動画制作というのは、なんとなくで作っても効果的なものになるわけではありません。しっかりと根本的な部分から考えることで、効果的な動画を制作できるようになります。
そこで今回は、効果的な動画の作り方やその際のポイントについて紹介します。事例も紹介しているので、どのようなものが効果的な動画なのかあいまいな方も最後まで読んでみてください。

1.そもそも効果的な動画の事例ってどのようなもの？

動画を作る上では効果的なものがふさわしいですが、効果的な動画とは一体どのようなものなのでしょうか。イメージを把握するためにも、株式会社テレビ東京や別府市などの事例を紹介します。

1-1.コンテンツの展開につながった株式会社テレビ東京

株式会社テレビ東京では、テレビとは異なるコンテンツをYouTubeで配信しています。テレビではできないような長い尺のニュース番組をYouTubeで紹介することで、経済や政治に関する深い開設を求めている多くの人から見てもらえるようになりました。
また、YouTubeでの企画をテレビへ持ち込むこともあり、新しい試みをする場としても動画が活用されています。その1つが海外のコロナ禍における街を歩きながら解説するというもので、多くの反響からテレビにも取り入れられました。

1-2.世界各国から注目された別府市

動画は各自治体のPRにも用いられていますが、その中でも代表的な事例が別府市です。別府市では遊園地と温泉を組み合わせた動画を公開し、100万回再生で実際に行うことまで発表。このことは国内だけではなく世界各国で話題となり、実際に開催される流れにもなりました。
その他にも別府市は、動画を活用したPRを展開しています。例えば日本でラグビーワールドカップが開催される年には、ラグビーと温泉を組み合わせた動画を公開しました。

1-3.感動的なCMでPRするThai Life Insurance社

効果的な動画は海外にも多数存在します。例えばタイの保険会社であるThai Life Insurance社は、感動的なCMを多数公開していることで有名です。どの動画もタイ語がわからなくてもわかるような内容となっており、最後まで見てしまうほど優れたストーリーを展開しています。

1-4.商品PRが無いのに効果を発揮したVIVIEN社

商品のPR動画と聞くと大々的に商品の魅力を紹介するイメージがあるかもしれませんが、韓国の下着メーカーであるVIVIEN社は異なります。ドラマのような動画ですが、商品のPRをしていません。しかし、ターゲットである20〜30代の女性を惹きつけることに成功しています。
この動画の結果として、コンバージョン率がキャンペーンを開始したときと比べて1.7倍となっており、コンバージョン1件に対する費用が50％も減っています。若年層向けの下着メーカーというイメージの一新にも成功しており、非常に効果のあった動画の事例といえるでしょう。

2.効果的な動画の作り方とは？

どのようなものが効果的な動画なのか把握した上で、次に実際作る上での流れを見ていきましょう。もし初めて動画を制作するのであれば、以下の手順に沿って作ることで効果的な動画にしやすくなります。

2-1.まずは目的やターゲットの明確化から

まずすべきことは、目的やターゲットを明確にすることです。どちらもあいまいなままだと、何の動画なのかわからなくなってしまいます。本来届けたいユーザーにも届かなくなってしまうため、効果的な動画にはなりません。そのため、動画を作る目的や届けたいターゲットをハッキリとさせましょう。
ターゲットがハッキリしたら、さらに具体的なものにするためにもペルソナを作成しましょう。ペルソナを作成する際は年齢や性別だけではなく、職業や居住地、趣味といった細かい部分まで決める必要があります。「本当にそこまでする必要あるの？」と思うかもしれませんが、ここまで細かく設定することで、次に紹介する訴求メッセージが考えやすくなります。

2-2.訴求メッセージを複数用意する

訴求メッセージは複数用意するようにしましょう。複数あることでどのメッセージが最もペルソナに刺さるのか判断しやすくなります。そのため、1つだけ用意するのではなく、複数用意して選定しましょう。
もし初めて動画を制作するのであれば、複数の訴求を行うことをおすすめします。なぜなら最初の動画ではどの訴求メッセージが一番響くのかわからないためです。そのような意味でも、訴求メッセージは複数用意するようにしましょう。

2-3.構成や脚本の制作

訴求メッセージが決まったら、その内容に合わせて構成や脚本を制作しましょう。構成に関しては型がいくつかあります。例として問題提起型の場合は、最初にユーザーが抱えやすい問題を提起し、そこから問題を解決できる商品やサービスを紹介していくという流れです。

2-4.構成や脚本に従って撮影

構成や脚本が完成した後は、その内容に従って撮影していきましょう。撮影に関してはiPhoneでもできるようになっているとはいえ、さすがに企業や自治体の撮影で用いるのはおすすめできません。本格的なカメラで撮影したりプロのカメラマンに撮影してもらったりして、質の高い撮影を実現しましょう。

