公官庁は、国民の奉仕者として、税金を徴収し運用する使命があることから、慎重なサービス提供を行っています。
そのため、動画制作という分野に二の足を踏むことも少なくありません。
しかし、次の2点において動画制作を行う意義があるといえます。
上記についてそれぞれ解説していきます。
紙面による通達や書面やFAX、メールなどによる業界団体への連絡も公官庁の公務として行われることが少なくありません。
それら以外に、より強く情報を伝えたい場合は、人を集める必要があります。
加えて、講習会などを行政で行う場合も少なくありません。
しかし、頻繁にこういった集まりを行うのは、場所の確保や会場の準備など様々な手間がかかり、費用も発生します。
そのため、人を集める回数を減らしつつ、情報はきちんと伝えたいというジレンマに陥ることも多いのではないでしょうか。
このような要求に応えられるのが動画制作です。
動画であれば、多くの人々に情報を伝えることができ、書面よりも充実した内容を伝えられるのがメリットです。
そして、会場を用意する必要もないため、費用や手間なども圧縮でき、再利用できる動画であれば、よりそれらの効果が増します。
こういったメリットを持っているので、公官庁でも動画制作を行うことは十分意義があるといえるでしょう。
動画制作をして、YouTubeなどの動画プラットフォームに掲載すれば、より多くの方に情報を見ていただけます。
足の不自由な方や病気で外出できない方などにも動画という形で情報を伝えることで、平等の情報の共有が可能です。
さらに動画で動きのある内容を伝えることで、より視聴者の方の理解度を上げることができるメリットもあります。
例えば、広報、官報、新しい政策や制度の伝達、そして回覧板のようなローカル情報に至るまで、動画で伝えられます。
このように、新しい媒体として利用することで、より伝達力のある手段が得られるのです。
また、情報の伝達という観点では公共事業や公官庁の活動実績を伝える手段としても動画制作は有効です。
実は、大変な実績を残している公官庁も自らのPR不足によって市民から不要論など辛辣な批判を浴びることがあります。
そう言った批判に対する理解度の向上を目的に、実績について動画制作を行うという手もあります。
このように動画制作を通じて、より多くの方に、より多くの情報を伝える手段を手に入れられるのです。
一般企業や個人が動画制作をするケースと異なり、公官庁は動画制作を行うには注意すべきポイントがあります。
そのポイントは次の4点です。
上記について解説します。
公官庁は、一般企業以上に個人情報や様々な政策に関連する多くの秘密を有しています。
積極的に公開すべき情報がある反面、こういった情報を秘匿する必要があります。
特に個人情報に関しては、動画内に決して公表されてはいけないものです。
仮に致命的な情報流出が起こった場合、ネットの世界で永遠に公開され続ける可能性も否定できません。
そのため、このような状態にならないためにも情報管理は厳格に行う必要があります。
そして、動画制作を行う会社に依頼する場合は、写していけない場所もきちんと伝えることが重要です。
さらに、業務上知りえた情報に関しては動画制作を行う会社に秘密保持をしてもらうことは必至です。
このような場合は、動画制作を行う会社と秘密保持契約を結ぶようにしましょう。
そうすることで、情報漏洩を公官庁側だけでなく、制作会社側でも防けるのです。
秘密保持契約を行わない動画制作を行う会社もまれにあるので、選定した場合は、必ずこちらで制作し、締結することが重要です。
税金や公的資金は無駄遣いしないのが、公官庁の大前提といえるでしょう。
そのため、経費削減のために動画制作を内製化する動きも出てくる場合があります。
よほど人的な資源が余っているのであれば、それでいいかもしれません。
しかし、公官庁は基本的に人材に関してぎりぎりの人数で対応しており、その仕事量を考えると内製化は現実的ではありません。
さらに、勤務時間も厳密に決められている中、手間のかかる動画制作を行う時間を生み出すのは不可能です。
そう言った意味で、動画制作に関しては専門の会社に委託することがおすすめです。
公官庁は予算で動いています。
そのため、予算の柔軟な配分が重要な任務として課せられているのも事実ではないでしょうか。
そんな時、動画制作を依頼した企業が、決まった費用でしか制作できないというのは、動画制作を委託する上で問題です。
動画制作を依頼する場合は、必要な場所にこちらの予算で対応してくれる柔軟な制作会社に依頼するよう注意しましょう。
動画プラットフォームに、動画をアップロードする場合は、コメントをオフにすることをおすすめします。
その理由は2つ、意味不明なコメントを入れられることを防いだり、炎上した場合の対応時間を確保したりといった点です。
