1. 医療分野で動画制作を行う意義

医療は、人命や健康といったものをより扱う性質上、安易に商業化できないイメージがあります。
しかし、動画制作によって医療分野での活用を行う意義は十分あり、次の3つが挙げられます。

これらについて解説していきましょう。

1-1. 公立病院も競争時代

公立病院もかつてのように行政などの支援を受けて、赤字経営を常態化させている時代ではなくなってきています。
それは、当事者である多くの方も実感しているのでないでしょうか。
独立採算を目指して、組織の切り離しを行ったり、統廃合が行われるようになりました。
そのため、がん治療に特化したリ、健診を重視したリといった方針を取る病院も出てきています。
公立の医療機関でもこういった対応に迫られている中、民間の医療機関は、よりシビアな選択に迫られているはずです。
こういった中、有効な一手として動画制作は有効です。
ホームページやCMとは違ったアプローチとして、魅力的な手段といえるでしょう。

1-2. 利用する方にどのような医療機関かイメージできる

医療機関は、受診していたり、勤務していたり、ある程度かかわりがないと入ることは、ほとんどありません。
そのため、実際にどのような医療機関かイメージしにくいことも少なくないのです。
しかし、動画制作を行うことで医療機関のイメージがどのようなものかを伝えることは容易になります。
地域の方々をはじめ、より多くの方に、どのような医療機関かを知ってもらいたい、そんなニーズに応えられるのが動画制作です。

1-3. 医療機器のアピール

医療機器は、家電などと違い、多くの方にとって無縁なことが多い設備です。
白っぽいカラーリングなのは、わかるけど何をしている機械なのか分からない。
あるいは、この医療機関ではどんな医療機器で、どんな治療を行っているのかがイメージできないといったケースもあります。
こういった見込みのクライアント（患者様）に自分の医療機関の医療機器をアピールすることも重要です。
医療サービスは、スタッフの質や人柄も重要ですが、やはり医療機器の特徴などをPRするのが最も訴求力があります。
この医療機器の良さを伝えるという意味で動画制作は、わかりやすく伝えられ、その意義は大きいといえるでしょう。

2. 医療系動画を制作するメリット

医療系動画を制作するメリットはいくつかあります。
その代表的なポイントとして、次の3つが挙げられます。

これらついて触れていきます。

2-1. 業務の効率化が期待できる

業務の効率化が期待できます。
マーケティングとは異なりますが、マニュアルの動画制作によって業務の効率化が期待できます。
マニュアルを動画にすることで、映像や音楽で直感的に内容を伝えることを実現することは難しくありません。
さらに、膨大なテキストや高騰の説明よりも、効率的にスタッフの技術の伝達や均質化が望める手段です。

2-2. 待ち時間の心理的な軽減

医療機関の常識として待ち時間の長さが挙げられます。
時に数時間にも及ぶ待ち時間は、ときに疾患やけがの苦痛をより高める原因になることも少なくありません。
こういった心理的な苦痛を軽減する意味でも動画制作を行って院内で動画の放映をすることは有効です。
単に院内案内だけでなく、インプラントの自費治療の案内や季節の健康の話題など、小番組形式で流すことも可能です。
テレビを放映するのも手ですが、動画制作によるオリジナルのコンテンツも魅力的な手段になります。

2-3. 他院との差別化

他院との差別化を図るのも動画制作です。
動画制作をし、YouTubeなどのプラットフォームで公開することで、多くの人々に視聴してもらうことができます。
場合によっては、自分の医療機関の想定するエリア外からも来院するケースがあります。
これによって競合する可能性のある医療機関との差別化を行うことが可能です。

3. 医療分野での動画活用例

ここまで医療分野における動画制作のメリットや意義について説明してきました。
次にどのような活用ができるのか、そのポイントとして次の5つを紹介します。

3-1. 医療機関のPR

医療機関も一サービス業としての側面を見るとマーケティング活動は必須です。
そのマーケティング活動の一環として動画制作を行うことは、有効な活用手段といえるでしょう。
自院のイメージや最新の医療機器、明るい院内などを伝えるのに動画はもってこいのツールです。

