動画広告市場の拡大やYouTubeの流行などにより、動画制作を依頼した企業も多いでしょう。もしこれから制作を外注するのであれば、ヒアリングシートのことを知っておくことをおすすめします。
そこで今回は、ヒアリングシートの基本情報や作る際のポイントなどを紹介します。この記事を参考にした上で、動画制作を外注してみましょう。
目次
まずヒアリングシートという言葉を初めて聞いた方もいるのではないでしょうか。そのことを考えて、まずはヒアリングシートの基本情報から見ていきましょう。
ヒアリングシートを簡単に紹介すると、クライアントがどのような動画を作成したいのかまとめた資料のことです。動画制作会社はヒアリングシートの情報をもとにして動画を作っていくため、基本的に初回の打ち合わせにおける話し合いで作成されます。
依頼する側がヒアリングシートを知っておくと、相手が把握しやすいように伝えられます。抽象的に伝えても、動画制作会社としてはクライアントがどんな動画を理想としているのか把握しにくく、ヒアリングシートもまとめにくくなるでしょう。しかし、クライアントの話が具体的なものであれば、理想的な動画も想像しやすくなり、ヒアリングシートの質も高まります。
オリエンシートはその動画についての方向付けをする役割を果たすもので、ヒアリング結果をまとめるヒアリングシートとは少し異なります。内容もオリエンシートのほうが具体的であり、ヒアリングシートよりも動画の内容に踏み込んでいます。
オリエンシートで重要なことは、クライアントの情報と想定しているターゲット、そして動画で訴えたいこととトンマナです。オリエンシートは動画の戦略における方向性を決める上で重要なものとなります。
クリエイティブシートは、マーケティング要素の強いものです。上記で紹介したヒアリングシートやオリエンシートよりもマーケティングにおける戦略をメインとした内容であり、動画を作る目的や今のターゲット層から思われていることなどをまとめていきます。
ヒアリングシートの主な内容は5つ挙げられます。それぞれどのようなものなのでしょうか。
1つ目は動画を制作する目的です。「新商品をPRしたいため」や「ブランド力を強化したいため」など、動画を制作する目的はさまざまあります。ヒアリングシートを作る際には、動画制作会社がクライアントに対して動画を作成したい目的を聞き、深掘りしていきます。
2つ目は、ターゲットやペルソナです。動画を制作する上では、多くの人に見てもらいたいと思うでしょう。しかし、見てもらいたいターゲットやペルソナが明確なものでなければ、誰に対しての動画なのかわからず、目的もあやふやになってしまう恐れがあります。
そのようなことを防ぐために、ターゲットやペルソナを設定します。なお、ターゲットは実際に視聴してくれる方のイメージで、ペルソナはターゲットよりもさらに細かく設定したものです。
3つ目は、予算と納期です。動画制作を依頼する上では、予算や納期も重要です。ヒアリングシートでは予算と納期もまとめられており、どのくらいの予算でいつまでに完成させれば良いのか把握しやすくします。
もし予算が多くあるならば、芸能人を起用したり海外で撮影したりなどさまざまな方法で動画を制作できます。納期も余裕があるほど理想的な動画が制作しやすくなります。なお、動画制作の費用はシンプルな会社案内のプロモーション動画だと30〜60万円ほどです。
4つ目は動画を配信する時間帯です。例としてテレビCMの場合、朝に流れているCMと深夜に流れているCMでは異なっています。このように配信したい時間帯も、動画制作において重要なポイントとなります。
5つ目は動画を使う媒体です。現在では、テレビ以外にスマホやPC、デジタルサイネージなどさまざまなところで動画を見かけるようになりました。特にスマホやPCの場合、SNSや公式サイトなど配信したい場所によって、さらにどんな動画がふさわしいのか考える必要があります。
例としてスマホの場合、縦型動画の制作も候補として挙がるでしょう。通常の動画は横型ですが、スマホだとわざわざ横に向ける必要があります。そのまま再生することもできますが、どうしても動画サイズが小さくなってしまい、見にくいと思うかもしれません。しかし、縦型動画であればスマホを傾けなくても視聴できるようになります。
