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動画制作に重要なヒアリングシートとは?8つの設問項目や記入のコツを解説

動画制作を考え始めたとき、何から準備すればよいのか迷う方が少なくありません。

「プロに丸投げして思い描く動画が作れるのか」「うまく自社の意図を伝えられるのか」と漠然とした不安がつきまとう場合もあるでしょう。

そのような不安を解消するのが、ヒアリングシートです。制作会社とのやりとりをスムーズにするためのもので、ヒアリングシートの設問に沿って答えると、動画制作の方向性が整理されていきます。

この記事では、ヒアリングシートに盛り込まれる基本項目や記入時のコツ、効果的な活用法を解説します。動画制作を検討している方はこの記事を参考にしてみてください。

動画制作に重要なヒアリングシートとは

資料
動画を外部に依頼する際、完成後のイメージをどこまで共有できるかが仕上がりに大きく影響します。

制作会社に意図を正しく伝えるには、依頼者側の準備が欠かせません。

その準備に役立つのがヒアリングシートです。目的やターゲット、予算などの情報を事前に整理しておけば、打ち合わせもスムーズに進むでしょう。

なかでも動画の構成や演出の方向性を決める段階で、ヒアリング内容は重要な判断材料になります。

具体的な回答があると構成案を作りやすく、全体の進行にも無駄が出にくくなります。結果的に、イメージどおりの動画をスピーディに仕上げることができるでしょう。

ヒアリングシートで設定される8つの設問項目

バインダーを持つ女性
動画制作を依頼するにあたって、「どのように情報を整理すればよいのかわからない」と感じる方もいるでしょう。

ヒアリングシートには、目的やターゲットなどの基本的な設問が用意されています。記入していくうちに考えが整理され、初めての依頼でも構成の見通しが立てやすくなるのが、このシートの特徴です。

ここでは、8項目の内容を順番に見ていきましょう。

動画の狙いと期待している効果や成果

最初に確認しておきたいのが、動画で何を達成したいのかです。目的や狙いがあいまいなままだと、完成した動画が本来伝えたかったメッセージとずれてしまう恐れがあります。

制作者にとっても、方向性が見えないまま構成や演出を決めるのは難しく、結果的に手戻りやコストの増加につながりかねません。

ヒアリングシートのよくある目的の例は、商品やサービスの魅力を伝えたい、認知度を20%向上させたいなどが挙げられます。

目標が明確であれば、制作会社は構成案や演出を提案しやすくなります。また、数値で示せる目標があると、制作後の効果も評価しやすくなるでしょう。

ターゲットとテーマの設定

動画を誰に届けたいのか、伝えたいテーマは何かを決める項目が設けられています。

この2点が明確になっていないと、メッセージが伝わりづらく、印象に残らない動画になる可能性があります。

ターゲットは、年齢や職業、立場などをできるだけ具体的に絞り込みましょう。例えば20代の就活生、現場の作業員など、イメージで設定しておくとよいでしょう。

また、伝えたい内容をあれもこれもと盛り込むのではなく、特に強調したいポイントを1〜2点に絞ると伝わりやすさが格段に上がります。

動画の中心に据えたいメッセージやテーマが明確になると、構成や演出に一貫性が生まれ、視聴後の反応も得やすくなるでしょう。

ストーリー構成

ストーリーのブロック
ヒアリングシートでは、動画全体の流れや情報の順番などについて希望を伝えることができます。

この段階で映像の見せ方がある程度明確になっていると、制作会社も具体的な構成を組み立てやすくなります。

すべてを決める必要はありませんが、動画のなかでどこを印象づけたいのか、伝えたい順序のイメージを持っておくことが大切です。

例えば、冒頭で課題を提示し後半で解決策を紹介する構成や、最後にメッセージを強調する演出なども検討できます。

伝える順番次第で印象は大きく変わるため、強調したい場面を整理して共有しておきましょう。

イメージする映像や音声

ヒアリングシートでは、イメージする映像のスタイルやナレーション、BGMなどの希望も共有できます。

映像スタイルとして、実写やアニメーションなどがあるでしょう。言葉だけでは伝えにくい部分も、映像や音の具体例があればイメージのズレを防ぎやすくなります。

特に初めて制作を依頼する場合には、参考になる見本動画をあらかじめ探しておくと、打ち合わせがスムーズに進むでしょう。「このような雰囲気で作ってほしい」と伝える材料をそろえておくと、制作会社も方向性をつかみやすくなります。

