーの事例を紹介します。入社4年目を迎えた女性社員の1日に密着するドキュメンタリー動画です。
本人のインタビューとオフィスで働く姿が大部分を占めています。特徴的なのは生徒の声を追加して第三者の視点から働き方や対象となった人物の人柄が伝わる企画にしたことです。
同僚のインタビューも含んでいるため、さまざまな人物が登場します。
さらに本人にはインタビューとお伝えして、サプライズで責任者と対談を依頼しました。その様子を撮影することでありのままのリアクションが映像に収められています。
三幸学園で働く社員の本当の人間性が垣間見られるため、視聴した求職者は本当に働きたいと感じる環境か、適切な判断につながります。
入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できる自信作です。
Funusualは上記に紹介した三幸学園の事例に限らず、さまざまな企業の密着動画を請け負ってきた経験があります。
ヒアリングを通してお客様一人ひとりの状況を的確に把握して、効果的な戦略を含めたクオリティの高い提案が可能です。
オーダーメイドの1日密着動画を作成したいとご希望の方は、ぜひご相談ください。無料相談は次のリンクよりお問い合わせできます。
社員の1日密着動画を制作する流れ
密着動画を制作する際の手順は大きく分けて次のとおりです。
- ターゲットや目的の決定
- 企画や構成の作成
- 密着する社員の決定
- 撮影場所やスケジュールの確保
- 動画撮影の準備
- 動画撮影
- 編集
各手順で具体的に何を行うべきか明確に説明します。
ターゲットや目的の決定
ターゲットと目的の設定は怠ってはいけません。動画の軸を定める極めて重要な工程に位置付けられるためです。ターゲット像を極力具体的に決める必要があります。
年齢や性別・職業・年収だけでなく、休みの日の過ごし方や家族構成、求めるスキルや働き方など具体的なイメージをもつことが大切です。
密着動画の場合、新卒と既卒のいずれをターゲットに設定するかは重要なポイントです。
同様に密着動画を作成する目的を明確にします。認知度の拡大や応募数の増加、企業イメージの向上、ミスマッチの減少などは代表的な目標です。
ターゲットや目的があいまいだと動画の方向性がぶれ、誰にも刺さらない微妙なコンテンツに仕上がる可能性があります。時間をかけてもよいので具体的かつ明確に定めましょう。
企画や構成作成
次に密着動画のテーマや全体的なテイストを決めたうえでコンテンツの内容を決める構成に差しかかります。ターゲットや目的に合致するよう、以下の基準に沿って検討しましょう。
- カジュアルなテイストか
- インタビューは実施するか
- 本人以外にも同僚や上司の声を入れるか
- 撮影する業務内容は入社後に経験するものか
おおよそのイメージや内容が定まった後は動画の尺やオチ、強調する箇所など全体の構成を決めます。
オープニングは出社風景をBGMとともに流して、すぐにインタビューに移るというように場面ごとの流れを明確にします。
密着する社員の決定
動画の主役となる密着が必要な社員を決める工程です。ターゲットと同じ性別かつ社会人歴が近しい方の抜擢が適しています。また社内のエース格とされる優秀な存在が好ましいでしょう。
就業時間中は基本的に1日中カメラやインタビュアーが横につくため、事前に本人の了承を得ましょう。
業務風景の撮影は通常一人だけで完結することは稀です。同僚や上司を含めて動画に映す可能性がある人材に漏れなく承諾を得る必要があります。
撮影場所やスケジュールの決定
撮影場所を決める際はロケハンが必要か否かが工数を大きく左右します。社外で撮影する場合、事前に許可が伴う場所かどうか確認しなくてはいけません。
街中の風景を撮影する際は基本的に法律上の問題は生じませんが、建造物や私有地の場合は無許可だと権利侵害の可能性があります。
次に撮影全体のスケジュール調整を実施します。動画の公開予定日やプロジェクトの終了期限を定めて、密着する社員の対応可能日をヒアリングしましょう。ロケハンが伴う場合、同時に撮影許可や施設の利用予約を入れます。
密着動画は関係者が多数いるため、日程調整の段階で頭の中が混乱する可能性があります。出演者や関係者の動きが一目でわかるスケジュール表の作成が効果的です。
動画撮影の準備
次は動画撮影に必要なカメラや照明などの機材を手配します。映像のクオリティが悪化するため極力スマートフォンの使用は避けた方がよいでしょう。
また手ブレの影響を抑えるために三脚やジンバルの準備が必要です。
さらに撮影した映像を取り込む高スペックのパソコンや編集ソフトを用意しなくてはいけません。
動画撮影
事前に取り決めたスケジュールに沿って動画を撮影します。また台本があると密着する社員の動き方や撮影シーンが明確になり、次の動きを先回りできて効率的です。
当日は必要なカット以外にも、余分に映像を準備する意識をもって取り組むと、後々手戻りがありません。
撮影を再度実施するのは、スケジュールの都合上難しい可能性が高いためです。後々素材を追加したいときに余った素材を加工して間に合わせることが可能です。
撮影対象者の横顔や後ろ姿、全体のアップ、オフィス周辺の街並みや緑の自然は積極的に撮影します。
なお密着撮影動画の撮影期間の目安は1.5〜2ヶ月、費用の相場は800,000〜2,000,000円です。
編集
編集ソフトを使用して撮影した素材を加工し、一般の視聴者が見るに値するレベルまでクオリティを高めます。
不要な部分を削除後、必要な部分をつなぎ合わせるカット編集は欠かせません。
