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【知っておきたい勘定科目】動画制作費用にかかる会計処理の解説

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1. 企業ほど重視したい動画制作費用の勘定科目

動画制作という事業について、初めて企業で行うケースがあります。
そういった状況では、今までルーティーンのようになっていた会計とは異なったお金の流れで混乱する担当者も少なくありません。
そのため、適当な勘定科目に分類して処理してしまうケースも見られます。
しかし、動画制作費用という新しいお金の流れに関する勘定科目をきちんとさせておくことは重視しなければいけません。
ここではなぜ動画制作費用の勘定科目を重視しなければいけないのかを解説しまとめました。

1-1. 基本は税金の計算に必要という理由

勘定科目を重視する理由として、税金の計算に必要という理由が挙げられます。
動画制作費用は、少量の事務用品を購入するのとは異なり、10万円以上のお金が動くからです。

こういったお金の動きは、勘定科目ひとつで税金の支払額が狂ってしまうことも多くあります。
加えて、手違いによって思わぬ脱税をしてしまうこともあります。
脱税が発覚すると信用を失ってしまうのは必至、特に企業の場合はなおさらです。
こういった税金の計算を行うだけでなく、脱税してしまうトラブルを回避する意味でも重要です。

1-2. キャッシュフローを明確化させる意味でも重要

お金の流れ、キャッシュフローを明確化させる意味でも重要です。
なぜなら自分たちの企業の経営方針の決定や出資者などの利害関係者に出資の材料となるからです。

企業の経営方針決定で動画制作費用の勘定科目をしっかりさせておくことは有効といえます。
動画制作費用というのは、どのような企業であっても初めて行う場合は、新しいキャッシュフローになります。
しかも従来とは異なった投資になるので、キャッシュフローは特に明確にしておくことが必要です。

また、出資者など利害関係者に対する出資の材料となります。
動画制作が事業に有益かどうかを説明するうえで、勘定科目をしっかりさせておくことは重要です。
出資者以外にも銀行の融資を受ける際も銀行側の判断材料になります。

このように重要な意味を持つ動画制作費用の勘定科目について、次の項目から具体的に解説していきましょう。

2. 動画制作費用に関する勘定科目の解説

動画制作費用に関する勘定科目の解説をしていきます。
ここでは、目的ごとの勘定科目の仕分け方法と制作にかかった費用の勘定科目についてまとめました。

2-1. 動画制作の目的ごとに異なる

動画制作の目的によって勘定科目が異なります。
大きく分けると、PRを目的とした場合の勘定科目と広告収入など直接収入を得る目的で行った場合の勘定科目などです。

まとめると次のようになります。

PR目的での動画制作費

  • (外注) : 「販売費および一般管理費」
  • (外注でキャンペーン) : 「販売促進費」
  • (外注で通年) : 「広告宣伝費」
  • (自社での内製化) : 人件費のため、会計処理の必要なし

広告収入目的での動画制作費

  • (外注) : 「制作原価」
  • (自社での内製化) : 「売上原価」

動画編集ソフトウェア

  • (10万円未満) : 「販売費及び一般管理費のシステム費・消耗品費」
  • (10万円以上20万円未満) : 3年間で年均等償却、販管費で償却するという形で「一括償却資産」
  • (20万円以上) : 5年間で定額法償却または販管費で償却する形で「ソフトウェア」

動画編集用の機材・パソコン

繰り返して再生するDVD

  • 「器具備品」で固定資産

空のDVD

  • 「消耗品」

以上の勘定科目について、次の項目まで横断して説明していきましょう。

2-1-1. 企業や商品のPRを行った場合の勘定科目

企業や商品のPRを行った場合の勘定科目は、外注した場合「販売費および一般管理費」として仕訳するのが良いかもしれません。
厳密には、通年で行う企業や商品のPRであれば「広告宣伝費」にします。
また、一時的なキャンペーンなど期限を限ったものであれば「販売促進費」と仕訳すると実情に合っているのではないでしょうか。

自社の社員のみで動画制作費用がつかわれ、動画の内製化を行った場合は、「人件費」として計上しましょう。
もちろん使われた機材を新規に購入した場合などは、別途勘定科目が必要になります。
しかし、社員が既存の機材で動画制作したら会計処理は特に必要ありません。