動画制作会社というのはさまざまあるため、どこが良いのか迷うかもしれません。理想的なところへ依頼するためにも、以下のポイントをチェックしましょう。
実績は必ず確認すべきといえるほど重要なポイントです。自分が制作したい動画のイメージと近い実績があれば、依頼しても安心できるでしょう。
実績をチェックする際には、内容だけではなく期間も確認することが大切です。会社としての歴史が長い場合、これまで培ってきた経験や知識を豊富に持っています。そのような会社であれば、取引する際に良いアイデアを提案してくれるかもしれません。また、長くやっているからこその信頼もできるでしょう。
動画制作会社によって得意分野があるため、そちらもチェックしておきましょう。例としてアニメーション動画を作ってもらいたいのであれば、アニメーション動画を得意としているところに依頼するのがおすすめです。専門分野だからこそ、質の高い動画を制作してくれるでしょう。
初めて動画制作会社に依頼する方にとっては、どのくらいの料金なのか気になるでしょう。このとき、料金体系が明確だと費用が把握しやすくなって依頼しやすくなるはずです。そのため、料金もチェックした上で依頼するかどうか考えてみましょう。
アフターフォローやサポートに関しても、チェックしておくべきポイントです。しっかりとしているところであれば、完成後のミスがあってもきちんと対応してくれます。会社によっては一定期間のアフターフォローやサポートを無料としているところもあります。万が一のことが起きても安心できるように、そのような部分も確認しておきましょう。
上記で紹介したように、動画制作を外注する際のヒアリングシートは重要なものです。ただ、ヒアリングシートの作成以外にもすることがあります。もし初めて動画制作を外注するのであれば、以下の流れを把握しておきましょう。
動画制作を外注する場合、まずはヒアリングから始めます。動画を作成したい目的やターゲットなどを動画制作会社が聞いていき、そこで得られた情報をヒアリングシートにまとめていきます。
ヒアリングの際、イメージしている動画を伝えるのがおすすめです。そうすることで、動画制作会社はクライアントが具体的にどのような動画を作ってもらいたいと思っているのか把握しやすくなります。
次にヒアリングシートの結果から、企画と構成を考えていきます。誰にどのようなメッセージを伝えたいのかハッキリさせ、ターゲットのズレを防いできます。この際にも、あらかじめ作成しておいたヒアリングシートが重要です。
企画と構成を考えた上で、絵コンテを作成します。絵コンテはクライアントにも見せて、問題があれば修正するという流れを繰り返します。
絵コンテが完成すれば、台本の作成です。もしクライアントが台本を確認する機会がある場合には、ヒアリングシートの内容がきちんと反映されているのか確認しましょう。
動画制作におけるトラブルは、クライアントと動画制作会社によるイメージのズレで生じやすいものです。そのようなミスを防ぐためにも、必ず動画制作会社が見せてくれるものにはしっかり目を通しましょう。
上記まで終われば、撮影です。実写動画の場合、いきなり撮影する前にスタジオの確保やキャスティングなどをします。この際、クライアントも立ち会えるとイメージ通り進んでいるのか確認できます。
撮影し終えたら、動画編集です。無駄なところをカットしたりエフェクトを追加したりなどして、魅力的な動画へとしていきます。編集は2週間ほどかかるものですが、短い尺の動画ならそこまで時間かからないかもしれません。
編集が終わると、確認に移ります。クライアントも確認し、問題点があれば修正します。動画は公開すると修正するのが非常に難しいものです。そのため、何度も確認して本当に問題がないのかチェックしましょう。
問題なく動画が完成したら、ようやく納品となります。もしアフターフォローやサポートが整っている動画制作会社であれば、その後に問題箇所があってもきちんと対応してくれます。
動画制作を外注する際にはヒアリングシートが大切であり、そのシートがあることでクライアントの意図に従った動画が完成します。そのため、これから動画制作を依頼したいと考えているのであれば、ヒアリングシートのことを考えて制作目的や予算などを伝えるようにしましょう。
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