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パノラマ動画の作り方は?制作のメリットやポイント、活用事例をわかりやすく解説

パノラマ動画は、デバイスの向きを変えることで自由な角度や視点から視聴できる映像コンテンツです。

撮影地点を周回するように全方位見渡せるため、全天周動画と呼ばれる場合もあります。

固定視点の動画と比べてインパクトが強く、商材の訴求力が高いため、マーケティングへの活用が注目されています。

今回はパノラマ動画の作り方やメリット、活用事例をわかりやすく解説しましょう。

没入感のあるコンテンツを活用して顧客体験を改善したい方はぜひ最後までご一読ください。

パノラマ動画とは

山

パノラマ動画は、撮影場所を起点に前後左右の360度見渡せる映像コンテンツです。

視聴者は自由に見たい方向に画面の向きを変えられるため、再生数や視聴時間の伸びを期待できます。

はじめにパノラマ動画の種類とVRとの違いは次のとおりです。

パノラマ動画の3つの種類

パノラマ動画は用途によって次の種類に分かれます。

  • パノラマ方式(正距円筒図法形式):球面状に撮影した映像素材を平面に変換した映像
  • キューブマップ形式:立方体の中心に位置して周囲を見渡す映像
  • ドームマスター形式:360度カメラで撮影した素材を魚眼カメラを通して視聴する映像

パノラマ形式は風景動画、キューブマップ形式は3DCGのマッピングによく使用されます。いずれも視聴者の意思で画面の内容を変更でき、商品やサービス、イベントの疑似体験に適しています。

