不動産会社が保有物件をPRする動画を作る意義は大いにあります。建物の内観を映し出すことで、視聴者に住んだときのリアルな姿をイメージさせることが可能です。
物件紹介動画はSNSや自社サイトの活用も考えられ、利用シーンがふんだんにある有用なマーケティング手法です。
さらに近年は、バーチャル住宅展示会と呼ばれる、3D空間上の顧客接点が注目を集めています。
不動産会社向けに物件紹介動画のメリットや活用方法、制作方法、効果的な動画を作るポイントを紹介します。
不動産会社で活用される動画の種類
物件紹介動画は不動産会社が取り組む動画マーケティングの一種です。
保有物件のPR以外にも、会社紹介や採用活動に動画を取り入れるとリードの獲得や売上アップに結びつきます。
はじめに不動産会社がいつどのようなときに動画を使えるのか確認しましょう。
物件紹介動画
物件紹介動画は自社が抱える賃貸物件や売買物件の内観や外観を動画に収めて、顧客提案の際に活用するコンテンツです。
部屋の内部や近隣の環境にカメラを向けて、口頭で固有の魅力や特徴を紹介します。
物件紹介動画は平面では伝え切れない立体的な情報を分かりやすく伝える際に効果的です。
カメラを回す撮影者に加えて、室内を案内するナビゲーター役を抜擢するケースもあります。
会社紹介動画
会社紹介動画は主に経営理念やビジョン、事業の紹介に特化したコンテンツです。通常は個別の物件を収めた様子を公開することはありません。
表やグラフを交えた売上や利益の推移、経営者本人による目標の達成度や事業の進捗状況の説明が主たる内容です。
動画のターゲットは顧客ではなく、一般的には外部のステークホルダーとなる株主や提携先企業です。
事業の社会的な価値や財務の健全性をアピールして、資金調達やМ&Aの際に使われるケースが少なくありません。
物件の仲介以外にも複数のサービスを展開している場合、会社紹介動画のなかでサービスや製品を紹介する場合もあります。
採用動画
採用動画はスタッフやオフィスの紹介、社内の雰囲気の伝達に重きを置いた求職者向けのコンテンツです。経営者のインタビューや座談会形式、1日密着取材など多様なパターンが考えられます。
採用動画は採用サイトの文章や画像では伝わりづらい仕事の様子や社内の人間関係をリアルに描写する際に有効です。
事前に求職者向けの情報を外部に積極的に公開しておけば、優秀な人材の獲得やミスマッチの削減に役立ちます。
採用後に「思い描いていた姿と違う」と不満を感じさせないためにも、採用動画では自社のよさのアピールに終始せず、等身大の姿をアピールすることが望まれます。
物件紹介動画のメリット
動画は情報の量や質の観点から紙ベースの資料と比べて優位性がある手法です。一次的な顧客対応をコンテンツに担わせて、人的な業務量の削減に活かせるのも利点です。
不動産業界の企業が物件紹介動画を作成するメリットを詳しく紹介します。
物件の魅力をリアルに伝えられる
物件紹介動画は物件の魅力を効果的に伝えられるマーケティングの手法です。
玄関から中に入って室内を一周する構図で撮影されるため、視聴者はあたかも内見しているかのように実体験に近い感覚が得られます。
通常の物件紹介動画では映像にとどまらず、ナビゲーターによる口頭の説明が加えられます。音声やテロップも考慮すると短時間で莫大な情報を伝えるため、情報量が圧倒的です。
顧客は事前にリアルな雰囲気を確認できることで、内見に進んだときに「イメージと違う」と感じるケースが減ります。
生活のイメージが沸きやすい
物件紹介動画の利点は居住時のイメージが事前に湧きやすいことです。
コンテンツには物件の周囲を歩いて探索する場面が含まれるため、近隣施設の種類や住居との位置関係を把握しやすいといえます。
さらに収納スペースの開閉時や電気のスイッチの切り替え時、カーテンを開閉したときの部屋の様子も映し出されます。
光の当たり方や空間の構造が変わったときの変化が見てとれるため、気持ちよく住める環境か否か具体的なイメージを持てるでしょう。
