自社ブランドの認知度を上げるために従来とは違う広告手法を取り入れなければならない、そんな問題を抱えている広報、マーケティング担当の方も多いのではないでしょうか。
近年、多くの企業がバンパー広告(6秒のスキップ不可動画)を積極的に活用し、短尺ながらも高いブランド認知や購買意欲の向上につなげています。
YouTubeやSNS広告に興味はあるものの「たった6秒の動画広告に本当に効果があるのか?」と半信半疑ではありませんか?
この記事では、バンパー広告の定義から具体的な成功事例やメリットとデメリット、そして制作のポイントや費用の相場まで一連の流れをわかりやすく解説します。
最後まで読んでいただければ、6秒でも効果的な広告は作れるという確信を持つことができ、自社で活用する際のイメージが明確になるでしょう。
バンパー広告とは
バンパー広告とは、わずか6秒の短い時間で視聴者に強いインパクトを与えることを目的とした動画広告です。
YouTube動画の再生前後や再生中に表示され、その短さとスキップできない点が大きな特徴だといえます。
バンパーとは、もともとテレビ業界で使われていた短い時間調整に関係する言葉で、それがバンパー広告という名称の由来といわれています。
従来の動画広告はテレビCM同様に30秒もしくは短縮版の15秒が主流であったため、6秒の短さからその広告効果を不安視する声も多くありました。
しかし2016年5月に提供が開始されて以来、既存のものと異なる手法を駆使したメッセージが数多く創り出されたことでその効果が認められ、現在もバンパー広告の需要は高まり続け ています。
バンパー広告の定義
バンパー広告は、YouTube動画の前後や途中に流れるインストリーム広告のひとつで、最長6秒間流れるスキップできない短尺の動画広告です。
動画の再生に連動したインストリーム広告には、5秒でスキップできるタイプや15秒間スキップできないタイプなどがあり、それぞれに狙う効果が異なります。
バンパー広告はスキップ可能な動画広告とは違い、ユーザーは強制的に最後まで視聴することになるため、メッセージを高い確率で届けられるのが強みです。
バンパー広告の特徴
バンパー広告の大きな特徴は、簡潔さと強制力です。まず、わずか6秒という短い時間であるため、メッセージを簡潔かつ力強いものにする必要があります。
商品のキャッチフレーズや特徴など、伝えたい情報を絞り込み、ユーザーの記憶に残るような動画制作の工夫が必要です。これによりユーザーの視覚と聴覚に強く訴えかけ、企業名やブランド、商品名をしっかりと印象づけることができます。
次に、バンパー広告はスキップができないため、最後まで視聴してもらえるという強制力があります。広告が視聴されないリスクを抑え、認知度の向上や特定のターゲット層への訴求に効果的です。
しかも6秒という短時間で終わるため、15秒や30秒の広告に比べて視聴者にストレスを与えにくく、ネガティブな印象を持たれにくい点も特長です。
またバンパー広告は、シリーズ化や長尺の広告と組み合わせることで、重要な役割を担うことができます。バンパー広告でブランドの認知を高め、より詳細な情報を提供する長尺の動画広告に誘導するといったことも可能です。
これらの特徴から、バンパー広告は、短時間で効果的にブランドや商品のメッセージを伝えるために戦略的に利用できるツールといえます。
バンパー広告活用の成功事例
バンパー広告は多くの大手企業も積極的に活用しており、それぞれが6秒という制約のなかでクリエイティブな工夫を凝らし大きな成果を上げています。
ここでは、バンパー広告の具体的な事例をいくつか見ていきましょう。
花王 ビオレ
花王のスキンケアブランドのビオレは、冷シートのバンパー広告で製品の特長をシンプルに表現しました。
冷蔵庫からシートを取り出し「冷やして冷やして使ってみて」というセリフの後、シートを使いながら「つめた!」という一言で終わります。
軽快なテンポとわかりやすいメッセージ、女優さんの驚いた表情が印象に残る動画です。
さらに、製品パッケージを大きく映すことで、店舗などでの購入時に商品へのアプローチを容易にする効果も生んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=PCPLZjV7mKw
