動画を制作する際、構成や撮影方法、編集などが重要と思うでしょう。確かにハイクオリティな動画を制作する上ではどれも欠かせないものですが、キャッチコピーも重要な存在です。
そこで今回は、動画でもキャッチコピーが必要な理由やその事例、実際に作る際のポイントなどを紹介します。これから動画を制作しようと考えている方やなぜキャッチコピーが大切なのか知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそもキャッチコピーというのは、ある目的のために人の注意を引くことを目指した宣伝文句のことを指します。有名なキャッチコピーとしては以下のようなものがあり、聞いたことがあるキャッチコピーも多いでしょう。
キャッチコピーは商品やサービスのPRだけではなく、日本たばこ産業株式会社や富士フイルム株式会社のように企業のPRとしてキャッチコピーが用いられることもあります。キャッチコピーを作るコピーライターという存在もあり、どんなビジネスにおいても欠かせないものとなります。
動画でもキャッチコピーが取り入れられていますが、具体的にどのようなものなのでしょうか。タイガー魔法瓶株式会社やアイフル株式会社などの事例を見ていきましょう。
国際的なクレジットカードブランドの1つである「MasterCard」では、「PRICELESS」というキャッチコピーを動画に取り入れています。基本的に「MasterCard」のCMでは殆どの作品に取り入れられており、最後にキャッチコピーを伝えて魅力的なブランドであるとPRしています。
「MasterCard」は、カードを使って新しい自分に出会えたり家族と触れ合ったりなどお金では買えないものサポートする存在として売り込んでいるケースが多いです。実際に上記の動画も、簡単なストーリー形式でPRしています。
タイガー魔法瓶株式会社は、企業のPR動画で「DO HOT DO COOL」というキャッチコピーを取り入れています。そのことから映像も温かいものと冷たいものを紹介しています。
HOTとCOOLというのは、言葉として相反するものです。しかし、タイガー魔法瓶株式会社の製品は温かいものに対応できる製品も冷たいものに対応できる製品も取り合っています。どちらも強みとなるからこそ、動画でも「DO HOT DO COOL」が活かされた存在となっています。
アイフル株式会社のキャッチコピーは「愛がいちばん。」というキャッチコピーであり、CM内でもそのキャッチコピーに絡んだストーリーで展開されています。登場人物は同じでセリフもほぼ同じなケースが多いですが、だからこそ覚えてもらいやすくなっています。
また、女将役として出演している大地真央さんの個性的な役もCMの魅力的なところです。和尚やコスプレイヤーなど幅広い役目をやっているがゆえに、多くの人から注目を集めています。そうなると視聴者数も増え、キャッチコピーもさらに幅広い人へ知ってもらいやすくなります。
キャッチコピーというのは企業だけではなく、自治体も取り入れています。長崎県大村市では、「大村市なんて大嫌い」というキャッチコピーとなっています。一見するとネガティブな印象に思えてしまいますが、最後になぜマイナスになりそうなキャッチコピーになったのか判明します。視聴者の考えを良い意味で裏切る動画となっており、最後まで見てしまいたくなるでしょう。
福岡県北九州市と山口県下関市は、県境に位置する関門海峡の動画を制作しました。自治体の動画としてはハイレベルなものとなっており、まるで映画を見ているかのような気分になるでしょう。
この動画のキャッチコピーは、「流れがはやい。全部がすごい。」です。そのことを伝えるために、怪獣が下関海峡の流れに負けるというストーリーとなっています。映像で伝えた上でキャッチコピーを紹介しているからこそ、キャッチコピーの内容も頭に入りやすいでしょう。
動画でキャッチコピーを取り入れることが大切である理由としては、以下の4つが挙げられます。それぞれどのようなものなのでしょうか。
1つ目の理由は商品やサービスなどの魅力を伝えやすくなるためです。ただ、商品の紹介をするよりも一言で魅力がまとめられているキャッチコピーを含めた動画にすることで、どのような商品・サービスなのか把握しやすくなります。
2つ目の理由は視聴者の記憶に残りやすくなるためです。「大村市なんて大嫌い」のような衝撃的なキャッチコピーは記憶に残りやすく、知名度の向上にもつなげられます。商品であれば、ネットショップや実店舗などで商品を見かけたときにキャッチコピーのことを思い出して購入してもらいやすくなるでしょう。