演者とロケ地設定

出演者や撮影場所も、動画の印象を左右する大切な要素です。どのような方が、どこで話すのかが内容と合っていないと、視聴者に違和感を与えてしまいます。

例えば、出演者に自社の社員を起用するのか、ナレーションのみで構成するのかを明確にしておくとよいでしょう。

撮影場所も、自社オフィスや工場など、伝えたい雰囲気に合った場所を選ぶと印象がまとまりやすく効果的です。

希望する内容は、以下のように整理しておくとスムーズです。

  • 出演者:社員・インフルエンサー・ナレーターなど
  • ロケ地:屋内・屋外や自社施設の使用有無
  • ロゴやキャラクターの使用予定

あらかじめ候補を出しておけば、スケジュール調整や見積もり作成も進めやすくなります。

動画の尺と本数

動画再生
動画1本の長さや、制作したい本数をあらかじめ考えておくと、構成や見積もりの見通しが立てやすくなります。

視聴者の集中が続く時間や、配信する媒体の特性を意識することがポイントです。30秒・90秒・3分以内など、再生時間の目安を伝えておくと編集方針が決まりやすくなります。

また、本編に加えて短いバージョンを作りたい場合や同じ映像を別動画にも使いたい場合は、その旨を明記しておきましょう。

情報が多いときは、複数の動画に分ける方法もあります。

納期のスケジュール

納品希望日が決まっている場合は、できるだけ早い段階で伝えておくことが大切です。

制作会社は、納品日から逆算して撮影や編集のスケジュールを組むことになります。

展示会や新サービスの公開日が決まっている場合は、余裕のある日程設定が欠かせません。一般的には、企画から納品までに2〜3ヶ月ほどかかると考えておくとよいでしょう。

以下のような点をあらかじめ整理しておくと、打ち合わせもスムーズになります。

  • 希望納期とその理由(例:展示会日程)
  • 社内確認や修正に必要な日数
  • 試写・修正の希望タイミングや回数

撮影の手配や調整に時間がかかることもあるため、日程に余裕を持って計画を立てましょう。

予算

制作にかけられる予算の範囲も、最初に共有しておきましょう。費用感が不明確なままだと、仕上がりとの間にギャップが生じやすくなります。

例えば300,000円以内や300,000~500,000円など、目安となる価格帯を伝えておくと、制作会社も適した提案がしやすくなります。

また、映像のクオリティや撮影日数など優先したい要素がある場合は、合わせて記載しておきましょう。

以下の点を整理しておくと、打ち合わせがスムーズになります。

  • 希望予算と根拠
  • 映像の優先ポイント
  • 納品形式や動画の本数
  • 解像度や字幕の有無などの希望

事前に社内で上限額を確認し、必要があれば制作会社のWebサイトで相場を調べておくとよいでしょう。

ヒアリングシート作成から納品までの流れ

ステップのブロック
ヒアリングシートを提出した後は、納品までいくつかの工程を順を追って進めていきます。

全体の流れをあらかじめ把握しておくと、初めて依頼する場合でも落ち着いてやりとりできるはずです。

基本的な流れは次のとおりです。

  • ヒアリングシートの記入・提出
  • 打ち合わせ(目的や表現の方向性の確認)
  • 制作会社からの構成案・絵コンテの提案と共有
  • 撮影・編集作業の実施
  • 音声・MA(マルチオーディオ)編集の実施
  • 仮納品(試写)と修正対応
  • 本納品(希望形式でのデータ受け渡し)