スタッフの業務を効率化できる
物件紹介動画はスタッフが口頭で顧客に物件の情報を伝える手間や時間を削減します。
賃貸マンションや一軒家を探して不動産会社を訪れた方は、タブレットに映し出される動画コンテンツを視聴して気軽に情報を収集できます。
担当者が一から説明しなくても、物件の概要やおすすめポイントを把握して自分だけで条件に合致する住宅を見つけ出すことも難しくありません。
さらに確認項目が減り内見の時間短縮が期待できるうえに、現地に出向かずに契約を得るケースが増加する利点もあります。
自社サイトやメール経由で問い合わせしたユーザーにシェアする使い方も考えられるため、対面の顧客対応が大幅に減る可能性が高いです。
競合との差別化ができる
物件紹介動画を活用すれば、いまだに動画マーケティングを実施していない競合他社との差別化に役立ちます。
ライバル企業に遅れをとらず、順調に顧客を増やすためには自社独自の強みを見出す必要があります。
口頭の説明が主体の不動産業界において、動画は現時点でメインのマーケティング手法とはいえません。
物件動画や会社紹介動画、採用動画を取り入れる企業は増加傾向にあるとはいえ、コンテンツの見せ方や作り方には工夫の余地があります。
競合にはない自社固有の価値を見出す際に動画の活用は有効です。
不動産会社の物件紹介動画の活用方法
不動産業界の企業が物件紹介動画を活用する方法は一つではありません。
自社のホームページやSNSをはじめ、複数の活用シーンが挙げられます。具体的な活用方法は次のとおりです。
自社ホームページ
企業の公式サイト上に物件紹介動画を掲載して、検索結果から訪れたユーザーに情報を提供する方法です。
物件紹介コーナーのページやセクションを設けて、間取り図や特徴を記したテキストを載せるケースが一般的です。
ホームページに動画を公開すれば、内見や購入を意図した問い合わせの増加に結びつくでしょう。
事前に十分な情報を提供することで、成約につながらない無駄な問い合わせを防げる一面もあります。
動画の掲載によってユーザーのUX(ユーザー・エクスペリエンス)が向上すれば、検索エンジンからのサイトの評価が高まり、検索順位が上昇する可能性もあります。
SNS
SNSの公式アカウントに動画を掲載して幅広いユーザーにアプローチする方法です。投稿のシェア機能を使えば、アカウントをフォローしていないユーザーにも物件の情報を届けられます。
SNS動画は認知拡大やリードの獲得を狙う局面で効果的な手法です。
一度作成したコンテンツはXやInstagram、YouTubeなどさまざまな媒体で使い回せるため、コストを抑えたマーケティングが可能です。
ただし各ツールの適合規格に動画の尺やサイズを合わせる手間がかかることには注意しなくてはいけません。
バーチャル住宅展示場
バーチャル展示場はオフラインの物件説明会に参加できない顧客に向けて、オンライン上で開催される展示会です。
参加者は専用サイトや公式サイトに映し出されたコンテンツを閲覧して、自宅にいながら実際に内見している感覚で情報を入手できます。
バーチャル展示会では通常の2D動画ではなく、360度動画や3DのVR動画を使用するケースが少なくありません。
オフラインで開催される展示会と同質の顧客体験を提供するために、先端テクノロジーを取り入れた上質なコンテンツの制作が求められます。
顧客への説明時
店舗を訪れた顧客に説明する際に動画を使う方法です。省力化によるコスト削減や業務効率化、契約や内見にいたる時間の節約などのメリットがあります。
顧客の説明用に動画を作る際には、見ただけで魅力や特徴が伝わる内容にする工夫が必要です。
生活者目線で気になる部屋の間取りや近隣環境を撮影して、テロップやナレーションを駆使しながらわかりやすく訴求します。
人間による説明の場合、担当者ごとに説明内容に差異が生じて、魅力や特徴がうまく伝わらない可能性があります。