VRとの違い

Vr、ゲーム

パノラマ動画と混同しやすいコンテンツにVR動画があります。両者は全方向からの視聴を可能にする点は共通していますが、細部には明確な違いがあります。

決定的な違いは視点にあり、パノラマ動画は視点が固定されている一方、VR動画は自由に移動可能です。

また両者は視聴方法やデバイスにも違いがあります。パノラマ動画は特別な機器を必要とせず、PCやジャイロセンサー付きのスマートフォンがあれば視聴できます。

一方VR動画を楽しむためには、専用のゴーグルやヘッドセットが必要です。

また、しゃがんだりジャンプしたりなどの身体の動きに応じて、視点や映像内容が変化します。

VR動画は映像のなかに入り込んで活動する錯覚を得られるため、強い没入感が伴うことが特徴です。

パノラマ動画制作のメリット

メリット

パノラマ動画は視点が360度変化することで、臨場感や顧客体験の改善が期待できます。また繰り返し使用できるため、業務の効率化にもつながります。

パノラマ動画を制作すると得られるメリットは次のとおりです。

臨場感がある

パノラマ動画は、まるで画面の世界に入り込んだかのような臨場感を体験できます。

人や景色、建造物などの風景が目前に迫りくる感覚を得られるのは、一方向しか見られない映像コンテンツにはない特徴です。

また、デバイスの向きや視聴距離を変えることで映像の見え方も変化します。自分の動きに応じて画面の中の光景が移り行く様子は新鮮で、強い没入感が得られます。

主体的な視聴体験を提供できる

パノラマ動画は映像の中の企画やイベントに参加した感覚を味わえる映像コンテンツです。

通常の一方向の動画では、視聴者は画面に映し出される映像を受動的に眺めるしかありません。リアクションやコメントはできても、あくまでも視聴後の評価にとどまります。

パノラマ動画は自分の好きにカメラの位置や映像の見え方を変えられるため、映像内のキャラクターや出演人物との距離が近い感覚を覚えます。

あたかも動画の編集者やディレクターになったかのように感じられる点も、パノラマ動画ならではの魅力です。

商品やサービスを疑似体験してもらえる

体験を説明する男性

パノラマ動画は、購入前に商品やサービスを疑似体験する場を提供できる映像コンテンツです。

遠隔地にいながらオンラインで商材の特徴や魅力を伝えられるメリットがあります。

特に展示会や見学会のイベント、施設やアトラクションの紹介に適しているとされています。

パノラマ動画を視聴して深く知りたい、お金を払ってもサービスを受けたいと感じたユーザーからの問い合わせの創出が期待できるでしょう。

例えば遊園地のアトラクションでは、飛び跳ねる水しぶきや、変化する周囲の光景を臨場感たっぷりに伝えることが可能です。

映像では物足りないと感じたユーザーの来場の増加につながります。

業務を効率化できる

施設や会社のパノラマ動画の場合、紹介や案内の手間を省いて業務の効率化に役立つ可能性があります。

例えば求職者にオフィスの雰囲気やデスク周りの様子を見せて、実際に現地に行かなくても、雰囲気を伝えることが可能です。

応募してきた新卒や中途の求職者にパノラマ動画の視聴を促す使い道が考えられます。また採用サイトや公式SNS、YouTubeに公開して広く視聴を募る方法も挙げられます。

採用担当者の案内や説明内容の省略につながり、採用活動に割くスタッフの人件費の節約が可能です。

パノラマ動画の作り方

オフィスでミーティングする真顔の男女

パノラマ動画の制作は、企画・撮影・編集・アップロードの順に進めます。初心者にもわかりやすく、各工程を丁寧に説明します。

企画

はじめに動画の目的や被写体、ロケ地を決める企画の工程が欠かせません。全体的な方向性が決まったら、必要なシーンや伝える順序を整理する構成の工程に移ります。

商品やサービス、イベントの特性に合わせて、視聴者に響く企画を立てることが大切です。

またロケハンが伴う場合は場所に応じた撮影許可が必要になります。

市街地や街並みの撮影には許可が不要な場合が多い一方で、私有地や建物内部の撮影には許可が必要です。

企画は動画のクオリティやマーケティングの効果に影響を及ぼす重要な工程です。時間の許す限り丁寧に取り組みましょう。

撮影

店内を360°撮影を行うカメラ

撮影には全方向を記録できる360度カメラの利用が適しています。

複数のカメラを別々の場所に設置して編集でつなぎ合わせてコンテンツ化する方法も可能とはいえ、時間がかかるうえに面倒です。

機材は、暗所でも鮮明に写る高画質カメラや自動で水平を保つ手ブレ補正機能付きカメラを選ぶとよいでしょう。

水平方向に加えて、上下方向の撮影が可能な全天球型の機器を使用する場合は注意が必要です。意識せずに撮影すると、撮影者や三脚が映り込んでしまうことがあります。

編集とアップロード

カメラで撮影した断片的な映像素材を一つにつなぎ合わせる編集の工程が発生します。編集ソフトにはWindowsとMacの両方のOSに対応したPowerDirectorや、多機能かつ高性能のAdobe Premiere Proなどの種類があります。

カット編集のほか、明るさや色調の補正・テロップや画像素材の追加・効果音やBGMの挿入が必要です。動画の目的や商材のイメージと合わせることを念頭にリッチに仕上げましょう。

最後に自社のWebサイトやSNS、動画配信プラットフォームに制作したコンテンツを公開します。

媒体ごとに推奨サイズや容量が異なるため、エンコードやメタデータの作業が発生する場合があります。

パノラマ動画制作に必要なもの

動画

パノラマ動画の制作には360度カメラおよび編集ソフトが必要です。少なくともこの二つは必ず用意しましょう。

製品の選び方や費用感をお伝えします。

360度カメラ

360度カメラを選ぶ際は、全天球型と半天球型のいずれかで撮影範囲の広さが異なることに注意が必要です。

両者の違いは機材の下側を撮影できるか否かです。半天球型は映像がドーム状に固定されるため、撮影者や三脚が映り込む心リスクが少ないという特徴があります。

画質を左右する重要な要素はフレームレートです。なめらかな映像を重視する場合は一般的な30fpsよりも数字が大きな製品を選ぶとよいでしょう。

ほかにもセンサーの画素数や手ブレ補正機能の有無、VR対応の可否はチェックしたい項目です。アウトドアの撮影が伴う場合は耐水性や防水性、防塵性能の有無も重要といえます。

