アプリプロモーション動画はアプリの機能や操作方法の説明を目的に作られる動画です。使用シーンをコンテンツの一部にできるため、使い方が難しくてもわかりやすく伝えられます。
ダウンロードページの遷移もしやすく、アプリの普及や利用促進につながるうえ、繰り返し利用できる便利なものです。
本記事はアプリプロモーション動画の制作方法や費用対効果を高めるポイント、活用方法を解説します。
自社開発のアプリのマーケティングを成功させたい担当者の方はぜひご一読ください。
アプリプロモーション動画の制作方法
アプリプロモーション動画を制作する際の手順は次のとおりです。
- ヒアリング
- 企画・構成
- 撮影・制作
- 動画編集
- 公開
企業紹介動画や採用動画と大まかな流れは変わりません。各ステップの具体的な作業および特に注意が必要なポイントを解説します。
ヒアリング
制作会社の担当者が依頼主に対して、アプリの提供価値やターゲット、伝えたいメッセージを聞き取ります。競合との差別化を意識した質問を投げかけられるケースが一般的です。
担当者はヒアリングに基づき、効果が見込まれる動画のテイストやマーケティング戦略を提案します。
機密情報に抵触しない範囲で積極的に情報を提供する意識が大切です。
こだわりや想いだけでなくユーザーにもたらすベネフィットにも触れると、質の高いプロモーション動画の制作につながります。
企画・構成
次はストーリーの企画や動画の内容を定義する企画と構成です。何をどのような順番で見せるのか、音声と映像の両面において具体的にします。
テキストでストーリーを記述した台本や、イラストやグラフィックの配置を示した絵コンテを作成する場合もあります。
企画と構成の成果物は制作メンバー全員に共有され、次の撮影や編集のベースとなる資料です。
このため、アプリプロモーション動画のプロジェクトが失敗しないための重要な工程です。
情報を詰め込みすぎずにメッセージを絞って訴求すると、視聴者の心に響き、行動の喚起に結びつきます。
撮影・制作
前段で準備した成果物を参考に、プロモーション動画の基礎となる映像の調達に入ります。実写版の場合はロケハンやキャスティング、スタジオの確保が必要です。
手戻りはコストの増加を引き起こすため、詳細なスケジュールを立てて計画的に行われます。一方アニメーション動画の場合は、室内環境で制作が進められるケースが一般的です。
絵コンテのもと、編集ツールを用いてキャラクターやその他のグラフィックを形作ります。
動画編集
撮影した素材を一本につなぎ合わせ、加工を施して魅力度を高めていく工程です。不要部分のカット、音声素材の挿入、テロップの追加、BGMや効果音の挿入などの作業が発生します。
ナレーターに頼んで作成した音声素材やインタビューの音源を融合する場合も珍しくありません。
視聴者に飽きを感じさせず、最後まで興味を惹き付けるためには動画のテンポが重要です。
BGMや効果音は間延びなく、イラストは適切なタイミングで登場させることが基本です。
テロップは一行あたりの文字数や行数にルールを設け、ちぐはぐな印象を与えない編集テクニックが求められます。
公開
できあがった動画をSNSやWebサイト、アプリストアに公開します。プラットフォームごとに規定されたサイズや拡張子への変換を忘れずに行いましょう。
プロモーション動画は、アプリの魅力を存分に伝えるため画質のよさが重要な要素です。
少なくてもHD、多くの場合はフルHDや4K動画が喜ばれるでしょう。アプリプロモーション動画は公開後に放っておいてはいけません。
モニタリングと効果測定を行い、単位期間ごとの視聴回数や離脱率、リアクションの数を把握する活動が伴います。
アプリプロモーション動画の企画と構成の考え方
アプリプロモーション動画は、単に機械的に操作方法や機能を解説するだけでは十分とはいえません。一方で、ユーザーにとって使い方や特徴を理解しやすい構成も重要な要素のひとつです。
そのため、企画と構成では、ストーリーテリングやビジュアル演出にこだわりながら、必要に応じて操作説明も効果的に盛り込むなど、目的に応じた設計が求められます。
ここでは、ユーザーの興味を引き、理解を促すために押さえておきたい設計の考え方をご紹介します。
メッセージを明確に伝えるストーリー作り
動画制作の背景には「画期的なサービスを世の中に浸透させたい」「利便性を知ってほしい」などの開発元の想いが隠れています。
それらをストーリーを通して視聴者に印象付ける必要があります。
