今回は、IT産業の動画でアニメーションやインフォグラフィックス(イラストやチャート、図などを利用した動画)を使用した動画事例を次の5つ紹介していきます。
インフォグラフィックスやアニメーションだけでなく、それらを組み合わせた手法もありますので紹介していきましょう。
1本目は、株式会社ユニリタの「朝倉あき、ユニークなIT企業ユニリタを見つける!」から。
同社は、東京都港区のデータ活用ソリューションを提供するIT企業です。
近年アh農業経営のクラウドサービスなどといった、ITに他業種を組み合わせる事業拡大を行っています。
動画は、女優の朝倉あきさんを起用し、人間の動きとアニメーションやモーショングラフィックスを合成している内容です。
動画の序盤で人間の動作とアニメーションの合成からスタートし、複数の実際の映像とアニメーションとを組み合わせていきます。
そしてあたかも実写版インフォグラフィックスのような様態をしていく流れです。
ドラマや映画、CMなど多数の実績を持つ女優を起用しただけでなく、その良さを引き出す工夫を凝らしています。
後半は、複数のデバイスのグラフィックの画面内に実写を組み込み、前半のテイストを変化させていく内容は、視聴者を飽きさせません。
ふとしたきっかけで、世の中がITによって便利になっていくことを感じさせるのではないでしょうか。
そんな感覚を与えるIT技術によって企業のサービスを支援するユニリタの特徴を紹介していくストーリー性も存分に表現されています。
2本目は 株式会社Speeeの企業紹介動画から。
株式会社Speeeは、市場分析情報(MI、マーケティングインテリジェンス)事業とデジタル技術を活用した業務改革(DX、デジタルトランスフォーメーション)事業を主体とする東京のIT企業です。
動画の内容は、「物理」を全面的に表現している点が特徴といえるでしょう。
方眼用紙から図形を描いていき、その図形から物理的な世界観が広がっていく様子からスタートしていきます。
そして、その図形は自社のロゴマークへと変化するのです。
そこから物理の模式図のような画面へと切り替わっていく内容に仕上がっています。
序盤から黄金比という、人間が最も美しいと感じる比率を使って表現していく世界を映像によって表現しています。
並行して、動画の雰囲気を落ち着いたものにするために、色彩を抑えてモノクロに近い内容になっているのも印象的です。
画面下には外部に向けてのメッセージ、自社の事業に対する姿勢を語っています。
具体的な製品名やサービス名を敢えて前面に押し出さず、自社の持つビジョンを紹介しつつ、事業のイメージを伝える動画です。
3本目は、株式会社エヌデーデーのインフォグラフィック動画から。
同社は中野区坂上に本社を置く独立系システムインテグレータです。
システムインテグレーター(SIer、エスアイヤー)として知られている同社は、IT技術によって課題解決のためのコンサルティングから設計、開発、運用・保守までを請け負うことで社会に貢献しています。
動画内容は、自社の歴史や得意とする分野の紹介を分かりやすくインフォグラフィックだけで表現しているのが特徴です。
IT企業は、他社との差別化が重要になってきます。
しかし、ユーザーとなる企業や事業者は、実際にどのような事業をその企業が行っているか理解しているケースはまれです。
そのため、会社紹介において他社との違いを積極的にアピールしつつ自社の事業を紹介する内容となっています。
専門特化に邁進している企業の姿勢など、インフォグラフィックスを多用して、わかりやすい内容にしているのが特徴です。
加えて、企業の明るさや透明性も全体のカラーやアニメーションの雰囲気によって表現しているのも注目といえるでしょう。
動画においてデザインや色味から連想されるイメージは重要な要素です。
同社の動画では、爽やかなカラーを多用し、インフォグラフィックスの雰囲気で自社のイメージを表現することに成功しています。
4本目は、Sky株式会社の企業紹介から。
同社は東京と大阪に本社を置くICTインフラストラクチャーサービスとソフトウェア開発を行う企業です。
ICTインフラストラクチャーサービスという、クライアントのIT部門をゼロから構築する業務を紹介する内容になっています。
企業規模や拠点数、得意とする分野や商品、サービスの良さをPRしています。
さらに同社のイメージカラーである空色をテーマカラーにテンポよく具体的な製品名やサービス名を紹介している内容です。