公官庁の動画は、様々な思想の方が視聴しています。
確かに、単に視聴しているだけの方であれば問題ありません。
しかし、ここでは関係のない政策の批判や目立つために意味不明なコメントを入れるユーザーが存在します。
こういったコメントは削除し、警告をすることで防ぐことは可能ですが、そう言った時間を使うのは、有益とはいえません。
行政の発表は、一部の視聴者にとって耳障な内容のものもあります。
中には、不快な思いをして、批判的な発言が連続する、いわゆる炎上する状態になるケースも見られます。
こういったものをむやみに抑えようとすると、さらに反発し収拾がつかなくなる恐れもあります。
そこで、炎上の拡大スピードを抑え、何かしらの対策を行うことも必要です。
このスピードを抑えるためにも動画プラットフォームのコメント欄をコメントできないようにしておくことは重要といえます。
他のSNSで拡散することはありますが、場所を移しての動きになるため、ワンクッション入れることもできます。
最後に物騒な注意点に触れましたが、基本的に動画制作は公官庁の活動にとって有効です。
その活用方法として主に6つの手段を挙げます。
上記について解説しましょう。
観光は、公官庁の重要な政策になっているケースも少なくありません。
特に、公官庁に準ずる観光協会やコンベンションビューローなどの外郭団体にとっても重要な要素です。
例えば、SNSやホームページに組み合わせることで、観光の訴求力を高められます。
現地に行かないと分からない、一般に目にできない、それでいて重要な存在が公共事業です。
しかし、その内容を知らせる手段が限られているため、理解を得られないことも少なくありません。
そんな時に利用したいのが動画制作です。
この効果によって、公官庁の実績をPRし、順調に行政が運営されていることを知らせるのに有効です。
複雑になりがちな支援制度を多くの方にわかりやすく伝えるのも公官庁の動画制作で有効です。
図やアニメ、担当者による解説を入れ、わかりやすく何度も確認できるという点で動画制作は便利な手段といえるでしょう。
上記と同様に新制度の説明にも活用できます。
全く新しい概念について解説するのは、動画の利用がとても有効です。
ポスターを無数に貼るのも有効かもしれませんが、動画を通じて広報するのも有効です。
動画制作を行ったら、動画プラットフォームに利用するだけではありません。
庁舎内のデジタルサイネージに利用するのも有効です。
新しい制度のPRや庁舎の案内などを動画で伝えることによって多くの方にわかりやすく伝えられます。
テレビやラジオなどで一部しか公開されない会見動画も動画制作を行えば簡単に公開できます。
これによって、会見の全貌を多くの方に伝えることができ、誤解のない伝達が可能になります。
最後に公官庁の手掛ける実際の事例を次に挙げます。
これらについてそれぞれ解説していきます。
https://tokyodouga.jp
動画プラットフォームというと、YouTubeなど外部の、しかも海外企業のプラットフォームに委ねることがほとんどです。
しかし、東京の場合は自前のプラットフォームも用意し、都民が視聴しやすい環境を構築しています。
札幌市は、よく使われる素材を使ったアニメーション動画を使って、バリアフリーの補助事業を解説しています。
実際の映像をほとんど使うことなく、簡単に、わかりやすく紹介しており、公官庁としては画期的です。
しかも人工音声を使って、ナレーションの人件費を削減しています。
連日行っている市長の定例会見を動画でアップロードしています。
限定公開を設ける、コメント機能をオフにするなど対策をしているのも特徴です。
この動画では、市長自らが政策を分かりやすく説明する試みを行っています。
本格的な番組形式の動画です。
ただ、かなり費用をかけて制作しているためか、公官庁の動画としては異例の広告がついている点も印象的です。
海外の方も見ていただけるように英語や最低限の文字のみで、奈良の美しさを4Kの高精細動画で公開されています。
さらに、文化財や美しい自然などをクローズアップし、シンボルである鹿を動画の随所にちりばめているのも特徴です。
公官庁の動画制作もホームページ制作のように当たり前のようになってきました。
事例を見ていただく通り、各公官庁に個性的な動画を公開しており、工夫をしていることが少なくありません。
低コストにこだわった動画から、タイムラプスやドローンの映像でダイナミックに利用した動画まで、その可能性は大きいといえるでしょう。
内製化を行ってコンパクトな動画から開始するのも、有効な手段ですが、専門的な映像制作会社に委託する手もあります。
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