企画・構成がユニークな動画は共感を得やすく、見た者の心に深く刻み込まれるためです。しかし単に内容がおもしろく、視聴後に楽しかったと感じさせるだけでは不十分です。
視聴者の気持ちに焦点を当てて、課題感を刺激する物語を作る意識をもちましょう。
また視聴後のユーザーに求めるアクションの明確化も極めて重要です。
今すぐ商品を購入してほしいのか、関係性の構築を優先して認知を獲得したいのか、動画の提供によって期待する行動は各々異なります。
アクションの明確化は動画の軸を作り、コンテンツにぶれを出さないために役立ちます。
ブランドイメージと一貫性を保つビジュアル設計
動画に入れるキャラクターやグラフィックは、ブランドイメージと一貫性を保つことが大切です。
企業の世界観やブランドが与える印象とコンテンツがマッチしないと、視聴者はちぐはぐした印象を抱くためです。
商品の販売促進どころか企業のイメージを失墜させる可能性すらあります。動画のビジュアル要素の一貫性を保つためには、ブランドガイドラインの策定が効果的です。
ガイドラインには下記に列挙した要素の使用ルールが定められています。
- ロゴ
- カラー
- フォント
- レイアウト etc
ブランドガイドラインはアプリプロモーション動画に限った資料ではなく、Webサイトやイベント、SNSの企画考案の際にも用いられます。
企業やブランドに統一のデザインルールがない企業は、この機会に準備を検討すると後々役に立ちます。
動画コンテンツに盛り込む要素の整理
一つの動画に情報を詰め込むのは得策ではなく、むしろわかりやすさの観点では悪手です。内容を取捨選択して、ユーザーが求める事柄に絞って訴求する心がけが求められます。
要素の整理に効果的なフレームワークは、MECE(ミーシー)です。
漏れなくダブりなくの意味を表し、端的にいえば情報の分類の際は抜け落ちや重複をなくすために用いられます。
アプリプロモーション動画を例に挙げると、操作方法や商品の特徴、事例および使用シーンの訴求は原則的に必要です。
ほかにもブランドの創立秘話や開発ストーリーなどを含むべき判断が下される場合があります。
動画に入れる情報を精査する過程で、ある要素に触れる際に別の要素を含めてしまわぬよう、注意が必要です。
アプリプロモーション動画の重要性とマーケティング効果
アプリの宣伝にわざわざ費用をかけて動画を制作すべきか、首をかしげる方は少なくありません。
この章ではアプリプロモーション動画の重要性とマーケティング効果を詳しく解説します。
テキストや画像と比較した動画の訴求力
動画は情報量が多くリッチな表現が可能なことから訴求力が高いコンテンツです。
視聴者の印象を操作する作用は、画像やテキストでは足元にも及ばないと考えてよいでしょう。
一般的に1分間の動画は3,600ページのWebページに匹敵する情報力をもつといわれています。
さらにテロップの活用やアニメーション、BGMや効果音の音出しなどさまざまな表現技法を取り入れられます。
情報量が豊富だからこそ視聴者を惹き付けるストーリーを作り、単なる機能の説明にとどまらない価値を提供できるのです。
アプリ導入促進やリード獲得への貢献
動画にアプリのダウンロードページを入れ込むと、導入促進やリード獲得の効果を発揮します。
最後まで観終わって心を動かされた方は勢いで購入の決断を下すことが珍しくありません。
また、ブランドのイメージが向上して商品に興味が高まったユーザーは、リードに育成する価値があります。
高い訴求力を活かしてその場でコンバージョンを狙う戦略を狙える点はアプリプロモーション動画の特徴です。
YouTubeに動画をアップロードする場合、摘要欄に誘導リンクを貼るのも重要な行為です。
BtoBマーケティングにおける動画の役割
BtoBマーケティングの推進を考える際に動画の価値が高まりつつあることも、アプリプロモーション動画の制作意義です。
情報過多の時代にあって、簡潔かつ短時間にリサーチを完結できる動画は貴重です。
忙しいビジネスパーソンは市場の調査やインサイトの把握などほかにも膨大なタスクを抱えています。
BtoBマーケティングに動画を活用しないと、潜在的な顧客との接点を失い、競合に後れを取る一因を形成しています。
動画制作前に押さえておきたいマーケティング戦略と目的設定
動画マーケティングで効果を出すためにはペルソナの具体化とKPIの設計が肝です。
前者はオリジナリティを増す際に重要、後者は公開後に改善を目指すうえで大切になります。
それぞれの気を付けるべきポイントは次のとおりです。