一方の動画コンテンツは相手が誰でも説明は変わらないため、属人化によるデメリットの心配がありません。
物件紹介動画の制作方法
初めて物件紹介動画を作成する場合、何から始めてよいかわからず戸惑う方も少なくありません。
経験がなくても一定のクオリティを保ったコンテンツを作るために必要な機材や撮影方法の知識を紹介します。
撮影に必要な機材
物件紹介動画の撮影に使用する機材は次のとおりです。
- カメラorスマートフォン
- 三脚やスタビライザー
- 照明機材
撮影用機材は、カメラがなくてもスマートフォンで代用可能です。クリアな画質の映像を撮影できる高性能の機種があれば、一丸レフは必ずしも必要ありません。
映像のクオリティが気になる方は広角レンズつきのスマートフォンの使用を推奨します。物件紹介動画の撮影時は、手ブレに十分な注意が必要です。
手持ち撮影の場合は振動が避けられないため、三脚やスタビライザーを積極的に使用しましょう。
自然光を利用しても十分な光量が確保できないときは別途、照明機材が必要です。
撮影方法
スマホで動画を撮影する際には一般的な再生プレーヤーの仕様を踏まえて、端末を横向きにしてカメラを起動します。
YouTube動画の横1920px縦1080px、画面比率16:9を意識するとよいでしょう。
手ブレの影響を極力防ぐためには1回で済ませようとせず、複数のカットに分けて撮影することがポイントです。
カメラやスマートフォンを持つ際には脇を締め、身体の全体を使って被写体に向きを合わせるよう心がけましょう。
部屋の内部を映す際には、細かな箇所まで十分に伝えるためにいろいろな角度からカメラを回しましょう。
間取りの広さや解放感を訴求したい場合、部屋の隅からもう一方の隅に向かって奥行きをとると効果的です。
編集方法
動画編集専用のソフトウェアを利用して、撮影した素材を一つにつなぎ合わせて、装飾や加工を施す必要があります。
表現に対する強いこだわりがなければ、無料のツールを使用しても特段問題はありません。
基本的な編集作業の流れは次のとおりです。
- タイムラインに素材を配置
- 不要な映像をカット
- 字幕やテロップの作成
- BGMや効果音の挿入
- 配信先のフォーマットに合わせて書き出し
あらかじめ配信プラットフォームを選定して、適切なサイズやデータ容量を確認したうえで制作に移りましょう。
また動画を公開して終わりではなく、配信後の分析や改善が重要です。
視聴回数やユーザーの属性に関するデータを取得して、視聴者から受け取ったコメントもブラッシュアップの参考にします。
物件紹介動画制作時のポイント
単に部屋の様子や近隣の環境を撮影して企業サイトやSNSにアップロードしても顧客増加の効果は見込めません。
目的を明確にしたうえでユーザーを飽きさせない編集の工夫が必要です。効果的な物件紹介動画を制作するポイントを解説します。
目的を明確にする
物件紹介動画を制作して成し遂げたい目標を明確にしましょう。動画の方向性を見出し、シナリオやストーリーを決めるために必要な作業です。
基本的に一本のコンテンツで伝えるメッセージは一つに絞るべきだといわれています。
物件の紹介が目的にも関わらず、会社紹介や求職者向けの案内まで含めようとすると、視聴者に動画の内容が伝わらない恐れがあるためです。
目的の明確化には、情報を取捨選択してコンテンツの尺を短くする効果も認められます。
長尺の動画は忙しくて時間がないユーザーに敬遠されやすく、途中離脱につながるため、一般的には好ましくありません。
明確な目的のもとシンプルなストーリーを構築して、コンパクトなコンテンツに仕上げましょう。
「物件紹介動画を作ってみたいけれど、どう活用すれば効果的なのかわからない」そんなお悩みをお持ちの方は、動画制作のプロフェッショナルに相談して、戦略から設計するのが効果的です。
Funusualは、ヒアリングを重視し、お客様のニーズに応じたシナリオの提案を得意とする動画エージェンシーです。