LOTTE 雪見だいふく
製菓メーカー大手のLOTTEは、雪見だいふくの新しい食べ方を提案するシリーズでバンパー広告を取り入れました。
ヒット商品である雪見だいふくの新たな魅力を引き出すために、異なる触感が楽しめる加熱方法を紹介しています。
ぷにぷに・もちもち・ぷにふわといった触感を強調し、まるでできたてのようなおいしさを味わえることをアピールしました。
https://www.youtube.com/watch?v=tu7klB-Ip_w
東京ガス
東京ガスは、水パッチョというキャラクターを使ったバンパー広告をシリーズ展開しています。
複数の短い広告をストーリー仕立てで構成し、ユーザーが続きを見たくなる仕掛けを作ることで、アピールしたい修理サービスをわかりやすく表現しました。
さらに、このストーリー仕立てのバンバー広告に長尺のインストリーム広告を結びつけ、サービスの全容が理解できる設計にしています。
太陽ホールディングス
化学メーカーグループとして世界展開している太陽ホールディングスは、事業の認知拡大にバンパー広告を活用しました。
太陽ホールディングスは、企業理念である「楽しい世界は、楽しむ人がつくりだす」の象徴として宇宙飛行士を主人公にした広告を展開しています。
宇宙服姿のひとりの少女が静かな宇宙空間に浮かび、「楽しんだもんがち化学」とにこやかにつぶやくバンパー広告は、ユーザーの目を引く印象的な映像が特徴です。
インパクトのある映像とシンプルなメッセージを組み合わせることで、企業の技術力と理念をわかりやすく伝え、6秒間の広告でブランドイメージの確立に成功しています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ix4WDLAg02Y
Amazon
世界的な通販サイトであるAmazonは、プライム会員に向けた年一度のビッグセールであるAmazon prime dayを認知してもらうためにバンパー広告を用いました。
「驚きの価格が続々。お見逃しなく」というメッセージと開催スケジュールのみをシンプルに伝える広告は、バンパー広告のメリットをうまく引き出しています。
この広告を開催前の限られた期間に集中的に配信した結果、認知度の向上や利用者の増加という結果が得られました。
https://www.youtube.com/watch?v=z1C5Z-V-ZD8
バンパー広告のメリット
バンパー広告は、その短さとスキップができないという特徴によって多くのメリットをもたらします。以下に主なメリットを挙げました。
ユーザーへの負担が少ない
YouTubeの動画コンテンツに連動したインストリーム広告は、ユーザーの動画視聴を妨げてしまいます。
スキップ不可のものはもちろん、スキップができる広告でも、スキップボタンを押すこと自体にストレスを感じる方も多いでしょう。
結果として、強制的に見せられる長尺の動画広告はユーザーの嫌悪感につながりやすく、逆効果を生む危険性があります。
それに対して超短尺のバンパー広告はスキップの手間もなく、ユーザーがストレスを感じる前に終了し、6秒が経過するとすぐに動画本編に切り替わる設計です。
この短さと非スキップという特徴により、最後まで視聴される確率が極めて高くなり、しかもユーザーがブランドや商品にマイナスのイメージを持つことを避ける結果が得られます。
ブランドの認知度が上がる
バンパー広告はスキップができないためユーザーは最後まで広告を見ることになり、商品やサービスが記憶に残りやすくなります。
6秒間という尺を無駄なく活かして効率よくユーザーにメッセージを届けることができれば、バンパー広告の主な目的であるブランドや商品、サービスの認知度向上につながるでしょう。
また、ほかのインストリーム広告より表示回数が多くなることで繰り返しユーザーの目に触れ、記憶に残る効果が高まることがメリットです。
バンパー広告のデメリット
バンパー広告には多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべきデメリットもあります。
しかし、このデメリットはどれも致命的なものではなく、工夫次第で克服可能なものばかりです。
6秒に伝えたいことを盛り込まなければならない