3つ目の理由は他社との差別化につながるためです。他社と似たような動画を制作しても、視聴者にとっては魅力の少ない動画と思われてしまいます。そうなると伝えたいことが相手に伝わりません。
そこで他社との差別化を図って魅力的な動画であることを伝える必要があるのです。キャッチコピーは差別化の方法として活用可能であり、「聞いたことのある名前」といった形で親しみを持って商品やサービスを購入してもらいやすくなります。
4つ目の理由はSNSや口コミなどで拡散されやすくなるためです。ユニークなキャッチコピーであれば、視聴者が多くの人に広めたいと思い、SNSや口コミなどを用いて拡散してくれるでしょう。
動画を制作する上では、SNSや口コミなどのことも考えておく必要があります。話題を呼ぶような動画なら、バズって拡散されて多くの人に視聴してもらいやすくなります。ただし、過激すぎると炎上してしまう恐れがあるため、その点には注意しましょう。
もしこれからキャッチコピーを作るのであれば、以下のポイントを覚えておくことをおすすめします。そうすることで、理想的なキャッチコピーが生まれやすくなるでしょう。
そもそもキャッチコピーには、「一般の消費者向け」と「特定のターゲット向け」の2種類に分かれます。「一般の消費者向け」というのは認知度を高める目的でキャッチコピーを使うパターンであり、「そうだ 京都、行こう」のようなざっくりとしたブランドイメージを表したキャッチコピーとなります。
一方の「特定のターゲット向け」は、あらかじめ細かく決めておいたターゲットに対して訴えかけるキャッチコピーです。キャッチコピーによっては、実際に行動へつなげてもらうために具体的なことを含めているものもあります。
これからキャッチコピーを作るのであれば、ターゲットと目的を明確なものしましょう。これが曖昧だと、見ている人に伝わらないキャッチコピーとなってしまいます。そもそも、ターゲットと目的が決まっていない状態でキャッチコピーを作ることが難しいため、まずはそれら2つをハッキリさせることから始めましょう。
キャッチコピーはできる限りシンプルなものがおすすめです。事実、ここまで紹介してきたキャッチコピーは1つの文だけで成立しています。もし「そうだ 京都、行こう」が「そうだ!金閣寺や銀閣寺などがあって美味しいグルメもそろう京都にみんなで行こう!」のような文章であれば、あまりにも情報量が多くて魅力的なキャッチコピーには思えないでしょう。
上記の例は極端なものでしたが、キャッチコピーというのは商品やサービスをただ説明するような文章ではありません。簡潔で視聴者の心に刺さるような言葉がキャッチコピーとなるのです。だからこそ、無駄な言葉を追加しないようにして作っていきましょう。
具体的なキャッチコピーにするためにも、数字を取り入れるのもおすすめです。その例が株式会社稲葉製作所による「100人乗っても大丈夫」です。100人乗っても問題ないほどしっかりした物置を作っているということを消費者に対してPRできます。このことからキャッチコピーに数字を取り入れて、具体的なことを伝える方法も覚えておきましょう。
ターゲットだけを考えるのではなく、ターゲットがどのような悩みや不満を抱えているのか考えて作ることも大切です。そうすることで、ターゲットの立場になってキャッチコピーを考えられるようになり、消費者の心に届くようなものが作れるようになるでしょう。
視聴者の好奇心をくすぐるようなキャッチコピーも魅力的なものです。「あなたは本当の旨味を知っていますか?」のような問いかけるキャッチコピーは、視聴者の知的好奇心をくすぐるものであり、その答えが知りたいと思って動画を最後まで見てくれるようになるでしょう。
キャッチコピーを作るというのは、初めての方だと非常に難しいことに思えるでしょう。そのため、まずはできる限り候補を出してみてください。そうすることで、どれが魅力的なものなのか各候補を比較しながら決められるようになります。
キャッチコピーを作る際は、動画との組み合わせも重要です。穏やかな動画に対して過激なキャッチコピーを取り入れても違和感しかありません。そのため、動画の雰囲気や展開なども考えつつキャッチコピーを作っていきましょう。
キャッチコピーは動画と組み合わせることも可能であり、実際にさまざまな動画で用いられています。そのため、魅力的な動画を作りたいと考えているのであれば、この記事を参考に動画制作とキャッチコピーの制作に取り組んでみましょう。
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