ターゲット企業や担当者のペルソナ設計
ターゲット企業の担当者の顔がイメージできる程度に具体的なペルソナの設定を目指しましょう。
性別や年齢、職業、年収以外にも、趣味や性格、行動パターンにいたるまで深く分析します。
緻密なペルソナ設計の理由は、視聴目線に立ってユーザーニーズがわかるためです。
行動パターンや興味を抱くコンテンツを特定して、ターゲットがおもしろいと感じる動画の制作に活かせます。
定量調査や定性調査を実施したうえの、感覚に基づかない根拠に基づくイメージが重要です。
KPI設計と成果測定のポイント
KPI(重要業績評価指標)の設計の際は目的に沿った指標の選別が必要です。アプリプロモーション動画の制作で解決が期待できる自社の課題を明らかにします。
コンバージョンの獲得が目的なら、クリック率やコンバージョン率の測定が欠かせません。
設定するKPI如何で適切なプラットフォームや表現技法に差異が生じるため、ビジネス上の課題との一貫性は極めて重要です。
公開してすぐに目標が達成されるケースは稀です。ツールを導入して達成度を定常的に可視化するとともに、未達の指標を改善するために改善に励む必要があります。
KPI設計と成果測定は基本的な事柄ながら、成功させるには専門的な知見が求められます。
動画マーケティングの経験に乏しく、自社でプロ人材を確保できない懸念がある方は外注の利用を検討しましょう。
Funusualはクライアント様のニーズに応じた制作を第一に考え、一人ひとりのお客様にオーダーメイドの動画を提供しています。
数多くの案件で培った経験に基づき、業界ごとのノウハウを持ち合わせています。
アプリプロモーション動画に欠かせない、緻密なペルソナ設計の相談にも応じられる体制です。
興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
配信チャネルごとの特徴と活用方法
アプリプロモーション動画は各種SNSやアプリストア、展示会など複数のタッチポイントが挙げられます。配信チャネルごとの特徴と活用方法は次のとおりです。
YouTubeやLinkedInなどBtoB向けチャネルの活用
TwitterやInstagramではなく、YouTubeやLinkedInといったBtoB向けのSNSを活用する方法です。
プライベートな情報を遠ざけてビジネスに直接役立つ情報を得たいというニーズから、アカウントをもつビジネスパーソンは少数ではありません。
リアルの人的つながりを背景に信頼性の高い情報が得やすいことも特徴です。
自社のアカウント上にアプリプロモーション動画を公開する方法のほか、有料広告機能を使用したマーケティングが考えられます。
SNSは広範なユーザーにアプローチでき、認知拡大やブランドイメージの向上を目指す場面に適切です。
アプリストア内動画の効果的な活用方法
Google playやApp Storeのアプリ紹介ページに動画のURLを掲載する方法です。
ダウンロード直後のユーザーに使用方法をわかりやすく伝えられるため、設置を検討される企業は多数です。
アプリストアの動画は、使用するか迷っている方に向けて魅力を押し出す際にも力を発揮します。
ダウンロードページの画面上で動画を視聴する方は少なからずアプリに興味を抱き、情報を保有している状態です。
したがって魅力的なコンテンツを目の当たりにすれば「まずはお試しで使ってみよう」と背中を押される可能性は高めです。
展示会や営業資料での動画活用
展示会や営業資料にQRコードを掲載して、持ち帰った参加者にアクセスかつダウンロードさせる方法です。
アプリのプロモーションと聞くとオンラインの手法を想像される方が多数です。
しかしオフラインによるアプローチが可能なことは、多様なチャネルを駆使したい現代のマーケティングに必要な知識だといえます。
普段積極的にスマートフォンを利用しない老年世代の方向けや地域密着型のサービスの普及に効果的です。
イベント会場に専門スタッフを配置して、来場者に声かけやダウンロードの操作代行といった案内をさせる方法も効果的です。
BtoB向けアプリプロモーション動画の成功事例
初めてBtoB向けのアプリプロモーション動画の制作に取り組む方は、過去の他企業の成功事例を参考にしましょう。
特に効果的にマーケティングに活かした事例を紹介します。
KAKEHASHIのMusubi:業務効率化を訴求したプロモーション動画
KAKEHASHIのMusubiは、薬局経営をデジタルの力を活用して推進するDXクラウドサービスです。