インフォグラフィックスと実写を並行して使っていくのも印象的といえるでしょう。
カジュアルな内容ではなく官公庁や医療機関などの見込み顧客を想定し、フォーマルな内容の動画になっています。
娯楽性はないものの、正統派の企業紹介動画としてお手本になる内容といえるのではないでしょうか。
また、自社の社員に対する姿勢として福利厚生や研修体制なども紹介しており、求職中の視聴者にも訴えている点も注目です。
5本目は、株式会社日立ソリューションズの企業紹介から。
同社は、日立グループの情報通信分野の中核を担う企業の一つで、日本有数のシステムインテグレーターです。
実写をベースにしたインフォグラフィックスの動画になっているのが印象的な内容になっています。
終始実写での動画ではあるものの、並行してインフォグラフィックスによる情報の補完を行っているのが特徴です。
これによって、具体的な状況をインフォグラフィックスによって解説し、より現実的な内容にしています。
自社の技術が実際の社会でも密接に関わりあっているということを紹介している動画といえるでしょう。
IT業界・ソフトウェア業界の主な動画活用シーンについても触れていきます。
主な活用方法は、他業種と同じ次の4つですが、IT業界・ソフトウェア業界特有の意義もあります。
これらについて解説していきましょう。
IT業界・ソフトウェア業界では、業界以外の世界に身を置くクライアントに自社の特徴を知ってもらう必要があります。
実際、従来の方法である専門用語の羅列やサイトでの静止画だけでは、十分な訴求力や短時間での理解が得られません。
しかし、動画制作を行うことで、自社のサービスや商品をテンポよく、わかりやすく、そして短時間に伝えられます。
見本市で自社のサービスを紹介したり、商品を携えて営業に回ったりといったマーケティングがIT業界・ソフトウェア業界では行いにくいのが実情です。
それは、商品やサービスが形のないものであったり、営業所が全国になかったりといった理由が挙げられます。
そう言った弱点も動画配信によってクリアできます。
自社製品の動作している様子をデモ動画として公開すれば、わかりやすく自社のサービスや商品を伝えられるでしょう。
IT業界・ソフトウェア業界の製品は、テキストに起こすと、より分かりにくくなる製品やサービスも少なくありません。
製品やサービスを動画にすることで、わかりやすいマニュアルになります。
例えば、特定の操作も文字で表現すると数百文字以上のテキストになるのに対し、動画であれば数秒程度で表現できることも少なくありません。
IT業界・ソフトウェア業界は、常に新しい人材を求めています。
特に、環境分野と並んで将来性がある分野とされているから、それを担う人材の確保は急務といえるでしょう。
このような背景にあって、自社の魅力や働きやすさといった情報をPRするには動画が有効です。
採用動画を制作し、自社に就職したい人材を集めましょう。
最後にIT業界・ソフトウェア業界の動画活用のメリットやデメリットに触れていきましょう。
IT業界・ソフトウェア業界で動画を活用するメリットは、わかりやすく表現できることです。
同分野は専門的な言葉や操作、まったくイメージできない製品群やサービスなど一般ユーザーからすると、敷居の高いイメージがあります。
しかも動画を利用することで、それらを分かりやすく表現でき、しかも短時間で視聴者に理解してもらえる手段です。
先ほど紹介した活用例のように有効利用できるでしょう。
IT業界・ソフトウェア業界が動画を活用するデメリットは、制作する内容を誤ると、視聴者に誤解を与える可能性があることです。
例えば、空間に浮かんだアイコンをタッチするというインフォグラフィックスのシーンがあったとします。
視聴者の一部は、こういった演出のようなものも、その企業で開発しているという誤解を与えてしまうのです。
この例は極端だとしても、ある程度誤解のない動画制作を行う必要があります。
IT業界・ソフトウェア業界では、自社の差別化とサービス内容を分かりやすく伝えるために動画制作が行われています。
しかし、内製化できる簡単なマニュアル動画であれば、問題ありませんが、自社のサービスをPRする場合や採用動画などは多くのリソースを使うため大きな負担となります。
こういった負担を軽減し、より高いクオリティの動画を制作したい場合は、動画制作会社に依頼するのも手です。
部分的な制作も可能なので、検討してみましょう。
Leave Your Comment