なお360度カメラの購入価格の相場は50,000〜100,000円です。

編集ソフト

通常の動画編集ソフトであれば基本的にパノラマ動画の編集に対応可能です。

月額500〜3,000円程度のサブスクリプション型のほか、10,000円程度で買い切りで利用できる製品がほとんどです。

360度カメラの本体に内蔵した編集ソフトを使う方法もあります。

撮影した映像をその場で編集してスマートフォンとの連携機能によってスピーディーに公開に至ります。

パノラマ動画の作り方のポイント

ポイントの文字とビジネスマン

視聴者を引き込む効果的なパノラマ動画を作るポイントは次のとおりです。

  • 撮影環境と機材の適切な配置
  • 視聴者を引き込むストーリー構成と編集
  • 目的の明確化
  • 配信環境の調整

一つずつ何に気を付けるべきか具体的かつ明確に解説します。

撮影環境と機材の適切な設置

パノラマ動画は360度の全方向を映す特性上、撮影環境の整備が極めて重要です。

撮影場所から周囲の状況まで隈なく確認して、余計な人物や物が映り込まないように配慮します。

屋外の撮影では、十分な光量を確保するために曇天や雨の日は避けるスケジュール調整が伴います。逆に直射日光が入る場所や影が映り込む場所も適切ではありません。

またパノラマ動画は、カメラの設置場所と角度に配慮しなくてはいけません。いずれのシーンでも視聴者が興味を抱く映像を収める意識が求められます。

360度カメラは安定した場所に設置して、手ブレを引き起こさない補助器具の活用がおすすめです。

視聴者を引き込むストーリー構成と編集

ストーリー

パノラマ動画の没入感や臨場感を活かすためには、視聴者を引き込む魅惑的なストーリーテリングが必要です。

アトラクションやイベントの疑似体験をはじめ、エンターテインメント性を取り入れた企画や構成が求められます。

強調したい情報は動画の最初に提示したり、場面の切り替わり後のタイミングで登場させたりと工夫するとよいでしょう。

視聴者がデバイスの向きを変更する瞬間に興味を惹きつけるコンテンツを流す仕掛けは好ましいといえます。

視聴者を引き込む際は巧みな編集テクニックが効果的です。

テンポ感を大切にして、エフェクトやBGMを加えて途中で飽きさせないように配慮します。

テロップは色や大きさ、背景とのコントラスト、位置にも気を配りましょう。

目的の明確化

予定、目的、ストラテジー画像

パノラマ動画を制作して、達成したい狙いを明確にする必要があります。

通常の広報動画ではなく360度型の映像コンテンツにすべき理由を、客観的に説明できる状態を目指すことがコツです。

認知度の拡大や来場客の増加、ブランド力の向上など動画を活用して成し遂げたい成果を思い描きます。

パノラマ動画は高い集客効果を期待できるコンテンツですが、その分魅力的な企画の立案や編集に工数がかかる傾向があります。

明確な目的を定めることでクライアントや制作チームが協働で作業する際の指針が得られるでしょう。

配信環境の調整

視聴者の閲覧環境を意識した配信設計が求められます。

  • デバイス:スマートフォンかPCか
  • コンテンツの内容:パノラマ動画かVRか

リアリティを追求した映像を求める場合はVRが好ましいコンテンツですが、視聴者に専用のゴーグルを準備する負担が発生します。

また動画ファイルの容量が大きいと読み込みに時間がかかり、再生速度の遅延を引き起こしかねません。

臨場感と没入感が大事なパノラマ動画の視聴が中断すると視聴者は多大なストレスに見舞われます。

視聴者の閲覧環境次第ではパノラマ動画が再生されない可能性があることにも留意しましょう。古いスマートフォンを何年も使い続ける方や、非対応のブラウザを使用中の方は、設定の変更や機種変更の負担が伴います。

エンコーディングや圧縮を面倒がらず丁寧に行うことが大切です。

パノラマ動画を活用して自社の商品やサービス、イベントを宣伝したいとお考えの方は、ぜひFunusualにご相談ください。

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競合調査の実施と業界の特色の把握によって、差別化につながる上質なパノラマ動画を制作いたします。