タイトルやテロップの挿入、BGMやナレーションの追加の作業が発生します。
矢印や図形を用いた視覚的な説明や、トランジションを活用した自然かつ印象的な場面の切り替えも取り入れたい演出技法です。
BGMと効果音で臨場感を増し、テロップや字幕の活用でわかりやすさを高めて、モーショングラフィックの活用で動画の見栄えをよくします。
巧みな編集を施すことで視聴者の興味や関心を最後まで惹きつけ、企業の魅力を存分に伝えられます。
社員の1日密着動画を制作する際のポイント
効果を挙げる1日密着動画を作成するポイントは次のとおりです。
- 演出過多に陥らずに自然体を引き出す
- ターゲット視点のコンテンツを入れる
- 始業前→就業時間→就業後と時系列に沿った構成にする
- 複数のプラットフォームに配信する
- 動画の尺は長すぎずテンポのよさを重視する
視聴者が知りたいのは、自分に近しい先輩社員が飾り気なく働く姿や職場環境です。撮影があるからといって特別なイベントを実施する必要はありません。
またターゲットが気になるシーンは積極的に盛り込む心がけは大切です。
新卒向けならオフィスの雰囲気や社員同士の人間関係を伝えると効果的です。一方既卒向けには企業としての今後の方向性や業務内容、キャリアプランを漏れなく盛り込みます。
密着動画はわかりやすい構成が基本です。時系列に沿って午前中の業務から昼休み、午後の業務、就業後の様子と順を追って説明します。
制作した動画は採用サイトや各種SNSと幅広いチャネルに展開することが大切です。
一人の人物を映した映像素材がベースのため、切り取る箇所を変えて複数のコンテンツを制作できます。
また、視聴者を飽きさせないためにはテンポのよさが重要です。動きがない場面は積極的にカットして、切り替えのエフェクトを取り入れてメリハリをもたせます。
社員の1日密着動画は自社制作と外注どちらがよい?
密着動画の制作を決めた方が直面する問題は、自社制作と外注のいずれを選ぶかです。どちらにも一長一短があるため、自社に適した手法を選びましょう。
自社制作と外注のメリットは次のとおりです。
自社制作のメリット
自社制作は社員を活用してコストを抑えられる方法です。事業や業務の進め方に精通する社内の人間を活用できるため、自社の強みや特徴を動画の企画に反映させられます。
高いクオリティや凝ったエフェクトを求めなければ、無料の編集ソフトや社内にあるPCを使って、社外に公開しても恥ずかしくないレベルの動画の制作が可能です。
また自社制作は社外との関わりが少なく済むため、スケジュールの調整がしやすい傾向にあります。
動画制作会社に密着動画の主役が対応可能な日程を伝えて、動画制作会社の調整がつく撮影日を決める面倒なプロセスが発生しません。
スケジュールの調整に無駄な負担が生じず、短期間で企画〜撮影のステップが進みます。
外注のメリット
外注のメリットは、クオリティにこだわった求職者の心を揺さぶる高品質の動画を作れることです。
企画力や編集力を発揮して、自社制作では難しい訴求力をもつコンテンツの提供を受けられます。
動画制作会社は過去の経験を踏まえて、ターゲットを惹きつけるストーリーテリングや視覚的にリッチな表現、視聴者の注目を集める素材やテロップの使い方を熟知しています。
求職者の反応がよい密着動画の作り方も把握しており、作って終わりではなく、視聴者や応募者の増加という具体的な成果に結びつく可能性が高いでしょう。
動画制作の外注を検討中の方は、ぜひFunusualへお問い合わせください。
数々のBtoB企業の採用動画の制作に携わった経験をもとに、巧みな導線設計や秀逸な企画を提案できる専門エージェンシーです。
丁寧なヒアリングにより、うまく言葉にできないぼんやりとしたイメージを言語化してコンテンツ化することを得意としています。
密着動画制作が初めての方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
社員の1日密着動画を動画制作会社に外注する流れ
動画制作会社に密着動画の制作を依頼する際の基本的なステップは次のとおりです。
- ヒアリング
- 企画提案
- 撮影準備
- 撮影
- 編集
- 納品
- 運用サポート
戦略に基づく企画や提案から機材の手配、撮影、編集まで包括的に対応するケースが一般的です。
納品後もデータ分析やレポートの作成のアフターサポートを通じて長期的に動画マーケティングを支援します。
全体のフローのうち、特に重要な工程ははじめのヒアリングです。
自社の強みや事業に対する想い、欲しい人物像を包み隠さず明かすことで、動画制作会社は効果的な戦略を立案できます。
外注の場合、社外のパートナーと二人三脚で取り組む姿勢が大切です。
社員の1日密着動画を制作するなら
社員の1日密着動画は、企業の雰囲気や働く人の魅力をリアルに伝える重要な採用コンテンツです。
しかし、見る人の心を動かすにはただ撮影するだけでなく、誰を・どのように・何のために見せるかといった戦略設計が欠かせません。
Funusualは、BtoB企業の採用動画や1日密着ドキュメンタリーの制作実績が豊富で、特に企画設計〜編集に至るまでのワンストップ対応に強みを持っています。
ただの制作会社ではなく、「何を伝えれば求職者が行動するか」を考え抜く企画力と、現場の空気感まで映し出す高い撮影・編集技術で企業と人をつなぐ動画を仕上げます。
さらにヒアリングでは単なる業務内容だけではなく、企業文化・キャリア観・求める人物像まで深掘りするため、視聴者により刺さるストーリー構築が可能です。
密着動画の制作で失敗したくない方は、ぜひ一度ご相談ください。