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テロップを活用する
テロップを活用して口頭の説明では不足する部分を補い、強調したい箇所を明確にするテクニックは効果的です。
情報量の増加に結びつくうえ、物件の特徴やおすすめの理由をわかりやすくアピールできます。
ほかにも光の当たり具合で映像が見えにくい場合、テロップを利用して位置を示す使い方もあります。
口頭の説明を字幕にする際には配分に注意が必要です。
過度に文字情報が含まれると視認性の低下や世界観の破壊を引き起こす可能性があります。
全体を通して多すぎず、必要な箇所にピンポイントで挿入する工夫が求められます。
明るさや見やすさに注意する
室内の様子を撮影する物件紹介動画では明るさや見やすさがとても重要です。魅力的な機能や設備を有する住宅でも、映像が暗いと印象が悪くなり、物件のよさがうまく伝わりません。
自然光を取り入れるために撮影は腫れの日を選び、時間帯は昼間に設定しましょう。
窓の位置が遠い、もしくは小さい場合、日光の差し込みが不十分でよく見えなくなる可能性があります。
電気のスイッチをオンにして天井から均一に照らしたり、持参した照明用具を活用して部分的に明るくしたりする工夫が必要です。
360度撮影を導入する
物件紹介動画の場合、360度カメラを利用して部屋全体を一周するアングルを取り入れると室内の様子がよく伝わります。
高解像度の製品を使えば、日光が届きにくい部分や微細な箇所までクリアに映し出されます。
視聴者は没入感を抱き、対面の内見に近い感覚で居住したときのイメージをつかみやすくなるでしょう。
360度カメラは工場のオンライン現場見学や博物館のバーチャル展示会などにも取り入れられています。
商用にも通用する画質や音質を期待できるため、競合と差別化したい不動産会社のマーケティング戦略にはおすすめです。
物件紹介動画の制作費用
物件紹介動画の外注費用は編集のみの場合は30,000円から、撮影から依頼する際は100,000円からが相場です。
長尺のコンテンツやリッチなアニメーションを取り入れた高品質の動画を希望する場合、1,000,000円以上の費用になるケースもあります。
1本の尺が短い物件紹介動画は会社紹介動画や採用動画と比べて費用を抑えやすい特性をもちます。コストの削減もさることながら、より重要な要素はクオリティです。
いくら安価に動画を制作できても、物件の魅力を十分にアピールできない内容では目的の達成には結びつきません。業者選びの際は、費用以外にも制作経験や得意領域も踏まえて決断しましょう。
物件紹介動画を動画制作会社に依頼するメリット
物件紹介動画を制作会社に依頼するメリットは次のとおりです。
- 企画からアフターサポートにいたる一連の業務を任せられる
- 過去の制作案件を確認してイメージに近い業者を見つけられる
- 不動産業界や物件紹介動画を得意とする専門会社に依頼できる
- 依頼から納品までのスピードが速い
自社制作と比べて品質を確保しやすい手法と考えて間違いないでしょう。
Funusualは、不動産業界をはじめとしたBtoB企業向けの制作経験が豊富な動画エージェンシーです。
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「物件のよさを動画で伝えたい」「静止画では伝えきれない空間の雰囲気を映像で表現したい」など、お悩みをお持ちの方もまずはお気軽にご相談ください。
物件紹介動画の制作を考えているなら
物件紹介動画は問い合わせ数の増加や業務効率の向上に結びつく、不動産会社にとって有益なコンテンツです。
撮影や編集の作業を自社で担う負担は大きく、クオリティを担保する難しさも考えると、積極的に外注を検討した方がよいでしょう。
物件紹介動画の制作をお考えなら、BtoB特化の制作会社Funusualにご相談ください。
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