このプロセスのなかで依頼者側には、社内での原稿チェック・素材の提供・スケジュール調整・内容確認などの作業が発生します。

社内での確認後に修正が必要になることもあります。修正には追加費用がかかる場合もあるため、対応可能な範囲を事前に確認しておきましょう。

また、納品形式やファイル仕様が社内で使いやすい形式になっているか早めに確認しておくと、再変換や再編集といった余計な手間や納品遅れを防げます。

ヒアリングシート記入のコツ

動画のポイント
ヒアリングシートは、うまく活用できれば制作工程もスムーズになり、仕上がりの質も高まります。

記入時に押さえておきたいコツを意識しておくと、制作会社が要望を正確に汲み取りやすくなり、無駄なやりとりを減らすことにもつながるでしょう。

ここでは、3つのポイントを紹介します。

具体的に詳しく記載する

ヒアリングシートでは、「これで伝わるだろう」と感覚的に記述する傾向にあります。

しかし、そうした記述では制作会社が意図を正確に汲み取れず、やり取りに時間がかかることもあるでしょう。

例えば「スタイリッシュな動画にしたい」といった表現のみでは、制作側の解釈にばらつきが生まれてしまいます。

「青と黒を基調にした画面構成で」「テンポの速いカット編集がよい」など、見た目や演出を具体的に示すと、ズレを防ぎやすくなるでしょう。

また、「認知度を半数以上に高めたい」など数値目標があると、動画の方向性が定まりやすいのでおすすめです。

仕上がりをイメージしながら、なるべく詳細に記入しておくことが効果的です。

取り上げたい内容に順位を設ける

順位のブロック
動画で伝えたいことがたくさんあっても、限られた尺のなかにすべてを詰め込むと印象が薄れ、記憶に残りにくくなります。

そのため、どの情報を優先的に伝えたいかはっきりさせておくことが重要です。

優先順位が明確だと、構成案も組みやすくなり、納期や予算の兼ね合いで取捨選択が必要になったときも判断しやすくなります。

また、伝えたい情報に強弱があると、動画全体にメリハリが生まれます。内容をすべて盛り込むよりも、伝えたいメッセージを絞ることで、視聴者の記憶にも残りやすくなるでしょう。

定められた項目には全部表記する

ヒアリングシートを記入するとき、「とりあえずわかる部分だけ書けばよい」と考えて、空欄を残してしまうケースは少なくありません。

しかし、未記入の項目があると未定なのか記入漏れなのか判断できず、確認の手間が増えてしまいます。

たとえ決まっていない内容があっても、「出演者は検討中」「撮影場所は本社内を予定」など現在の状況を書いておけば、制作者側も提案を考えやすくなります。

すべての項目を一度埋めておくことで手戻りが減り、制作のスピードも上がるでしょう。

Funusualでは、ヒアリングシートの内容を丁寧に読み取り、たとえ情報が未確定でも方向性を見極めて企画や演出案を提案しています。

BtoB領域に特化した制作実績が豊富で、まだイメージが固まっていない状態でも、プロジェクト事例や競合他社へのリサーチをもとに具体化をサポートします。

絵コンテや見積もりは無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

ヒアリングシートで動画をより効果的にするポイント

ポイントのこけし
ヒアリングシートを上手に活用すると、動画の完成度をさらに高めることができます。記入前に社内で準備しておくとよい点を、6つにまとめました。

これらのポイントを意識すると、制作会社にも意図が伝わりやすいシートが作成できます。

社内で動画作成の意思を固めておく

動画制作を依頼する前に、社内で動画作成の目的や方向性、関わる部署をはっきりさせておきましょう。

準備が整わないまま動画制作を始めると、撮影後や編集の段階で、「採用向けの内容に変えたい」「営業資料にも使いたい」などの方向転換が生じる可能性があります。

方針がぶれると撮り直しや再編集が必要になり、追加コストや納期の延長につながりかねません。

事前に関係者を集め、目的や運用方法、完成イメージについて意思を統一しておくことがトラブル防止にも役立ちます。

動画の目的を確認する

目的のブロック
どのような種類の動画をつくるにしても、何を達成したいのかという目的が、構成のになります。

目的があいまいなままだと、構成や演出の方向性が定まらず、意図しない仕上がりになってしまうかもしれません。

「CV率を上げたい」「SNSフォロワーを増やしたい」「展示会で繰り返し流したい」など、目的が明確になっていれば、制作会社も提案しやすくなります。

さらに使用シーンも整理しておけば、構成や長さの検討に役立つでしょう。

動画でのイメージを固定化する

制作を始める前に、希望する動画の雰囲気を社内で共有しておくのが、方向性のブレを防ぎやすくする方法です。

ナチュラルといった抽象的なイメージは、グリーン系の背景や屋外の自然光など、映像が思い浮かぶキーワードを用いて具体化すると伝わりやすくなります。

配色やテンポ感も、できるだけ言語化したり、希望するスタイルに近い動画を見つけてURLを共有したりすると認識のずれを防げます。

視覚的な印象をすり合わせておくことで、構成や演出の提案も精度が上がるでしょう。

情報の整理は余裕をもって行なう

ヒアリングシートの記入には、社内でのすり合わせや確認作業が必要で、想定以上に時間がかかることがあります。

提出直前に慌ただしく準備を始めると、内容があいまいになったり、伝えたいことが十分に書ききれなかったりする原因にもなります。

確認や追加修正に手間取ると制作に十分な時間がかけられず、品質に影響が出るかもしれません。

情報の整理は、焦らず進められるタイミングで始めておくのが理想です。時間に余裕があれば、伝えたい内容も整理しやすくなります。

配信媒体を選んでおく

いいねのイメージ
動画をどこで配信するかによって、動画の尺や構成の方針が変わってきます。利用する媒体に応じて、効果的な動画の長さや視聴者層が決まってくるためです。