6秒の制限は、多くの情報を伝えるには短すぎるため、複雑なストーリーの表現やサービスの詳細な説明には向きません。
超短尺に情報を詰め込みすぎると何を伝えたいのかわからない印象になるため、メッセージを一つに絞ったシンプルでインパクトのある構成にする必要があります。
広告掲載費がかさむ可能性がある
バンパー広告の課金形態はCPM(インプレッション課金)方式のため、1,000回表示ごとに費用が発生するのが一般的で、ほかのインストリーム広告よりも費用を抑えられるといわれています。
しかし6秒の短い時間で商品やサービスの詳細まで伝えることは困難です。バンパー広告単体で商品購入やサービス登録につなげることは難しいでしょう。
クリック率を上げる工夫や広告のシリーズ化、ほかの広告との連携などの戦略的なアプローチで、費用対効果を上げることが必要です。
バンパー広告制作時のポイント
6秒の限られた時間のメッセージで効果を出すためには、広告制作時の綿密な戦略が不可欠です。
ここでは、バンパー広告で効果を出すための動画のクオリティと設計のポイントについてまとめました。
広告の冒頭は一目でインパクトのあるものにする
自発的には見ていないバンパー広告でユーザーの興味を引くためには、冒頭のわずか1〜2秒が重要です。
思わず目を留めるような意表を突く映像や鮮やかな色彩、印象的なメッセージなどでユーザーの注意力を一気に引きつける工夫が要求されます。
長いフレーズは短くテンポよく表示する
6秒の短さのなかに多くの情報を詰め込むと、ユーザーの理解が追いつく前に動画が終了してしまい逆効果です。
伝えたいメッセージをひとつに絞り、短く簡潔なコピーにしてテンポよく表現することで、ユーザーの記憶に残りやすくなるでしょう。
視聴の繰り返しを促すような広告にする
同じ広告を複数回見てもらうことは、企業やブランド認知の定着につながります。覚えやすいメロディやインパクトのあるコピーなどでユーザーの記憶に残るような工夫が必要です。
複数の広告を組み合わせたシリーズ化も繰り返しの接触につながるとともに、メッセージへの理解を深める有効な手段です。
商品購入ページやホームページへの遷移を促す動画にする
バンパー広告はブランドや商品の認知が主な目的ですが、広告のなかにユーザーに望むアクションを明確に盛り込むことで、購買などの行動につなげることもできます。
とはいえ6秒でクリックを促すのは難しいため、あくまでプラスαとして考えて、本来の目的であるブランドの印象付けに重点を置いた方がよいでしょう。
印象に残る音楽や効果音を使用する
YouTubeは音声をオンにして視聴するユーザーが多く、音楽や効果音は視覚以上の効果が得られる重要な要素です。
ブランドや商品のイメージに合った印象的なBGMや特徴のある効果音を使うことで、視覚と聴覚の両面からアプローチができ、より強い印象を与えられます。
ターゲットを明確にする
たとえ広告自体が高品質だったとしても、ターゲットが曖昧では効果が半減します。
性別や年代などの属性を明確にしたうえで、ユーザー自身も気付いていないニーズまで分析し、興味や関心に響くようなメッセージと映像を設計することが成功の鍵です。
Funusualでは動画制作の前にクライアント様の事業内容を理解することから始め、さらに解決すべき課題やターゲット、競合他社の分析などを行い動画活用の戦略を立てます。
まずは貴社の課題やご要望を丁寧に伺い、6秒という短尺でも強い効果を生む動画の具体的な戦略をご提案します。
事例に基づいたシミュレーションを交えながら、費用対効果に優れた適切な広告設計を一緒に構築することが可能です。成果につながるバンパー広告を実現するために、ぜひ一度ご相談ください。
バンパー広告にかかる費用相場
バンパー広告の費用には、大きく分けて広告出稿費用と制作費用の2種類があります。
まず広告出稿費用については、バンパー広告はCPM(Cost Per Mille)方式を採用しており、これは広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する仕組みです。
広告主は1,000回表示あたりの平均額を設定し、その後はシステムが自動的に広告の表示を適正化します。
費用の相場は商品やサービスのジャンル、他社の設定額などによって変動しますが、一般的には1,000回表示あたり400〜600円程度が目安とされています。