アプリによる服薬のフォローや来客の促進、経営指標の分析、ガバナンスの強化が可能です。
Musubiはサービスサイト上に導入薬局の管理者に対するインタビュー動画を多数公開しています。さまざまな動画で語られている特徴は分析機能による業務効率化です。
スタッフ間で数値を見る指標が習慣化され、連帯感の形成に役立ったと喜びの声を挙げるユーザーもいます。
splashtop:テレワーク導入を支援するアプリのプロモーション動画
splashtopは、手元のデバイスから異なる端末へのリモートアクセスを可能にするサービスです。
トライアルの申し込み手順の解説動画やお客様から寄せられた声のとりまとめ動画のほか、気になる疑問に答えるQ&A形式のコンテンツを公開中です。
リモートアクセスツールの選び方やおすすめ製品、おすすめしたいデスクトップ環境など関連情報の動画も充実しています。
上記はピックアップ動画のカテゴリにまとめられ、アクセスした方に幅広い情報を提供しています。
Webサイトに複数種類の動画を埋め込みたいとお考えの方は、とりわけ参考にするとよいでしょう。
DiDi:タクシー広告を活用したアプリのプロモーション動画
配車アプリのDiDiは、タクシー広告を主な配信チャネルとして、アニメーションによるプロモーション動画を展開しました。
乗客の目に留まりやすいよう、昔話のキャラクターを現代風にアレンジしたユーモラスなストーリーを構成しています。
また、シンデレラやウサギとカメといった親しみのあるモチーフを通じて、アプリの使いやすさやメリットを自然に伝えています。
移動中の短い視聴時間でも印象に残るテンポや演出が工夫されており、動画広告とタクシー広告の相性をうまく活かした成功事例といえるでしょう。
FunsualはBtoBに特化した動画制作エージェンシーとして、多種多様な業界のプロモーション動画の制作を請け負ってきました。
代表的な作品はAOKIのPR映像「いざ、成人式へ。」や、SoftBank子会社に向けたブランディング動画と展示会動画です。
上質なアプリプロモーション動画がほしいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
費用対効果を高めるための運用と改善方法
限られた予算の範囲内で動画マーケティングの効果を向上させる勘所は運用と改善です。
重要な手法であるA/BテストとPDCAサイクルのやり方を解説します
A/Bテストを活用したクリエイティブ改善
A/Bテストは効果がわからない段階で二つの改善案をお試しで導入して、成果が高い方を採用する方法です。
主にタイトルやイラスト、その他のクリエイティブの改善に用いられ、ユーザーのリアクションがわかるメリットがあります。
テストを実施する際の注意点は測定期間を定めること、対象のデータ項目を一つに絞ることです。
一度にアイキャッチ画像とタイトルの変更を同時に行うと、変化がみられてもいずれが原因か判断できません。
複数の項目で何度もテストすると考えると十分な回数が必要です。
ユーザーの声を取り入れたPDCAサイクル
動画マーケティングでは、Plan→Do→Check→ActionのPDCAサイクルが鍵になります.。
KPIを測定して未達のときは、改善策にユーザーの声を反映させると劇的な効果を期待できます。
アプリストアの出品ページのコメント欄に寄せられたお客様の声やアンケートの結果を施策の参考にしましょう。
ユーザーの意見を取り入れる際に重要なポイントは、よい内容ではなく不満点や懸念事項を率直に記載してもらうことです。
顔を見合わせると遠慮すると考えられるときは、オンラインのアンケートや覆面形式のインタビューが挙げられます。分析の結果から法則を導き出すためには数が重要です。
最低でも100件というように数値目標を掲げてから収集に乗り出すと、無駄なリサーチの継続を防げます。
アプリプロモーション動画の制作や運用で悩んだら
本記事ではアプリプロモーション動画の制作や運用のポイントを解説しました。
全体の方向性を打ち出す、企画や構成が大切です。自社のサービスは熟知していても動画マーケティングの知識は乏しい場合はあります。
アプリプロモーション動画の制作を検討中の方は、ぜひFunusualにご相談ください。
担当者のディレクション力は、大手のクライアント様からも満足の声が寄せられています。動画やマーケティングの知識が不足していても、安心感を持ってご依頼いただける環境です。
まずはお気軽にご相談ください。