ご興味をお持ちの方は、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。

パノラマ動画の活用事例

ビジネスマンとアイデア

疑似体験に適したパノラマ動画の主な活用シーンは展示会やイベント、Web見学会、商品や施設の紹介です。

それぞれ具体的な活用方法や効果を紹介します。

展示会やイベント

展示会やイベント会場の様子をパノラマで撮影すれば、実際に来場していない方でも疑似体験ができます。

人数制限や突発的な用事の影響で参加できなかった方が、実際に来場したかのような体験を提供できることが魅力です。

限られた関係者や著名人のみが参加できる場面は、一般視聴者にとっても高い関心を集めます。

特別なイベントの様子をパノラマ動画に公開することで、エンゲージメントの向上につながります。

Web見学会

物件の内見や現地説明の代替としてWeb見学会を開催する使い方も代表的です。病気や看病、介護などの都合で現地説明に参加できない方に向けたコンテンツに活用できます。

購入や参加を迷う方に内情を一部分だけ公開し、現地見学に誘導する導線作りに効果的です。

工場の製造工程や危険が伴う施設の様子をパノラマ動画に収めて認知度の向上を狙うことも可能です。

商品や施設の紹介

パノラマ動画は商品の使い方や施設の雰囲気を具体的に伝える際にも力を発揮します。

キャンピング用品や調理器具を使用した風景を映像に収めることで、視聴者は自分が使ったときの使用感を思い浮かべられます。

ネットショッピングの現物を見たり触れたりできない懸念点を解消できる訴求方法です。購入後に後悔したと感じる割合を減らせるでしょう。

ほかにも旅館やホテル、介護施設などの長期滞在が伴うサービスの訴求に適しています。

利用者が重視する居心地のよさや設備の充実度を事前に確認して後悔しない判断につながるためです。

旅行の宿泊にかかる費用の負担は決して小さくありません。旅館やホテルの利用を検討される方は複数の選択肢を比較し、慎重に選定する傾向があります。

パノラマ動画はユーザーの不安を解消して、実際に足を運びたくなるような訴求力が高いコンテンツです。

ここまで読んで、パノラマ動画の活用方法のイメージは湧いてきたでしょうか。自社の商材にどのように活用できるかお悩みの方は、ぜひFunusualにご相談ください。

私たちはさまざまなBtoB企業の動画制作に携わった経験をベースに豊富なノウハウをもち合わせています。

特にイメージを作品に落とし込む具現化力が強みです。動画制作が初めてで不安を覚える方は、ぜひお気軽にご相談ください。

パノラマ動画の具体的な成功事例

成功事例

パノラマ動画は、体験型の訴求を重視する商材やシーンに適しています。いくつか具体的な成功事例を紹介します。

富士屋不動産山本は保有物件のバーチャル内見を映したパノラマ動画を公開しました。

住処を探す方にとって現地に足を運ばず隅々まで確認できる動画は大きな利点です。

不動産企業側も無駄な問い合わせを防ぐ効果があり、取り入れるところは少なくありません。

YouTubeチャンネルのブライトサイトは「家にいながら世界中を旅する!」をキャッチコピーに世界各地の観光名所を映したパノラマ動画を公開しました。

コロナ禍により旅行が制限された時期には、自宅にいながら旅行気分を味わえる動画への需要が高まりました。

立体的に観光地の魅力を発信することで、戻りつつある観光ニーズの受け皿になるでしょう。

ほかにもパノラマ動画は音楽ライブやスポーツ観戦、バーチャルツアーなどの配信と相性のよさが特徴です。

例えば神田明神は厳かな神社の内部を閲覧できるパノラマ動画を公開しました。

広大な境内に自分自身が入り込んだような没入感と臨場感を味わえる映像です。

体験を提供できるパノラマ動画の制作でターゲットに訴求するなら

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体験型の新しいコンテンツの形式であるパノラマ動画は、今後、さらなる活用シーンの拡大が見込まれます。

一方でターゲットの心を動かす訴求力の高い映像コンテンツに仕上げることは容易ではありません。

「イベントや商材の宣伝にパノラマ動画を使いたいけど難しい……」とお考えの方は、ぜひFunusualにご相談ください。

企画から撮影、編集にいたるまで一貫したサポートを行っているため、お客様の手を煩わせることはありません。

数々のクライアントワークで身に付けたノウハウを武器に、商材の特徴や強みが伝わる訴求力が高いパノラマ動画を制作します。

少しでも興味がある方は、次のリンクから無料相談にお気軽にお申し込みください。


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