2-5.撮影したものを編集

撮影し終えたら編集の段階となります。編集自体も初心者でもできるようになりましたが、高品質なものを作るためにもプロの動画編集者や動画編集に経験が多い社員などに任せましょう。
なお、動画を編集する際は媒体に合わせて動画サイズを複数作っておくのがおすすめです。動画のサイズは広告媒体によって異なっており、複数用意しておくとさまざまな場所に展開できるようになります。

3.効果的な動画を作る際のポイント

効果的な動画を作るためには、いくつかのポイントがあります。それは一体どのようなポイントなのでしょうか。

3-1.効果的な動画は事前の情報収集がカギ

効果的な動画を作る上で重要なことは、事前の情報収集です。これまでのデータやユーザーの悩みなどの情報をしっかりと集めることで、動画を作る目的やターゲットも設定しやすくなります。

3-2.トレンドを取り入れる

トレンドを取り入れることも動画を作る上では重要なポイントです。同じような動画を作っても見飽きてしまっているユーザーから見てもらえません。トレンドを取り入れることでユーザーは新しさを感じることができ、SNSで拡散される可能性があります。

3-3.必ずしも撮影する必要はない

動画を作る際に撮影は欠かせないことと思うかもしれませんが、実はそうではありません。アニメーションを用いたりカタログを再構築したりなどの方法でも、動画を作れます。画像を動画風に編集してナレーションを追加するといった動画もあり、わざわざ撮影しなくても今持っているものを活用して動画を作ることもできるのです。
ただ、動画の種類によって向き不向きがあることには注意しましょう。アニメーションであれば、クラウドを利用したサービスのような目に見えない商品・サービスのPRや難しいことの説明動画などで活躍できる存在です。しかし、目に見える商品や観光地の紹介などはリアリティが重要になるため、アニメーションには向いていません。

3-4.公開したい媒体に応じた動画制作を心がける

動画を作る際には、媒体に応じて作るように心がけましょう。例としてTikTokに動画を投稿したい場合には、縦型の動画にしなければなりません。その上、多くの若者が利用しているSNSだからこそ、若者に注目されそうな構成や脚本にする必要があります。
このように媒体で動画の向きや向いている内容が異なるため、公開したい媒体に応じた動画制作を心がけることが重要となります。きちんと適した動画を公開すれば、効果的な動画になりやすくなります。

3-5.無理して自分で作ろうとしない

効果的な動画において、質というのは重要なものです。どれだけ時間をかけたとしても、質の悪い動画ならば見てもらえません。そのため、動画を作る際には質にこだわる必要があります。
質にこだわる上では、無理して自分で作ろうとしないことが大切です。コストを考えると自分で作ったほうが良いかもしれませんが、動画撮影や編集の経験が少ない方だと高品質な動画を作れません。そのため、質の高い動画を作るためにもプロのクリエイターや制作会社に任せることも検討しましょう。

3-6.他社の事例を参考にしてみる

他社の事例を参考にすることは、効果的な動画を作る上でのヒントにつながります。コピーするような内容はNGですが、表現方法や撮影方法などをチェックすることでなにか学べることがあるかもしれません。
一方で、他社の事例で足りないところや気になったところをチェックすることも大切です。その部分をカバーすれば、他社の動画との差別化につながります。

4.効果的な動画は公開後の対応も大切

効果的な動画というのは、作れば終わりというわけではありません。その後の対応も大切になりますが、一体なぜなのでしょうか。

4-1.公開後の対応が大切な理由

公開後の対応が大切になる理由は、きちんと本来の目的通りにユーザーが見て行動してくれているのか把握するためです。動画によっては、思うように再生されなかったりコンバージョンにつながらなかったりなどの問題が起きるかもしれません。その原因を探る上で公開した動画の情報は重要であり、しっかりと再生回数といったことを分析することで、さらに効果的な動画を制作につなげられます。

4-2.効果的な動画として活用していくコツ

効果的な動画として活用していくためには、配信結果をきちんと分析してピンポイントに修正していくことが重要です。特に初めて動画を作った場合にはどの訴求メッセージが最も刺さるのか把握しにくい部分もあるため、配信結果をもとに訴求メッセージを絞ることで本来の目的を達成できるような動画となるでしょう。
効果的な動画というのは長期的に改善していくことで生まれていくものであるからこそ、ABテストを取り入れたりPDCAで回してみたりなどの工夫が求められます。動画の分析の改善は効果的な動画として活用していくためのコツであるため、覚えておきましょう。

5.これから作るなら効果的な動画を作ろう

動画自体は誰でも制作できるような時代になりましたが、効果的な動画を制作するためにはさまざまなことを考えなければなりません。商品の購入やサイトへの訪問といった目的に応じた動画を作るためにも、今回紹介したことを踏まえつつ効果的な動画を作ってみてください。