動画制作では、動画を作り始める前にシナリオや構成、絵コンテなどさまざまな資料を作成する必要があります。
そのなかでも、シナリオは動画制作における設計図のようなもので、質の高い動画にするためには欠かせない資料です。
動画制作に慣れていない方は、制作効率向上のためにも、シナリオテンプレートを使用するとよいでしょう。
この記事では、動画シナリオテンプレートの例を2種類紹介します。シナリオ作成の流れやコツ、注意点までしっかりと確認し、自社にあった動画作成方法を選択できるようにしましょう。
動画シナリオの役割とテンプレートを使うメリット
動画制作を進めるうえで必要となるのが、シナリオです。しかし、シナリオ作成は動画制作のなかでも重要な役割があり、作成にかなりの時間を要することがあります。
そのため、シナリオ作成の際はテンプレートを活用するのがおすすめです。
ここでは、動画シナリオの基本的な役割とテンプレートを使うメリットを紹介します。
動画シナリオの基本的な役割
動画シナリオは動画のシーンやセリフ、ナレーションなどを文章に起こした、動画制作における設計図のようなものです。
また、動画の目的は何か、動画でどのようなことを伝えたいかなどを明確にする役割があります。
動画の土台となる要素のため、ストーリーだけでなく動画の目的やターゲット層なども具体的に記すことが重要です。
シナリオがあることで、チーム全体で完成イメージを共有でき、撮影や編集作業の効率化や動画全体のクオリティ向上にもつながります。
テンプレートを使うメリット
動画シナリオのテンプレートを使うメリットはさまざまありますが、主に以下の3点が挙げられます。
- 制作時間の短縮
- コスト削減
- 安定したクオリティ
動画シナリオテンプレートは、すでに動画の骨組みが完成されており、ゼロから動画を作る必要がありません。そのため、短時間で動画を制作でき、結果的に制作時間の短縮となります。
テンプレートを使用すれば初心者でも動画制作ができるため、外注する必要がなくなり、コスト削減にもつながるのです。
テンプレートには高品質なものも多く、初心者でもクオリティの高い動画を作りやすくなります。
さらに、テンプレートは繰り返し使用できるため、安定したクオリティの動画を効率的に制作できるのも魅力です。
このように、動画シナリオテンプレートは多くの利点があり、うまく使えば企業の動画マーケティングを成功に導けます。
動画シナリオテンプレートの種類と作成例
動画シナリオは、大きく分けて2種類のテンプレートがあります。
- テキストベースのシンプルな形式
- 表形式で内容を整理する形式
ここでは、上記2種類のテンプレートの実際の例を紹介します。シンプルで書きやすい形式のため、動画制作に慣れていない方でもきっと書き始めやすいでしょう。
テキストのみで構成するシンプルな例
テキストだけで構成された動画シナリオは、以下のように記述します。
- シーン1
- 場所と時間
- ト書き
- A(登場人物):セリフ
- B(登場人物):セリフ
- 必要に応じてBGMや効果音
- N(ナレーション):ナレーション
その他にも、各シーンのおおよその時間や場面転換の方法を書いておくのがおすすめです。テロップや特殊効果などが必要であれば一緒に記載しておくとよいでしょう。
表形式で情報整理するテンプレート例
表形式の動画シナリオは、以下のようなテンプレートがあります。
- 時間:00:00:00のように記載
- 字コンテまたは絵コンテ:場所や時間、行動などを記載
- セリフ:ト書きや登場人物のセリフを記載
上記3つの項目を表形式で情報を整理してまとめることで、わかりやすいシナリオを作成できます。
ト書きは、セリフではなく字コンテに記載する方が伝わりやすい場合もあるため、状況に応じて使い分けるようにしましょう。
シナリオと構成表や絵コンテとの違い
動画シナリオの基本的な役割でも説明したように、シナリオは動画制作における設計図のようなものです。動画の目的やターゲット層などを明確にするために作成します。
一方で構成表は、撮影のスケジュールを可視化し、スタッフとの意思疎通を図るために作成するものです。
撮影順や出演者の入り時間・衣装・小道具など、撮影を進めるにあたって必要なあらゆることを記載します。
動画制作のスケジュール管理、スムーズな撮影進行のためには欠かせない資料といえるでしょう。
絵コンテは、動画の内容をイラストに起こして、視覚的に表現したものです。絵コンテを作成することで、シーンの構図やカメラの動きをよりわかりやすく伝えることができ、認識のズレを解消できます。
制作前にそれぞれの違いを理解し、適切に使い分けることが重要です。シナリオや構成表、絵コンテなどをしっかりと作成できれば、よりクオリティの高い動画を制作できるでしょう。
動画シナリオ作成の流れ