注意点として、あくまでこれらは目安のため社内の計上ルールに従って計上するようにしましょう。

2-1-2. YouTubeなどの動画プラットフォームでの広告収入目的での勘定科目

動画プラットフォームで広告を付けた場合、収益が発生します。
この収益目的で様々な動画制作をする場合は、先ほどの勘定科目と異なった仕訳が必要です。
外注した場合「制作原価」内製化している場合は「売上原価」です。

外注した場合は制作原価によって勘定科目を設定します。
しかし、思った以上に利益がでなかったり、金額的に重要性がないものと判断した場合はPR目的での勘定科目や売上原価科目にします。

内製化した場合は、売上原価です。
こちらは利益の多寡にかかわらず共通した勘定科目で処理しましょう。

ここまで解説したものの、直接企業の収益に関連する勘定科目になるため、社内によってルールが設けられている場合があります。
判断に窮する場合には、顧問税理士・会計士に相談して頂くことをおすすめします。

2-2. 動画制作にかかる費用の勘定科目

動画制作の外注を行った場合は、請求された費用が包括されて同じ勘定科目になるケースがほとんどです。
しかし、内製化された場合は動画編集ソフト、動画編集用の機材・パソコンの取得の経費が発生します。
これらの場合の勘定科目について紹介しましょう。

まず、動画編集ソフトの場合は、取得価格が10万円未満、10万円以上20万円未満、20万円以上によって異なります。
10万円未満の市販ソフトのようなソフトを購入した場合は「販売費及び一般管理費のシステム費・消耗品費」です。
端的に言えば、安価な消耗品というイメージの勘定科目といえるでしょう。

10万円以上20万円未満の、高額なソフトウェアなどでは、資産計上します。
3年間で年均等償却、販管費で償却するという形で「一括償却資産」
としましょう。

最後に20万円以上、例えば自動編集システムなどのソフトは、5年間で定額法償却または販管費で償却する形で「ソフトウェア」にします。
このように10万円を超えると資産計上する必要があるため、注意が必要です。

動画編集用の機材・パソコンも基本的に動画編集ソフトと同じです。
10万円未満であれば、「販売費及び一般管理費の消耗品費」10万円以上20万円未満で「一括償却資産」として処理します。
ただ、20万円以上の品物、例えば編集用のパソコン購入費は、「工具器具備品」の勘定科目で処理する流れです。
また、品物によって法定耐用年数で定額法の償却や、販管費で償却するという形で行いましょう。

3. 知っておきたい動画制作の勘定科目のポイント

最後に知っておくと便利な動画制作における勘定科目のポイントについて、制作されたメディアや費用の扱いなどを解説しましょう。

3-1. 動画制作で作られたDVDなどのメディアは固定資産にする

動画制作の公開がオンライン中心になった今、DVDなどのメディア制作は少なくなってきています。
しかし、まったくなくなったわけではありません。
こういったメディアの勘定科目は「器具備品」の勘定科目で固定資産に計上します。
展示会などに持っていき、繰り返し再生されて使用される品物といった解釈です。
ちなみに耐用年数は2年として計上しましょう。

また、動画制作したものを収録するための空のDVDの購入費に関しては消耗品で仕訳します。

3-2. 動画の制作費用は繰延資産に該当しない

動画制作でDVDを作って複数年にわたって利用する場合は資産として計上します。
しかし、動画制作費用だけを考えた場合は、一括損金か一括で必要経費算入するのが一般的といわれています。

例えば、動画制作費用を外注したとして25万円かかったとしましょう。
パソコンやソフトウェアであれば固定資産などで計上しますが、動画制作費だけの場合は、一括で計上します。
制作に必要な道具類は固定資産のとして繰り延べ資産になったり、繰り返し使うDVDを作った場合は同様に資産処理されたりします。
しかし、動画制作単独に関しては一括で処理するという違いがある点に注意しましょう。

もちろん社内ルールや顧問税理士、会計士の見解によって異なる場合もあるので、確認したうえで処理するのがおすすめです。

まとめ

動画制作は制作サイドの場合、どんな動画を作るかといった点に注力します。
しかし、支援部門でもある会計担当になった場合、発生した費用をどのような勘定科目にするかといった点が重要です。
今回、参考になる資料としていくつかの事例を中心にお話ししました。
参考になるものもあったのではないでしょうか。
ただし、繰り返しになりますが、社内ルールや顧問税理士、会計士の見解に照らし合わせて運用することをおすすめします。

分かりやすいキャッシュフローを勘定科目にすることで、より動画制作費用の対費用効果がわかります。
制作だけでなく、会計処理にも注目してみましょう。


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