3-2. 治療方法の説明

年々複雑化する医療技術は、ときに口頭での説明が困難であることも少なくありません。
特に手術療法などの説明は、自分のラフなスケッチで通じないことも多くあります。
インフォームドコンセントが当たり前になった現代だからこそ、短時間の動画で説明することは重要です。
特にコンピューターを利用した診察室の電子化が進展している昨今、動画との相性は高いといえるでしょう。

3-3. 自費診療の案内

医療機関では、インプラントや最新の治療、美容など審美的なものに関して医療保険が使えない場合があります。
そのため、そう言った治療の説明や案内を事前にしておくことは重要です。
さらに、こういった自費診療のメニューを分かりやすく、そのメリットについてどのようなものがあるか、伝える必要があります。
このような目的を満たすには動画制作は重要といえるでしょう。

3-4. ウェビナーでの利用

医療分野でも技術や新しい知識を吸収することは重要です。
そのため、セミナーや学会などに参加して積極的に学ぶスタッフも非常に多くいます。
そんな知識や技術をより多くの人々に伝える手段として、ウェブ上のセミナーであるウェビナーで動画活用をするのも有効です。

3-5. 医療機器のマニュアル

医療機器のマニュアルとして、動画制作を行うのもメリットの多い動画制作の活用方法です。
これは、医療機関というよりは、医療機器メーカーや特殊な投薬を行う場合は、製薬会社などにメリットの大きい方法といえます。
複雑化する医療機器や特殊な投薬方法の新薬などを動画で説明することで、より安全で正しい使用方法や投薬方法を伝達できます。
これによって、安全で安心の医療を推進できるでしょう。

4. 医療系動画の事例

最後に医療系動画の実際の事例について紹介していきます。
今回は、個人のクリニックから巨大な医療機関、製薬会社などの動画事例を紹介していきます。

4-1. 東京銀座シンタニインプラント外科：口腔内のデジタル診断

個人歯科クリニックの動画制作事例です。
歯科治療の型取りの様子をデジタル化し、より正確に行っていることをアピールしている動画を後悔しています。
同院では、手術の様子なども公開しており、自院の技術力や医療機器について紹介しているのも特徴です。
ある意味、私設のクリニックで行う動画制作の一事例として参考になります。

4-2. 国立病院機構近畿グループ：医療機関のPR

「国立病院」といわれる地域の基幹病院を統括するグループの動画です。
医療系の動画ではありますが、医療技術や施設のアピールというよりは、どのような地域で活動を行っているかのイメージ動画です。
統括している近畿の府県にある傘下の医療機関の位置関係を紹介しつつ、同エリアにはどのようなものがあるかを伝えています。

4-3. 信州大学医学部附属病院 看護部：看護職員募集

長野県にある国立大学の医学部附属病院の動画です。
バーチャル病院見学をはじめ、どのような医療機関であるかを伝えています。
また、医療機関の多くが直面している看護師不足を補うために、どのような看護活動を行っているかも説明している動画です。
たしかに、多くのテキストやパンフレットのPDFといった情報で職場の環境を伝える手もあります。
しかし、動画であればわずか10分に満たない内容でも、十分環境や雰囲気、設備を伝えられます。

4-4. バイエル薬品：偽造医薬品から身を守る

世界的な製薬会社、バイエル薬品の動画です。
具体的な自社の医薬品のPRではなく、現在直面している偽造の医薬品の危険性や正規の医薬品を利用するメリットについて説明しています。
世界的な規模の企業だけに、世界が抱える問題について提起している動画も制作している事例です。

5. まとめ

医療とマーケティングに用いられるイメージの動画制作とは、相容れないイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、今回解説した動画制作のメリット、活用方法、そして実際の事例を知り、動画制作の必要性を知っていただけたはずです。
個人クリニックの場合は、内製化などもできますが、多忙な業務の中、制作するのは困難なケースも少なくありません。
そう言った意味で、一部でも動画制作会社に依頼するのは十分メリットと言えるでしょう。
まずは、撮りためた動画の編集を依頼することから始めてみることをおすすめします。