動画シナリオを作成するにあたって、どのような流れで進めていけばよいのかわからず、なかなか一歩を踏み出せないという方もいるでしょう。
そこでここでは、動画シナリオ作成の一連の流れをわかりやすく解説します。
一連の流れを理解できれば、やるべきことが明確になり、動画シナリオ作成の第一歩を踏み出せるでしょう。
動画の目的やテーマを明確にする
動画シナリオを作成する際は、まずは動画の目的やテーマを明確にすることが大切です。具体的には、この動画で何を伝えたいのか、どのような方に見てほしいのかなどを明確にしておきましょう。
目的やテーマが明確になっていないと、動画の内容に一貫性がなくなり、視聴者に伝わりにくい動画になってしまう恐れがあります。
より魅力的な動画を制作するためにも、始めに目的やテーマを明確にすることが重要です。
登場人物を設定
目的やテーマが決まったら、登場人物を設定します。主役やサポート役を整理し、それぞれの性格や口調などの特徴を明確にしましょう。
特徴をしっかりと記載することで、魅力的で視聴者が感情移入しやすいキャラクターに仕上がります。
ただし、特徴をつけすぎるとキャラクター設定が複雑になってしまう可能性があるため、わかりやすいものを1〜2個設定するのがおすすめです。
動画のクオリティに大きく影響する部分となるため、妥協せずにしっかりと検討しましょう。
概要(あらすじ)と構成案の作成
登場人物の設定の後は、概要(あらすじ)と構成案の作成です。ここでは、ストーリーがどのように展開していくのか、動画全体の流れを簡潔にまとめていきます。
この段階では、登場人物のセリフや演出など、細かい部分を記載する必要はありません。動画の大まかな内容をまとめて、流れに違和感はないか、動画のコンセプトとズレていないかなどを確認しましょう。
起承転結を意識すると、シナリオ全体の骨組みが見え、概要や構成案を作成しやすくなります。
プロットの整理とシーン展開の設計
概要と構成案が完成したら、それを深掘りするプロットの整理とシーン展開の設計に移ります。
この段階では、いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのようにで構成される5W1Hを意識して作成することが重要です。
5W1Hを意識することで、違和感がなく、より洗練されたシナリオを作成できます。
作成後は、動画で伝えられていない情報はないか、全体のバランスはおかしくないかなどをしっかりと確認しましょう。
シナリオの執筆と推敲
プロットの整理やシーン展開の設計が完了したら、いよいよシナリオの執筆と推敲の段階です。
ここでは、ここまでまとめた内容をもとに、セリフやナレーションなどを細かく記載していきます。
この内容をもとに撮影が進められていくため、セリフは口語で自然に聞こえるか場面説明はわかりやすいかなど、あらゆることに注意して作成しましょう。
シナリオ作成後は、何度も読み返して推敲を重ねることが重要です。読み返していくうちに無駄な箇所が削られ、より伝わりやすいシナリオに仕上がっていくでしょう。
校正チェック
シナリオが完成したら、最後に校正チェックを行います。誤字脱字や文法ミスはもちろん、セリフは適切な表現で書かれているか、表現がズレている箇所はないかなど徹底的に確認しましょう。
校正チェックの際は、実際に声に出して読みあげるのもおすすめです。声に出すことで違和感に気付きやすくなり、より適切な校正チェックを行えます。
また、自分一人で校正チェックを行うと、どうしても見落としてしまう箇所が出てくるかもしれません。そこで、第三者にチェックしてもらうのも一つの方法です。
動画シナリオを作成するときのコツ
いざ動画シナリオを作成しても、刺さる内容が書けないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そのような悩みを抱えている方に向けて、動画シナリオを作成するときのコツを5つ紹介します。
これらを意識して作成できれば、より魅力的なシナリオを作成できるでしょう。
ターゲットを明確にする
動画制作では、ターゲット層によって登場人物の設定やセリフの言い回しなどが大きく異なります。
そのため、ターゲットを明確にしてからシナリオ作成を進めることが大切です。
具体的には、性別や年齢・ライフスタイル・職業・年収などが挙げられます。これらが明確になっていれば、視聴者からの共感を得やすく、ターゲット層の興味をひく動画を制作できるでしょう。
シンプルでわかりやすい構成にする
動画シナリオを作成していると、伝えたいことがたくさんあり、内容を詰め込み過ぎてしまう方は少なくありません。
しかし、内容を詰め込み過ぎると情報過多となり、視聴者の負担になってしまう恐れがあります。