主な媒体と尺の目安は以下のとおりです。

  • Webサイト:1~2分
  • SNS(Instagram・X):15~60秒
  • YouTube:1~3分
  • 展示会やイベント:3~5分
  • 営業・商談ツール:1~2分

社内で使用シーンを選んでおきましょう。どう使うかが決まっていれば、制作会社も適切な構成を提案しやすくなります。

イメージに近い動画を持参してみる

「こんな雰囲気で作りたい」というイメージがあるなら、参考になる動画を提示しておくのがおすすめです。

口頭や文章だけでは伝えにくい印象も、実際の映像があれば共有しやすくなるでしょう。

すべてが理想の動画でなくても構いません。色合いやテンポ感、ナレーションのトーンなど、一部だけでも近い要素があれば参考にできます。

気になる表現や演出を集めておけば、制作会社の提案にも幅が出てきます。

自社のロゴやキャラクターを活かした演出のアイデアを考えておくと、自社らしく、コスト面でも無駄のない動画制作につながるでしょう。

ヒアリングシートを用いた打ち合わせの注意点

注意点
ヒアリングシートを提出した後、打ち合わせで「わかってもらえるのか不安」「細かく聞かれたらどうしよう」と感じることもあるかもしれません。

しかし、打ち合わせでは制作会社がシートの内容をもとに丁寧に確認を進めます。すべてを決めておく必要はなく、迷っている点や未確定の部分があれば正直に伝えて問題ありません。

社内であらかじめ情報の優先順位や確認ポイント、記載内容の背景を整理しておくと、やりとりがスムーズにいくでしょう。

打ち合わせの際の話し方も5W1Hを意識すると、シートに書ききれなかった部分が伝わりやすくなります。

それでも方向性に不安が残るときは、その悩みを制作会社に相談してみるのもよい選択です。Funusualは、こうした初期段階の相談にもじっくり向き合います。

BtoB企業の商材や業界構造を理解したうえで、まだ定まりきっていない要望にも丁寧に対応し、整理・言語化をサポートしています。

自社の強みがうまく伝えられない、競合との違いがあいまいになってしまうなどの悩みも、今までの事例やヒアリングを通じて方向性を明確にすることが可能です。

「まだイメージが固まっていないけれど、動画制作を考えたい」という段階でも、どうぞお任せください。

ヒアリングシートは提出後に変更できる?

チェンジのスケッチブック
ヒアリングシートは、提出した後でも内容を見直すことができます。制作の初期段階で希望や意図が決まっていても、制作過程で新たな要望や、よりよいアイデアが生まれることもあるでしょう。

ただし、制作が進んだ段階での大きな変更は、撮影や編集にかかる手間が増え費用や納期に影響が出る場合があります。

社内の方針が変わる場合や新たな要望が出てきたときは、なるべく早めに制作会社に相談するのがポイントです。

修正範囲や追加の作業を一緒に整理してみると、大きな負担にはならないケースもあります。

変更が必要か迷うときも、まずは一度相談してみるとよいでしょう。

ヒアリングシートを活用してイメージに合った動画を作ろう

ポイントを教える女性
ヒアリングシートは、完成度の高い動画をつくるための出発点です。

制作会社とイメージや目的を共有できていないと、完成後に「思っていたのと違う」と感じる原因にもなりかねません。

「なんとなくこんな雰囲気にしたい」で終わらせずに、色・構成・用途などを具体的に考えることが、理想の仕上がりにつながります。

準備に少し手間はかかりますが、そのひと手間が動画の精度を大きく左右するでしょう。

Funusualでは、まだイメージがはっきりしていない段階でも依頼者の意図を丁寧に引き出し、言語化するところからサポートします。

BtoB向けの複雑なサービスや商材でも、業界理解と構成ノウハウをもとに、視聴者に伝わるストーリーと演出を提案します。

「うまく伝えられるか不安」「まとまらないまま依頼して大丈夫?」と感じている方こそ、まずはFunusualにご相談ください。


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