広告費の予算を検討する際には、Google広告の管理画面にあるシミュレーション機能を活用するなど、多角的に見積もることが重要です。
一方の制作費用は、動画素材の有無や求めるクオリティによって大きく変わります。すでに自社に動画素材がある場合は編集や簡単な加工だけで済むため、数万円程度に抑えることが可能です。
しかし、企画段階からオリジナルの映像を制作する場合には、数十万円から200万円ほどかかるケースも少なくありません。
バンパー広告は6秒以下という限られた時間のなかで、インパクトのあるコピーや印象的な演出を取り入れる必要があります。
社内に動画制作チームがない場合は、動画広告の制作に特化した制作会社へ依頼するのがよいでしょう。
Funusualは、タクシー広告や、YouTube・TikTok・Instagram・TwitterなどのSNS動画広告に定評のある動画制作会社です。
6秒動画から15秒、30秒をベースとした短尺の動画を、スピーディーな作業体制で複数本制作することが可能です。
費用を抑えながらもオリジナリティのある動画広告制作を、短納期かつ複数本同時に進行できる体制をご用意しています。
ご予算に応じた適切な制作プランを具体的にご提案いたしますので、コスト面で不安がある方も安心感を持ってお任せいただけます。
効率的かつ効果的なバンパー広告の活用を実現するために、ぜひ一度お問い合わせください。
バンパー広告の注意点
バンパー広告は手軽に始められる一方で、いくつかの注意点を怠ると効果が薄れてしまう可能性があります。
まず、ターゲットとメッセージのズレに注意が必要です。幅広い層にリーチできる利点がある反面、伝えたい層にピンポイントで届かないリスクもあります。
バンパー広告を有効に活用するためには、性別や年代、居住地域や世帯収入といった詳細なターゲティングが不可欠です。
この設定が不十分だと、広告が表示されてもユーザーに興味を持ってもらえず、ブランドの印象付けにつながらない可能性があります。
次に、効果測定の不足も課題のひとつです。6秒という短さから、得られるデータが限られるため、広告効果の検証を多角的に行うことが求められます。
単に再生回数を見るだけでなく、広告想起率・ブランド認知度・検索上昇率・ブランド好感度・購入意向など、より本質的な指標で効果を測定することが重要です。
最後に、制作クオリティの低さも避けるべき点です。
短尺だからこそ、映像やメッセージのクオリティが成果を左右します。印象の薄い無難な内容ではユーザーの心に響かず、認知度向上にはつながりません。
また、粗い映像や音声はブランドイメージを損なうリスクがあるため、むしろ逆効果になることもあります。これらの点に留意し、効果的なバンパー広告の運用を目指しましょう。
印象に残るバンパー広告を制作したいなら
動画広告市場は急速に拡大しており、自社ブランドの認知向上のために動画広告の活用を考えている広報、マーケティング担当の方も多いでしょう。
なかでもバンパー広告は6秒の短さから、ユーザーにとってストレスの少ない広告といわれています。しかし短尺だからこそ、戦略と制作クオリティが成果を大きく左右するのが難しい点です。
細かいターゲティングとニーズの分析、インパクトのある映像や印象に残るメッセージなどを戦略的に設計する必要があります。
この戦略にミスがあると、ユーザーに必要なメッセージが届かないばかりか、逆効果になる危険性をはらんでいます。
さらに広告の効果を正確に測り、費用対効果を把握することが必要です。
特にバンパー広告の場合は、6秒の短さから商品の購入やサービスへの登録などに直接結びつけることが難しいため、複数の数値を総合的に分析して本質的な効果を測定しなければなりません。
バンパー広告を活用して認知向上という目的を果たすには、限られた時間のなかでユーザーの心をつかむ動画制作のクオリティと、効果を正確に把握する広告運営の両面での専門的なノウハウが不可欠です。
Funusualでは、バンパー広告の戦略設計からハイクオリティな動画制作、そして広告運用までを一貫してサポートしています。
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