そのため、伝えたい内容を簡潔にまとめ、シンプルでわかりやすい構成にすることが大切です。判断が難しい場合は、第三者目線でシナリオを読み直してみましょう。
客観的な目線でチェックすることで、視聴者に伝わりやすいシナリオになっているかを確認しやすくなります。
キャッチコピーを設定する
動画シナリオを作成するコツとして、キャッチコピーを設定するのもおすすめです。キャッチコピーがあれば動画の目的や方向性が明確になり、シナリオ作成を進めやすくなります。
また、印象的なキャッチコピーであれば視聴者の記憶に残りやすいため、商品やサービスの魅力を伝える企業のマーケティングにおいても効果的です。
フレームワークを利用する
動画シナリオの構成作成では、フレームワークを利用するのがおすすめです。代表的なフレームワークとして、以下の5種類が挙げられます。
- PREP:P(ポイント)・R(理由)・E(例)・P(ポイント)
- ABCD:A(引きつける)・B(ブランド)・C(つながる)・D(指示する)
- CAMS:C(つかみ)・A(ベネフィット)・M(動機づけ)・S(行動の提案)
- SDS:S(要点)・D(詳細)・S(要点)
- 起承転結:起(き)・承(しょう)・転(てん)・結(けつ)
フレームワークを活用することで、構成作成がしやすくなり、作業効率の向上につながります。
文字起こしツールを活用する
動画シナリオ作成で文字起こしツールを活用すれば、作業スピードがあがり、効率的にシナリオ作成を進められます。おすすめの文字起こしツールは以下の3つです。
- Notta:リアルタイム文字起こしが可能なクラウド型ツール
- Googleドキュメント:無料で文字起こしツールの利用が可能
- Vrew:動画と連携した文字起こし機能がある
とりあえず無料で試してみたいという方は、Googleドキュメントの音声入力がおすすめです。それぞれのツールに特徴があるため、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
動画シナリオを作成するときの注意点
動画シナリオを作成するときは、以下の5点に注意しましょう。
- 情報を盛り込みすぎない
- 専門用語を避ける
- 5W1Hを意識する
- 第三者に伝える視点を持つ
- 尺と内容のバランスを取る
情報を盛り込み過ぎると、動画の内容がまとまりません。また、専門用語を多用すると視聴者に内容がうまく伝わらず、十分な広告効果を得られなくなるリスクがあります。
5W1Hを意識して構成作成し、動画の尺と内容のバランスと、第三者に伝わりやすい内容であるかどうかをしっかりとチェックしましょう。
これらを意識して作成すれば、きっと魅力的かつ効果的な動画を制作できます。
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動画シナリオの作成で困ったときの対処法
動画シナリオ作成をしていると、作業が止まってしまう、構成に違和感を覚えるなどさまざまな壁にぶつかります。では、そのようなときはどのように対処したらよいのでしょうか。
ここでは、動画シナリオ作成で困ったときの対処法を3つ紹介します。うまくいかないからと諦めず、できることから取り組んでいきましょう。
競合相手の動画を分析する
動画シナリオ作成で悩んだら、競合相手の動画を見て分析しましょう。これを行うことで、競合相手との差別化を図ることができ、より戦略的な動画を制作できます。
競合相手の動画では、情報やストーリーに関することだけでなく、伝えていない情報をチェックすることも大切です。
抜けている情報を取り入れることで、オリジナリティの高い動画を制作できます。
コンセプトから再構築する
動画シナリオ作成中や校正チェックの際、構成に違和感がある、展開が不自然と感じたらコンセプトから再構築しましょう。
おもしろくないシナリオは、設定があやふやになっていたり、登場人物の特徴が変わってしまっていたりする箇所があることがほとんどです。
おもしろくないと感じた箇所だけを修正すると、つながりがおかしくなり、結果的にすべて修正が必要になることがあります。
そのため、おもしろくないと感じるシナリオは、その段階でコンセプトから再構築してシナリオ作成を再検討することがポイントです。
プロの動画制作会社に依頼する
動画シナリオ作成がどうしてもうまくいかない場合は、プロの動画制作会社に依頼しましょう。
プロに依頼をすれば、意図に沿った構成で、質の高いシナリオに仕上げてもらえます。
依頼する際は、認識のズレが起きてしまわないように、目的やテーマ・ターゲット層などを詳しく伝えることが大切です。
情報共有がしっかりとできていれば、スムーズに希望どおりのシナリオを作成してもらえるでしょう。
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